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『21世紀の神隠し』
3月8日未明にクアラルンプールを離陸したマレーシア航空MH370便は消息を絶ったまま2ヶ月が経過した。
何かの具体的な手がかり(痕跡)が『一つも無い』摩訶不思議な状態で、突如神隠しにあった如く失踪しているのである。
とにかく、全てが異例ずくめで胡散臭い。
マレーシア政府とかマレーシア航空当局は、捜索にとって一番大事な時期である消息不明になってから1週間も、まったく無関係なベトナム沖の南シナ海に世界中の捜索隊を引きつけて機体捜査を攪乱する。
マレーシア当局ですが、丸々1週間も時間稼ぎを行った挙句に、2週間も経ってからイギリスの情報を根拠として、航路も航空路も無い世界で一番人口希薄な(人目につきにくい)オーストラリア西部のインド洋南部に墜落したと唐突に発表(断定)している。
『事実上打ち切られるインド洋南部の捜索活動』
突如捜索海域がインド洋南部に切り替わった以後は、マレーシアとオーストラリアの政府が中心となって空からの捜索を行っていたが、とうとう4月20日に打ち切られているという。
主役の言動がミステリー小説以上に不可解である。
その間幾度となく『浮遊物の発見』や『衛星写真に写る影』などの、『有力な手がかり』が報道されたが、全ては『空ぶりの偽情報』で各国の捜索隊を引きずり回しただけだった。
今回のマレーシア機の行方不明は世界各国が捜索に協力したのに、何一つ決定的な情報には至らず、幕引きとなりそうだ。
日本からは延べ130人の自衛隊員とP3C哨戒機やC130H輸送機6機が派遣され、オーストラリア政府が中心となる捜索チームに加わっていたが、打ち切りに伴い、5月1日に帰国する予定。
4月上旬には墜落した機体のブラックボックスの信号がオーストラリアの西方沖に出ているとの情報も有ったが全ては偽情報であったのか、その後の成果は何もなかった。
マレーシア航空は行方不明旅客機の乗客の家族のため北京のホテルに設置していた支援センターを5月2日で閉鎖すると発表。各地の家族支援センターは5月7日までに順次閉鎖するが、とうとう事件は完全に迷宮入りモードである。
『航空路上の墜落地点が早期に確定していたエール・フランス機』
マレーシア機の機体の捜索では、2009年に大西洋に墜落したエールフランス447便事故で、事故から2年経ってブラックボックスを引き上げた実績がある米海軍の探査機『レモラ6000』は数少無い切り札だが、エールフランス機は運よく海底山脈の頂上付近にある平坦な場所で見つかった。
しかもエールフランス機の事故では、発生から一週間以内に遺体や機体の残骸が発見されていて、確実な墜落場所が特定されていた。
遺体どころか一切の機体の残骸も破片もブラックボックスからの通信も不明のマレーシアMH370便の回収作業は、ほぼ絶望的である。
大西洋の航空路上のエールフランス機と、今回の世界一不便な誰もいないインド洋のマレーシア機では、そもそもの条件が違いすぎるのである。
『三題噺、マレーシア機の行方不明とTPPと集団安保と』
プロイセンの戦略家クラウゼヴィッツの『戦争論』によれば、政治経済の延長線上にあるのが戦争であり、軍事や外交経済や政治は一繋がりであり『一体』構造なのである。
集団自衛権は、日本にとっては尖閣問題での中国対策なのに、与党自民党幹事長石破茂が唐突に尖閣防衛で、アンザス条約機構を言い出した。
この場合は、アンザス条約よりも、集団安保(集団的自衛権)論議では、石破幹事長ですが、軍事オタクならアンザス条約よりも、もっと規模が大きかった東南アジア条約機構(The Southeast Asia Treaty Organization, SEATO)シアトーを何故出さないのでしょうか。
今回のマレーシア機の捜索の主役であるマレーシアはシアトー加盟国、オーストラリアはアンザスの加盟国であり、アメリカは全てに盟主として加盟して仕切っていた。
そして日本を含めて、舞台に出てくる役者の全員がTPPの交渉国でもある。
マレーシア機が失踪する数時間前には(TPP賛成派の)アンワル元副首相の有罪判決が下りていた。(機長はアンワル副首相の親族)
マレーシア機の失踪では早い段階で機長のジハード(政治テロ)がうわさされていたが、実はTPP交渉がらみのハイジャックの可能性も十分にある。
失踪して一週間後に当局は、当該のマレーシア機が南シナ海でV字ターンしてマレー半島を横断して真っ直ぐに英国領で米軍の戦略的要衝のディエゴ・ガルシアに向かっている図表を世界のマスコミに向かって公開しているのである。
マレー半島横断後に、何故か唐突に一切の説明抜きで、左右に90度も大きく進路を変更して、北の中央アジアか南のインド洋南部と行き先を誤魔化していた。
しかしマレーシア政府が記者会見で示した地図では、誰が見ても米軍基地のディエゴ・ガルシアしかインド洋には島が無い。
マレーシア政府としては、『機長のハイジャック(テロ)』はいえても、『アメリカが関係している』(ディエゴ・ガルシアが関係している)とは、口が裂けても言えないのである。
『集団安保に対する大きな誤解と、本当の意味』
集団安保としては、ナトー>シアトー>アンザスの順番で規模も値打ちも小さくなる。冷戦用のシステムだったのに、何故か冷戦崩壊後の今でも残っているNATOとは大違いで、シアトー(SEATO)はベトナム戦争の敗北で早々と崩壊する。
アンザスは、そもそも英米オーストラリア、ニュージーランドなどアングロサクソン系で小さく纏まっていたが逆に広がりが無い。(日米安保の様な2国間同盟に近い)
巨大な集団安保のNATOですが、今のウクライナの紛争の原因ともなっている。
アメリカが主導した三つの集団安保機構ですが、目的が同じだったのに何故かその後の運命が大きく違う。
冷戦崩壊では東側のワルシャワ条約機構が消滅した時に、自働的にTATOも解散するべきだったが、約束を破ってロシアの直ぐそばまで拡大に拡大を続けて大発展しいるのです。
NATOの不思議な結束ですが、これは実は宗教的な意味があるようです。
カトリック+プロテスタント連合と東方正教会との東西キリスト教の主導権争いですね。ローマ帝国の分裂とか1000年前の十字軍のビザンチン帝国の首都コンスタンティノポリス攻略など根が深いのです。キリスト教ですが異教徒よりも近親憎悪でキリスト教の別派に対して激しい弾圧をする悪い癖がある。
ロシアへの経済制裁にはギリシャとキプロスが反対しているが何れも東方正教会です。
ロシア帝国の南下を今のNATO加盟国の英仏伊が叩いた150年前のクリミヤ戦争にもいえるのが、当時の東欧の大部分はイスラム教のオスマントルコの支配下にあり、ロシアは東方正教会の盟主として解放戦争を仕掛けたとの言い分もある。
ナイチンゲールの美しい神話が生まれるくらいにクリミヤ戦争が悲惨を極めた原因とは宗教戦争の側面があったのである。
『シアトー(SEATO)の崩壊理由とは』
我が日本国では暢気にNATOなど『集団安保』に入っていれば、加盟国が戦争に巻き込まれたときに自働的に米国軍が助けてくれると勘違いしているが、事実は大違いなのである。
『尖閣は安保条約第5条の適用範囲』とのオバマ大統領の言葉に狂喜乱舞した日本政府ですが、安保条約第5条をまともに読んでいないことが露呈している。
日本側は自動的な参戦と解釈したが、オバマは『議会の賛成があれば、日本を助ける』と言っているのですよ。(米議会は、アメリカ経済に大きな打撃になる対中戦争を可決しない)
シアトー加盟国のパキスタンアは国力に勝るインドと3回も全面戦争を戦って、3回とも大敗北を喫して、無人島の尖閣どころか人口1億以上の東パキスタンを失っている。
NATOと共にシアトー(SEATO)の盟主でもある米国は、自国経済と関係が深いインドに対して(加盟国のパキスタンがボロ負けしているのに)指一本動かさなかった。(パキスタンはイスラム国家)
ベトナム戦争の敗北もあるが加盟していても何のメリットも無かったことが明らかになったパキスタンの哀れな姿を見せ付けられたのでは、シアトー(SEATO)の崩壊は、当然の結果であった。
『集団安保を進めたい安倍晋三の大きな誤解』
多神教的な日本ですが世界で一番キリスト教的な発想とは違っているのですから、イスラム以上に根本的な価値観の相違がある。
今回の日米首脳会談でオバマから尖閣を守るとの確約を取りたかったのですが、話が正反対。
オバマ(アメリカ)からは尖閣の日本の主権を否定されだけではなくて、琉球新報の4月24日記事ではオバマ大統領は日本の安倍首相を名指しして『尖閣問題をエスカレートさすのは重大な誤りである』と直接釘を刺されているのですよ。
丸っきり話が180度正反対。
日本側の思惑とかマスコミ報道とか、『逆さなの』である。
日米両国で拡大する中国を押さえるのではなくて、(オバマ大統領の発言は)米中両国で、右傾化で暴走する日本(安倍晋三)を押さえるとの構図になっている。
もう無茶苦茶なのですよ。
沖縄県を除く日本本土のマスコミですが、完璧な挙国一致の大本営発表の真っ赤な嘘を繰り返しているのです。
ウクライナほどではないが日本でも中央と地方の致命的な分裂が起きている。
安倍晋三ですが、『アメリカは永遠に日本の味方だ』『必ず日本を助けてくれる』と、何故か自分を取り巻く世界を逆に信じているから強気なのです。
ブッシュ大統領に少し睨まれただけで下痢が止まらなくなり政権を放り出した、根性なしの安倍晋三ですよ。『永久敗戦論』が指摘する、世界を相手に戦争する気など、考えたことも無い。
安倍の『戦後レジームからの脱却』に対して、米国のオバマは『傀儡の分際がツケ上がるのもいい加減にしろ』という強烈なメッセージを送っているのです。
栄枯盛衰は世の習い。資本主義の限界が近づきアメリカの相対的な力の衰えは最早隠せなくなっている。
(米国政府としては成長が見込めない先進国の日本よりも、発展段階にある中国に鞍替えするのは当然な成り行きである)
尖閣にしても 1971年から負けているのです。
ところが日本人の99%はそんなことは知りません。
米がどんな時でも日本を一方的に味方をしてくれるというのを完璧に信じています。
ところで孫崎うける氏ですが 彼が情報宣伝マンだとするとやはり米政府のもとで動いているのでしょうか?
10年ほど前にアメリカのヘッジファンドの雄ジョージ・ソロスが主催する民主団体?が主導して選挙で選ばれていた政権が次々と市民による直接行動で打倒されています。
東欧とかソ連圏の市民たちですが、自国の政府とかマスコミなど公的なもの信用度が低すぎるのですね。
自国の信用度が低い分逆にBBCなど外国のマスコミの信用度が高かった。この内外格差というか逆転現象を巧に突いて、気に入らない政権を次々と転覆させて都合の良い政権に置き換えたのですが、
日本は3・11でいくらかは低下したが、それでも自国の政府とかマスコミの信用度は絶対に揺らがない。
外国なら『権威ある存在は絶対に見え透いた嘘をつかない』などと考えているのは純真な子供達限定の話であり、大人は当然疑うのです。
韓国の旅客船セウォル号の大量の死亡者ですが、乗客が大人ではなくて、純真な高校生だったから被害が拡大した。
逃げ送れた原因とは、まさか船長など権威ある連中が、見え透いた嘘はつく筈がないと、信じていたからですね。そして今の日本国全体がセウォル号と同じで、明らかに大きく傾いていて、もはや復元力の限界点を超えている。
時間的な誤差があるだけで、必ず沈没するんですが、この時に、今まで船長と船内放送が嘘八百の安全安心心配ないと、騙していたと全員が気が付く。
今は影響ないが、この時に、(東欧と同じで)孫崎享の指摘が絶大な効果を発揮するでしょう。
ところが、そろそろ、日本でも東欧と同じ現象が起きていたらしいから恐ろしい。
「敗戦前夜の陰鬱」舛添得票は猪瀬得票の48%
2014年03月16日 | 社会
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/d95166c32b23f6a96948704477e1bab7
での、孫崎享の指摘ですが、恐ろしいことに、まさにその通りであり我が日本国の最後の安全装置を破壊する威力があるのですね。
3月16日記事で強調したことですが、これは日本にとっては危険物としては最高度。
『わざとらしい(視覚的に明らかな)不正選挙の痕跡』なのですよ。
この事実を軽視することは大きな災いを招くでしょう。