逝きし世の面影

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金融庁、新銀行東京への金融検査が無い不思議

2008年04月13日 | 地方自治

『税金で銀行を救済』

経営不振に陥っている新銀行東京への追加出資の問題は、2008年3月26日に開かれた東京都議会予算委員会で400億円の追加出資案が可決された。
これによって新銀行東京は当面存続するが、銀行関係者のあいだから、ここまで経営悪化しているのにもかかわらず検査に入らない金融庁をいぶかる声が漏れている。
経営が不安視されていた金融機関には、1年に1度は検査が入る

石原慎太郎都知事の肝煎りで設立された「政治銘柄」であることには違いないが、「あれが民間の銀行であれば、もっと前に検査が行われ、早期是正措置が発動されていてもおかしくない」(銀行関係者)という。

金融庁の不可解な動きに、「都内金融機関再編の青写真があるのではないか」との憶測も流れている。


新銀行東京への追加出資をめぐっては、出資に反対していた都議会民主党が金融庁を訪ねている。
監督官庁である金融庁に、「なぜ、立ち入り検査に入らなかったのか」と行政上の責任を指摘する声があったからだ。



J-CASTニュースの取材にも金融庁は「何年に1度入らなければならないなどのルールはない」と話した。

金融庁で新銀行東京を担当するのは「銀行1課」だ。銀行1課はメガバンクやインターネット専業銀行などの新規参入銀行を監督する部署。
じつは、「新銀行」には「創業3年目の黒字化」というハードルが課せられている。
イーバンク銀行やソニー銀行、セブン銀行といった新しい銀行は、このハードルをクリアするのにとても苦労した。
ところが金融庁は、新銀行東京はBNPパリバ信託銀行の事業を継承して発足したので「新銀行」ではない、と判断しているとされる。


銀行関係者が首を傾げるのはここだ。「既存の銀行と同じように扱うのであれば、3年間も検査に入らないなんてことはない。

石原知事の肝煎りということで、そもそも潰れないし、金融庁も潰すつもりがないのではないか」(地銀幹部)と見る。
背景には設立当初から政治的な判断があったというのだ。




『この3年間で金融検査を受けていない銀行はない。』

前回の検査から間隔があいている銀行で、静岡銀行や青森銀行、大光銀行、静岡中央銀行、沖縄海邦銀行の2年半が最長だ。
過去に経営が不安視されていた金融機関には、1年に1度は検査が入っていて、まして公的資金が入っている銀行などは「毎月の報告もあって、1年中検査されていたようだった」(地銀関係者)と話す。

「ペイオフが解禁されているのだから、預金者保護を考えれば、なおさら早く検査する必要があった」ともいう。





『一年程度で身売りか。?』

都内金融機関の再編、「青写真ある」

ちなみに、金融検査は08年1月から評定制度が導入されていて、A評価だと金融検査に入る間隔がおおむね3年以上、Bだと2~3年、Cは2年以内、Dだと1年以内と、金融機関は推測している。

とはいえ、新銀行東京は400億円の追加増資によって「延命」する。
ただ、各マスコミが報じているように再建計画の達成はむずかしそうで、その前途は多難。「400億円がなくならないうちに、身売り先をさがすことになる」(大手銀行の関係者)との見方が大勢だ。

東京都内に本店を構える銀行の関係者は、「新銀行が不良債権処理にケリをつけたら、みずほが引き受ける」とし、また別の銀行関係者は「これから都内の信用金庫を含めた再編が本格化する。
取引先のことを考えると、信金クラスに引き受けてもらうのが現実的」とみている。

これには都内の大手信金の幹部も、「以前から金融庁には都内の信金を4つにする案をもっている。
今後、銀行への転換も出てくるだろうから、大手信金が受け皿になる可能性はあるし、当局がそんな青写真をもっていても不思議はない」と推測する。





『新銀行東京とは何だったのか?』

銀行と名前は付いているが、その実態は東京都(公)の造った、法定限度ギリギリの14%の暴利をむさぼる高利貸し(サラ金)だったのか。?
其れとも1000万の都民を観客とした、石原慎太郎が1400億円の公金を注ぎ込んで楽しんだボードゲーム『銀行ごっこ』だったのか。?
其れとも、政治家が支持者や取り巻きに対して実施した税金(公金)のばら撒きによる選挙対策だったのか。?

中小企業向け銀行との掛け声で設立されたが、融資実績で中小企業向けが過半数だったのは最初の一年間だけで、現在は大企業やファンド、国債が主な運用先になってしまった。
その中小企業も、実際には「八百屋だとか魚屋だとかには貸さない」(石原慎太郎)とほんとうにこまっている零細業者はしめだし、主に知事石原慎太郎の三男石原宏高の地盤の品川区と大田区の企業に融資していたことから、身内の選挙対策ではないかとも批判されている。

「破綻(はたん)リスクの高い企業の駆け込み寺になった」という指摘もある。
しかし実態は、最初から返済の意思がない、詐欺まがいの借り手も多かった。
六ヶ月間倒産しなければ責任はない、なんてのは「融資」ではなく単なる無差別な「ばら撒き」で、悪徳不良企業にとっては新銀行東京は『カモがネギをしょっている』ように見えただろう。
しかも、その融資という名のばら撒き対象者の選定に議員の口利きがあったなら、此れはもう、融資ではなく集票資金(買収資金)ですよ。
政治家が自腹を切ったら買収になる。しか見かけ上は、銀行の貸付だから買収にはならず、捕まる心配がない。

自民党公明党などの与党議員にとっては、自分の金は使わないで運動員に大金を渡せる夢のような『理想的システム』。
其れが石原慎太郎の造った『新銀行東京』だった。







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1 コメント

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計画倒産を目的とした「被融資者」 (kaetzchen)
2008-04-13 22:32:12
と言えば,誰でも考え付くのがサラ金・闇金・ポルノ業者であろう.特に闇金は携帯電話の番号を書いた看板を電柱に取付け(この段階で法に抵触しているのだが,なぜか警察は取り締まろうとしない),子会社・孫会社を作り,電話番号や顧客名簿をそれらに手渡してトンズラする.名称が変わった子会社や孫会社は借金を整理しますという甘い言葉でさらに利子を上げるのだが,金策に追われる零細企業主には自分がどれだけの負債を持っているのか,どれだけの不正な利子を吹っ掛けられているのかの内容が分からなくなっているのだ.

ここで弁護士に駆け込んで計画倒産=自己破産を考えれば,ブラックリストに載るだけで済みますけど,下手をすると街宣車がやって来ることもあります.つまり,そういうはめに陥らない彼らはヤクザなんですわ.計画倒産を目的とした「被融資者」は闇金かポルノ業者だと考えて間違いないでしょうね.そういえばどこぞのマクドでAVの撮影を始めて捕まったそうで(笑)
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