拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

軍歌<同期の桜>を聞いて

2010年03月18日 | インポート

夕食後テレビチャンネルを回していたら、日本語がチラリと聞こえた。それはアメリカ育ちの日本人女性が自分の叔父が神風特攻隊で亡くなったことに興味を持ち、この神風特攻隊についてドキュメントした番組だった。

 考えてみると、ボクの子供の頃というか、大人になるまで戦争について何一つ話を聞いたことが無かった。今思うと全く変な話なのだが、それは北海道という地理的、歴史的の為か、或いはボクが終戦後7年目に生まれた為か? とにかく身近に戦争に行った人間がボクのそばに誰もいなかった・・・ような気がする。大人が戦争の話をすることも聞いたことが無かったし、学校でも戦争の話を聞いたことが無かった。これが、本州のどこかで生まれた者なら周りに誰か彼か戦争体験者がいてそんな話を耳にしただろう。

 嘘か本当か知らないが、ボクの父親は兵役を逃れて身を隠していたので、戦争に行かなくて済んだ・・・というような話を昔聞いたことがあったが、それがどういうことなのか、すらボクは考えたことも無かった。ボクが生まれて間もなく父は僕等を残して蒸発してしまい、ボクは母子家庭に、さらに里親に育てられたから。

 勿論これまで、日本の戦争映画なんかは何本もみてそれがどんなものであったか、とういう事はある程度想像ができたが、この今夜のドキュメントはより身近な、より切実な我々日本人の出来事として見ることができた。

 ヒットラー率いるナチスドイツのパレードの映像はこれまでよく見たが、同様なパレードがわが日本でもあったことを映像でみて、こうなった時、誰もどうする事もできない、運命としか言いようのない状況に全ての日本人が巻き込まれてきた歴史を複雑な気持ちで眺めた。


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