在日中国人李纓(リ・イン)監督が撮った映画『靖国 YASUKUNI』の上映中止騒動で日本が注目されている。
李監督は撮影開始前に、日本人映画関係者から『今までに靖国を正面から取り上げる企画は一度も無い』『非常に困難が伴うだろう』と注意されていた。
靖国神社とは、その存在自体が、明らかにしてはいけない、一種の『タブー』であったようです。
「靖国YASUKUNI」は(10年間に渡って撮影した映像をナレーションを加えず上映するドキュメンタリー映画で、海外での評価も高い。
映画「靖国 YASUKUNI」は、日本・中国・韓国の3カ国による合作映画で、日本在住19年の中国人リ・イン監督が、8月15日の終戦の日の様子や、ご神体「靖国刀」の鋳造を再現する刀匠の姿など、靖国神社にまつわる様々な事象を10年間に渡り取材し、完成させた。釜山国際映画祭、サンダンス国際映画祭、ベルリン国際映画祭でも上映され、先日行われた第32回香港国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。
『靖国」とはどんな映画なのか。』
実際、李監督は「反日的」と見られかねないことを意識して政治色を排している。ナレーションも一切なしに、靖国の「今」を包み込むようにとらえながら、日本人には見えなかった歴史に光を当てる。
8月15日、開門とともに境内にあふれる旧陸海軍の軍服をまとった集団、米国旗を掲げた奇妙な米国人、参拝推進運動の集会で反対を叫び、袋だたきに遭う若者……混沌とした一日をカメラは追う。
その一方で、90歳でなおかくしゃくとした刀匠が、一振りの刀を鍛え上げるさまをとらえる。靖国神社の「ご神体」は刀である。敗戦まで、神社の境内では8100振りの「靖国刀」が作られ、戦場の将校に支給されていた。
一見、水と油の二つの光景がサンドイッチされて、一つにより合わされていく。そこにこの映画の妙がある。
ラスト、軍人が台湾人や中国人を斬首したり、特攻機に軍刀を持って乗り込む古い映像や写真を挿入しつつ、墓碑ならぬ「刀」こそ精神的支柱とする神社の本質をあぶり出す。外からの目でしかとらえられないもう一つの“靖国”といえよう
『著名人のコメント』
田原総一朗(ジャーナリスト)
これほど靖国追及に勢力を注ぎ込んだ映画はない。観るのは辛いが目を背けるわけにはいかない。凄まじい作品である。
土本典昭(記録映画作家)
李纓氏の最新作『靖国』は敗戦記念日のその一日を凝視する。既成の見方、アングルは排除され、初めてその日を見るように新しい。九十歳の刀鍛冶とその日本刀を物そのものとしてとらえ乍ら、軍人の“魂”とされ、神社の“神体”とされた歴史を天皇と軍人の寫眞と交錯させ、この“神体”が戦争へのよみがえりにつながっていることを見事につたえている。
“私たちは日本人ではない”と叫ぶ東アジア人の“英霊”の声は戦後六十年の虚構をあばいている。これは“考える映画”の秀作である。
森達也(映画監督/ドキュメンタリー作家)
観終えてつくづく思う。不思議な場所だ。奇妙な磁場だ。引き寄せられる何かと、遠ざけられる何か。
スクリーンに浮かびあがるその一つひとつの要素を凝視することで、この国のもうひとつのアウトラインが、きっとあなたの中に形作られる。
鈴木邦男(一水会・顧問)
靖国神社を通し、<日本>を考える。「戦争と平和」を考える。何も知らなかった自分が恥ずかしい。厳しいが、愛がある。これは「愛日映画」だ!
有田芳生(ジャーナリスト)
復古主義の反時代。これが二一世紀の日本かと驚かされた。石原慎太郎さんに取材したときの言葉が蘇ってきた。 「戦前の日本はいまの北朝鮮みたいなものだよ」。この作品に反対するも賛同するも、まずは自分の眼で見てからの判断だ。
インリン・オブ・ジョイトイ(タレント)
「靖国神社という場所…何故、中国や韓国などの人々から靖国参拝を反対されるのか?理由はこの映画に詰まっている。今こそ日本の若者に伝えなければいけない真実やメッセージはここにある。戦争のない平和な世界に近付く為に、知らなければならない真実~。
綿井健陽(フリージャーナリスト、『Little Birds』監督)
「靖国神社」に行ったことがある人も、「靖国神社」に行ったことのない人も、実は「靖国」のことは何も知らないのかもしれない。 映画『靖国』が映し出す光景から、もう一度考え直しだ。
大場正明(映画評論家)
この映画の靖国からは、戦争だけではなく、出発点が曖昧にされているために出口を見出せない近代が浮かび上がってくるのだ。
『日本の恥ワシントン・ポスト全面広告の再現』
去年、日本会議や「新しい歴史教科書を作る会」が、アメリカ下院での従軍慰安婦非難決議阻止の為の、靖国史観の新聞広告をやって、今まで対日非難決議反対で運動していた日本支持派の議員を、全て敵〔対日避難決議)にまわして、なおかつ日本の恥を世界に広めた、大馬鹿靖国文化人達を連想する愚行ですね。
映画「靖国」のような、こういった大手映画会社の配給ではない独立系の映画は、幾等優れた作品でも、何とか芸術劇場などと言うようなマイナーな観客席の少ない劇場や映画館で2週間程度上映された後は、お蔵入りして一般視聴者が関心を持つことは余り無い。
何の妨害も無かったなら、ひっそりと静かに上映され、そして何事も無く終わっていた。
自民党議員と其れに踊らされた街宣右翼の妨害で、上映中止が相次いで、一マイナー映画から、一躍超有名なメジャー映画に昇格した映画「靖国」。(映画広告の費用に換算すると何十億円ではきかない)
この手の映画は絶対に見ないのですが、今回は何としても見に行く心算です。
今回見られなかった人たちは、ビデオでの発売を楽しみにして待ちましょう。
今まで何の関心も無くても、『絶対に見てはいけません』といわれると、大概の人は見たくなるものです。
当ブログ関連記事
「靖国公式参拝と慰霊の為の前提条件 」2008-02-19
こうなったら,DVD に焼いて通販したり,You Tube でインターネット公開したりというゲリラ作戦しかないのかなぁ(笑) ここまで日本の言論の自由は北朝鮮以上に抑圧されている,なんて欧米のマスコミにちくったりして(笑)
しかし日本の靖国右翼人脈の知性の程度は、救いがたいですね。
今回も、ワシントン・ポスト全面広告と同じで、全くのオンゴール(自殺点)ですよ。
ただ『単に叩けば良い』では。小学生低学年程度の判断力です。
三手の読みが出来ない。
集団で叩くだけの頭しかない、解同の連中の話ですが、
私の『極左系に殴りこんだ解同系の仁義無き戦い水からの伝言』で正体が明らかになったので慌てているようです。
解放同盟以外の、普通の良識有る人が『水騒動』なんか始めますか。?馬鹿馬鹿しい。
余程慌てたのか、k氏は『インターネット上の偽装工作』での仲@氏のコメントが云々する始末。
靖国と同じで、無料で宣伝してくれるとは有り難い話です。この連中は三手の読みが出来ないんですね。
有る程度の知性や経験が有る人物が読めば、解同の活動家で有ることは明白なんですが。如何でしょうか。?
読者各自の判断力とか洞察力、知識、経験の正しさが試される厳しい展開ですね。
本物か。?偽者か。?簡単に判断できるだけに面白くなってきました。
しかし、靖国右翼と同じで解同の知性や品性の程度が明らかになりました。
http://www.excite.co.jp/News/society/20080410220900/20080411M40.111.html
あまり妄想でものを仰らないほうが良いと思いますよ?
引かれた url もウソデタラメのモーソーそのものですよ.
必死に url =証拠を集められた形跡が伺えます(笑) ちなみにその url には nusk さんの主張と反対の事実も載ってますよ.お分かりになりませんか?
知性と教養のない方はこれですからねー.
何を熱くなってるのか正直、分かりません。
税金の使われ方をチェックした議員さんの行動はマトモに思えます。
「街宣車で…」は私です。
アパルトヘイトやカースト制度の現代的で洗練されたバージョンです。戦争犯罪「報道」問題は、宗教的な問題であり、カースト制度で扱われる「前世」を口実とした差別と同質です。
幸いにもイラク戦争によって、戦争犯罪は相対化できたようです。イラク戦争で米軍が大量虐殺するほど、日本人が戦争犯罪の件で迫害される可能性が小さくなります。不謹慎ですが米軍による虐殺を応援する気分があったり。極端な話、イラク人が全滅することがあれば、日本人を生まれながらの罪人として糾弾する人はいなくなります。
ま、アメリカ人を「生まれながらに犯罪を負った国民」として糾弾する蛮勇のある人はいないでしょう。
映画靖国の件で騒動を引き起こした連中は、おそらく靖国問題の複雑な背景が明らかになるのを恐れているのでしょう。靖国神社は日本人の祖先(の一部)を称えるお社ではなく、明治政府賞賛の道具であり、民族(日本人)の利益とは違うものだ、というのが明らかになるのを嫌がっている。
靖国問題の複雑な背景が明らかになれば、「戦争犯罪糾弾」タイプの左派にも裏目にでます。靖国や戦争犯罪の件で日本人を糾弾することができなくなるからです。
右派民族主義者の間で、明治政府をただのクーデター組織という見方がひろがっています。彼らの一部で満州国の麻薬収益の話題が公然となっているのは、そのためです。明治政府が最初から日本人に対する裏切り組織であれば、明治政府を叩いても民族(日本人)を叩いたことにならないからです。
とはいうものの、明治政府が日本人に対する完全な裏切り者か、というとそうでもないと思います。長州元勲に限っては裏切りものですが・・。