逝きし世の面影

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「除染」を否定して門前払いした司法の判断

2017年04月18日 | 放射能と情報操作
『原発事故の農地汚染回復訴え却下 地裁郡山支部、原告控訴へ』4/15(土)福島民友新聞

東京電力福島第1原発事故により、放射性物質で農地を汚染されたとして、県内のコメ農家ら8人と農業法人1社が東電に土壌の放射性物質濃度を事故前の水準に戻すよう求めた訴訟で、地裁郡山支部(上払大作裁判長)は14日、「放射性物質の除去方法が技術的に確立されていない」として、訴えを却下した
原告側は控訴する方針。原告側によると、原発事故を巡る農地の原状回復を求めた訴訟の判決は全国で初めて
判決理由で上払裁判長は「原告側は農地の放射性物質を除く方法を具体的に明示しておらず、訴えが認められた場合に東電が取るべき行為を特定できていない」と却下の理由を示した。放射性物質の飛散で農地の所有権が侵害されたか否かについては判断を示さなかった。
原告側は、事故でコメや野菜を作っていた計約30ヘクタールの農地の放射性物質濃度が上がり「安全、安心な農産物を生産、販売することができなくなった」と主張。事故前に県内で測定されたのと同程度まで放射性物質濃度を回復させるよう求めた。
東電側は「原告の農地は作付け制限や出荷制限もなく、使用は妨げられていない」と主張した。
原告団の鈴木博之団長は判決後の記者会見で「原発事故の後始末をしなくてもいいと、司法がお墨付きを与えてしまった」と、憤りをあらわにした。原告側の花沢俊之弁護士は「『却下』という結論だけで、内容に関する議論がなかった」とした。
東電は判決を受け「訴訟の内容については回答を差し控える」とした。
4/15. 福島民友新聞

菅野完、@noiehoie
殺人事件の被害者を蘇生できる方法が技術的に確立されていない」という理屈で、殺人事件も門前払いしてしまえばいいのではないか



『科学的な知見としては「正論」で少しも間違っていないのだが、・・・』

『放射性物質の除去方法が技術的に確立されていない』として6年前の福島第一原発事故以前への原状回復を求めていた福島県の農民の訴えを却下した福島地裁郡山支部(上払大作裁判長)ですが、『政府とか東電の言っている「除染」は科学技術的に無理だ』と、今回判断した意味は大きいでしょう。
何やら、知識とか世間体を気にする常識ある賢い大人は全員同じで、誰一人として目の前で行われている滑稽な茶番劇に対して何も言わなかった。ところが、頑是ない愚かな子供だけが『王さまは裸だ!!』と真実を叫んだというアンデルセンの『裸の王様』の裁判所版である。
放射能の無毒化は今の人類の科学技術では無理で、放射性汚染物質自身が持つ数十年とか数百年の半減期を待つ以外の方法が無い。フィンランドのオンカロでは原子炉の放射能汚染物を5万年後まで安定した岩盤をくりぬいた地下数百メートルに保管する計画を立てている。

『未曾有のレベル7の核事故後の「意味のない除染の継続」VS「全住民の強制疎開」の二者択一?』

政府やマスメディア言う『除染』とは漫画『美味しんぼ』が指摘しているように『まやかし』(気休め?)以外のなにものでもないのである。
除染に意味が無いことは1986年のチェルノブイリ事故で証明済み。放射能の除去技術は確立しておらず科学的にも現実問題としても実施は不可能なのです。
何の意味も無いことがすでに分かっている(不必要な除染作業員の深刻な被曝を伴う)『除染』を日本政府が何兆円も使って行っている理由ですが、チェルノブイリと同じで『除染』を止めれば原発の放射能汚染地域からの全住民の強制疎開を始めなければならないが、過疎地で広大な国土の旧ソ連とは大違いで日本は人口過密で国土が狭い。
チェルノブイリでは核事故の発生から3年間は除染を行って誤魔化そうとした。ところが放射能による住民の健康被害の深刻化が明らかになり3年過ぎから1ミリシーベル以上の放射能汚染地域からの全住民の疎開を実施している。
しかし、原発立地の人口密度が高い日本は強制疎開の対象者が多すぎるし、疎開させるべき土地も無いので6年が過ぎた今でも汚染地域に人々が放置され小児甲状腺がんなどの健康被害が進行している。


男泣きしているのは事実だが、何故かあの産経新聞だけが悪意をもって『号泣した』と報じた辞任会見時に思わず涙ぐむ中谷元防衛大臣。欧米世界ではこの様な政治家の涙を『ワニは涙を流しながら獲物を食べる』という伝説からcrocodile tears(そら涙)と呼ぶが、1974年のニクソン大統領の辞任時のクロコダイルティアーは空涙, 嘘泣き, 泣き真似など評判がすこぶる悪い。(ニクソンは病死や暗殺ではなく自ら辞任した唯一のアメリカ大統領)


普通のセミは1週間後の8日目には全員が死んでいるが、自分自身を『八日目の蝉』に例え泣き出した馳浩文部科学大臣の無残。それにしても同じ日に安倍内閣の閣僚経験者が相次いで人前もはばからず男泣きする姿は異様すぎる

『日本でも「最後の決断」の時が目の前に迫っている!』

あの民主党政権(枝野幸男)が何度も言っていた『放射能は食べても直ぐに健康に影響しない』ことは科学的事実だが、原発事故後の時間的な猶予期間が日本ではとっくの昔に終わっていた。
マスコミは外国特派員協会で『福島は他県の数十倍多い』との岡山大の津田教授の爆弾発言を取り上げているが、実は福島県検討委(日本政府)自身が小児甲状腺がんが『他県の数十倍多い』と認めていた。(津田教授と検討委のインチキな八百長プロレスだった)
ところが、事実はがもっともっと深刻だったのです。
少しでも冷静に数値を見れば誰にでも分かるが、日本の福島県では同時期のベラルーシよりも小児甲状腺がんが『数十倍多い』のである。
フクシマの放射能被害の方がチェルノブイリよりも遥かに深刻なのですから、いよいよ原発の放射能被害が本格化する6年後の今後は、幾ら挙国一致の大政翼賛会の日本でも今までのようには隠しきれなくなるのは明らか。
放射能汚染地域の住民の疎開が日本では困難だからとの理由で、仕方なく何の効果も無いことが分かっていても(住民の安心対策として)気休めに『除染』をダラダラと行うしかない。
しかし幾ら嫌がっても科学では原因が同じなら結果も『同じ』にしかならない。1986年のチェルノブイリでも2011年のフクシマでも同じで未曾有のレベル7の核事故が起きてしまった後では、遅かれ早かれ今後の日本でも『除染の中止』と『全住民の強制疎開』の二つは必然であり避けられないのである。
原発の過酷事故の発生では『除染』と『疎開』は裏表の関係にあるというか、そもそも絶対に必要な汚染地域からの全住民の強制疎開を行わない政府のその場しのぎの口実(真っ赤な嘘)こそが、実は『除染』であった。
それなら今回の『除染』を否定して門前払いした司法判断とは、やっと日本政府も『もう限界で、日本国も強制疎開しかない』と(先祖代々住み続けた土地を離れたくない普通の一般市民に対して)暗に示唆していることになる。今の日本ですが、もう『時間切れ』なのである。



2017年4月18日 毎日新聞オピニオン記事

『発言』 . 改めてチェルノブイリに学べ
=尾松亮・ロシア研究者
4月26日でチェルノブイリ原発事故から31年。日本でも福島第1原発事故から6年が過ぎた。筆者はチェルノブイリ被害者保護法(1991年成立、通称チェルノブイリ法)を一つの参考に、日本における被害者補償法の提案をしてきた。・・・・・
この毎日新聞の4月18日のオピニオン欄の『発言』ですが、意味不明のフェイクニュースの類なのですから不気味である。
読めば読むほど意味が不明になる摩訶不思議な真実の一部と願望と、政府とマスコミの悪質な嘘八百のプロパガンダが混然一体となっている。
読み方によっては、その意味が正反対になる騙し絵のような記事なのです。
やはり政府やマスコミは時間切れで福島第一原発事故の放射能被害が隠しきれなくなって、とうとう大転換(玉音放送)を行う心算なのでしょう。72年前にも今とまったく同じ態度だったのである。
日本政府は連合国にはポツダム宣言受諾(無条件降伏)を通告した。この時に政府の指示でマスコミは玉音放送までの1週間近くも国民には隠して『無条件降伏した事実を言わない。ところが(はっきり誰にも分かるようには書かないが)事情を知っている一部の有識者に対して日本の敗戦を密かにほのめかす』との腹立たしい態度をとっていた。



『遅れてやってきた毎日新聞の津田教授(隠れ原子力ムラの村民『改めてチェルノブイリ』の尾松亮)』

マスコミや岡山大の津田教授ですが、『福島県の小児甲状腺がんが他県の数十倍多い』と主張したと大宣伝したが、事実は福島県検討委自身が、『福島県の小児甲状腺がんが他県の数十倍多い』と認めていることが議事録を見れば誰にでも分かる事実だが、普通の善良だが愚かな一般読者は調べない。


毎日新聞などマスコミは津田教授だけが『福島県の小児甲状腺がんが他県の数十倍多い』と主張していると読者が間違って判断するよな偽装記事を書いている。ほぼ手品か詐欺である。


津田教授が外国特派員協会で示したチェルノブイリ事故後のベラルーシの小児甲状腺がんの発症数の棒グラフ

外国特派員協会で津田教授が示した棒グラフの元ネタのチェルノブイリ事故後のベラルーシの小児甲状腺がんの発症数のグラフ。
二つのグラフの全く数字は同じだ(同一の客観的事実を書いている)が、元ネタの方はチェルノブイリ事故以前の発症数が省略されている。(チェルノブイリ事故以前では人口1000万人のベラルーシで年間0から2人、平均では年間0・6人)
ところが、これとは対照的に津田教授の方はベラルーシの小児甲状腺がんのピークだった過酷事故後9年目(1995年)の数字が意識的に消されているのですら、津田教授ですが科学者ではなくて詐欺師ですね。現在人口200万(ベラルーシの5分の1)の福島県の発症数は200人近い(5倍すると千人近い)凄まじい数字になるが、いま発表されている検査日時はフクシマの核事故後4年後(平成27年度)までの数字ですよ。(福島県検討委の二順目検査は2014年度と、2015年度)
ちなみにベラルーシではチェルノブイリ事故から4年後の1990年は29人だった。(人口が200万人なら6人程度)
福島県検討委とか岡山大の津田教授が言う『福島県の小児甲状腺がんが他県の数十倍多い』ですが、科学的な客観的事実は『福島県の小児甲状腺がんはチェルノブイリ事故後の同時期のベラルーシの数十倍多い』ことは明らか。
子供たちだけではなく全ての住民の一刻も早い退避は最優先事項なのである。
毎日新聞の津田教授もどきの今回の極悪詐欺師の尾松亮・ロシア研究者ですが、年間1ミリシーベルトの被曝基準はICRA(国際放射線防護委員会)が定めた国際基準であるばかりか、当たり前ですが日本の基準でもある。
『日本は年間20ミリシーベルト』の意味とは、今の日本ですが2011年3月11日に出された非常事態宣言(原子力緊急事態宣言)が6年経った今でも未解除のままで、延々と続いているからに過ぎない。
今の日本は平時の民主主義とか基本的人権を定めた法律が一時的に停止されている過酷で理不尽で、極限的な準戒厳令下の世界だったのである。


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2 コメント

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Unknown (Saito)
2017-04-17 12:49:35
ああ。。。

「殺人事件の被害者を蘇生できる方法が技術的に確立されていない」という理屈で、殺人事件も門前払いしてしまえばいいのではないか」by 菅野完
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『除染は嘘』と裁判所 (ローレライ)
2017-04-17 18:06:46
『除染は嘘』と裁判所が判決して「放射性物質の除去方法が技術的に確立されていない」と言う『国際的常識』が公認された!
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