六カ国合意と拉致問題と対米従属

『対外従属は日本の国是』

明治維新以来１５０年間、外交努力を放棄してその時代の最強国家（最初は大英帝国で、第二次大戦後はアメリカ合衆国）に従属して利益を得る最強の日本のコバンザメ戦略。（外交）
一時期(１９３０年代～４０年代）、自主外交を模索して大東亜共栄圏や八紘一宇、鬼畜米英、暴支懲膺を掲げて大失敗して以来、現在の日本は外交丸投げの対米従属を６３年間国是としきました。

安倍晋三のブレーンで保守派の論客で日本会議の重要メンバー元外交官（駐タイ大使？）岡崎久彦は『アングロ・サクソンに付いて行けば１００年は持つ』と主張する。
しかし岡崎久彦の考えが正しいと仮定しても、対アングロ・サクソン従属外交は、自主外交の期間１５年を除いて１００年以上経過しており最早賞味期限切れである。（残念）

対米従属の利点は何も考えなくても良いことでしょう。
何の外交努力しなくて済む。こんな楽な外交は他には無い。
そして成功すればよし、例え失敗しても責任は全て従属相手のアメリカ持ちで、判断の責任は自分〔日本〕には無い。




『モラルハザード』

イラク戦争でも、開戦したブッシュ大統領は、開戦理由だったフセイン政権とアルカイダの関係も大量破壊兵器の所有も嘘だったとアメリカ国民に謝罪した。
しかし世界で真っ先にイラク侵略を支持した日本政府も、小泉元首相も未だに『間違っていました』とも『判断ミスでした』とも『騙されました』とも言わないでひたすらだんまり戦術。
究極のモラルハザード状態である。
しかもマスコミがそのこと（政府の外交責任、政治責任）を全くとりあげない。
元々、対米従属外交に、政治責任とか外交責任とかの文字は無いんですね。
政府にとって対米従属ほど楽な政治、外交は何処にも無い。
何しろ首相がいなくても、『日本の政治や外交が上手く行かなくなる』、なんて事が無い。
この特殊な日本国の秘密？の存在が、安倍首相のプッツン辞任と其の後の首相の空白の時期に、日本国内だけでなく世界の国々にまで証明してしまった。
首相がいなくても何とも無い不思議の国、日本国。外交が無くても困らない日本国。




『何でも遣りすぎは禁物。』

こんな楽な外交を長く遣り過ぎて日本は外交のイロハをすっかり忘れ果ててしまいました。
日本国は、アメリカに操を捧げ、その為には近隣諸国からの外交の誘いは、長い間、全部袖にしてきました。

仲良くなりたいというロシアからの秋波は北方領土を理由にして断固拒否する。
日韓友好を言う韓国に対しては竹島問題を煽り立てる。
中国が色目を使えば靖国参拝と尖閣列島、北朝鮮とは拉致問題とすべてに抜かりない。

結果、日本周辺の四カ国の内、国際法上正常な関係は二カ国（中国、韓国）だけという異常事態が２１世紀の今でも続いている。。
法律上二カ国（ロシア、北朝鮮）とは戦争が終結していない。〔講和条約を結んでいない）
一カ国（北朝鮮）とは国交断絶どころでは無く、北朝鮮という国家の存在そのものを認めていない。（日韓条約では、朝鮮半島には一つの国家しかない事になっている）
これではマトモな日本の安全保障が成立するはずが無い。

宗主国アメリカと、日本が袖にしてきた周辺４カ国との６カ国協議での、日本政府の予想外の突然のアメリカと北朝鮮の合意。
日本独自に北朝鮮制裁を行っているのに、二階に上がって梯子を外された恰好の日本政府。
ブッシュ政権の外交戦略『悪の枢軸』を信じていたのに、裏切られ立ち往生する日本政府の愚かしさ。
政府のコバンザメ戦略の真価を問われる昨今である。



『米朝合意の目的は』

しかし３艘目の空母が中東に向かっていると報道もあります。イランがイラン製高性能兵器をイラク武装勢力に供与との怪しい情報を米軍高官が喋る。
１７０名の米兵がイラン製の高性能爆弾で死亡と、イラクの米軍が証拠を示さず記者会見で声名を発表する。
最近ではイラク南部のバスラでのシーア派武装勢力マフディ軍との戦闘で、イラン革命防衛隊が軍事支援との怪しい情報を中東軍司令官が記者会見公表する始末。

キリスト教原理主義福音派のブッシュ大統領は。北朝鮮と手打ちして、後顧の憂いをなくして、極東周辺の米軍１０万人を中東に派遣、イランとの最終戦争（ハルマゲドン）を計画しているのではないでしょうね。