『正規職員だけでは災害対応限界 見直しへ 茨城 鹿嶋』 2019年11月6日 NHK
台風被害が相次ぎ、自治体の災害対応が喫緊の課題となる中、(官制ワーキング・プアの)非正規職員の割合が全体の5割まで増えた茨城県鹿嶋市は、正規職員だけで災害に対応する現在の防災計画では限界があると見直しを検討する。同じように正規職員だけが災害対応を担っている自治体は複数あり、今後見直しの動きが出る可能性もあります。
6万7000人の鹿嶋市は人件費削減で、臨時や非常勤で働く非正規職員が全職員849人のうち、409人とおよそ48%。避難所の開設や高齢者の避難誘導などの対応を定めた市の防災計画では、災害対応に当たるのは「あらかじめ定める防災関係職員」(正規職員)と書かれている。
台風被害などが相次ぐ中、非正規は想定されていないため、職員のほぼ半数しか災害対応に当たることができないのが現状で、今のままでは対応の遅れが懸念される。
こうした中、鹿嶋市は現在の防災計画を見直して非正規職員についても災害対応に当たることができるよう検討を進めることを決めました。
非正規職員は待遇が正規職員と違い、子育て中の女性も少なくない。どこまで災害対応に当たることができるのか課題があるが、市では、台風や豪雨の際の住民からの電話対応などを正規職員の代わってもらうことを検討する。
全国の自治体で非正規職員が増える中で、鹿嶋市と同じように防災計画に基づいて正規職員だけが災害対応を担っている自治体は複数あり、今後、見直しの動きが出る可能性もあります。
市長「非正規職員も災害時の役割」
鹿嶋市の錦織孝一市長は「住民の安全・安心や命に関わる場合は、行政が率先して責任を持たないといけないし、正規職員と違いはあるものの、非正規職員にも災害時に役割はあると考えている。災害に備えた体制作りを進めていきたい」と話した。
台風19号 鹿嶋市の対応
茨城県鹿嶋市は台風19号の接近前に災害対策本部を設置し、高齢者に早めの避難を呼びかけるとともに、防災計画に基づいて正規職員全体のおよそ30%に当たる129人が出勤し、避難所の開設や高齢者の避難誘導などに当たりました。
鹿嶋市では、台風19号で1万戸が停電。倒木や停電の復旧状況などに関する住民からの電話がおよそ500件あったということで、電話が鳴りやまない状況が続きました。
福祉担当部署では、台風が接近する前に高齢者や障害のある人を避難所まで車で誘導しましたが、ふだんは面識のない正規職員が行わざるをえなかった。市役所窓口や自宅訪問で高齢者や障害者と直接対応しているのは、いずれも非正規職員。
鹿嶋市の非正規職員数は2005年には259人、職員全体の33.3%が、ことし4月の時点では409人と48.2%まで増えた一方、正規職員数は2005年は518人が、ことし4月には440人に減った。鹿嶋市の防災計画は50年前に作られたもので、非正規職員が災害対応に当たることができないかという視点での検討はされてこなかった。
専門家「非正規職員増え防災計画見直し必要」
自治体の防災対策について詳しい中林一樹研究推進員は「非正規職員が増えてしまった自治体では、必ずしも災害対応がうまくいっていない現状があると思う。これまでと同じように正規職員だけで対応したため、災害対応が後手に回ってしまったということにならないようにすべきだ」。「非正規職員の中にも豊富な経験があり災害時に対応できる人材もいるので、適材適所で活動してもらえるよう防災計画を見直す必要がある。ただ、どこまで責任を持たせるのかなど検討課題もあると思う。高齢化が進む一方で、全国の自治体では非正規職員が増えていて、自治体が災害にどう対応すべきか国も方向性を示すべきではないか」と話しています。
(抜粋)
11月6日 NHK
『早急な正規職員の増員しか、今後の「正しい災害対策」は無い』
★注、台風15号の千葉県の停電の把握に時間がかかった大きな原因とは、現場の市町村職員の絶対数が足りないだけでなく、職員の自宅自身も被災するなど身動きが取れない。平時には何とかなるが災害時には役立たないのが現状だった。
被災地で平日のボランティア不足深刻 募集人数の半分も集まらず…〈宮城・石巻市〉 FNN
台風19号の被害を受けた宮城県石巻市では、11月1日県の内外から復旧作業を手伝うボランティアが訪れてtaが、被災地ではボランティアの不足が深刻となっています。
台風から3週間が経つ11月1日、石巻市湊町のボランティアセンターには、県の内外からボランティアが駆けつけたが、現在、一日あたり50人のボランティア募集に対し、団体ボランティアは週末に集中し、平日の参加者は平均10人から20人と、常に不足している。
石巻市社会福祉協議会 庄司勝彦 事務局長
「土日は団体で入ってくれる方もいるし、仕事お休みで協力していただける方も多いんですが、平日はどうしてもなかなか集まらない状況」
11月1日は集まった15人のボランティアが、床下40センチほど浸水した北上地区の住宅を訪れ、倉庫や庭の片づけを手伝いました。
ボランティア
「1人暮らしの方の所ですし、やっぱり人数いないとどうにもならない」
利府からボランティア女性
「平日のボランティアさんが足りないということでお休みを取って来ました。まだまだボランティアが足りないんだなと思いました」
被災した家の人
「うれしいです。本当にご苦労様です」
市内でボランティアが必要な作業は、10月31日時点で72%まで終えたが、ボランティアの要望はまだ毎日30件以上あり、平日の参加を呼び掛けています。
〈抜粋〉
2019年11月1日 FNN(フジテレビ)
★注、
劣悪な雇用環境の非人道的な臨時雇用の非正規職員に対して、災害時には正規職員と同じ仕事を要求するというNHKにしろ、ボランティアのタダ働きを少しも疑問に思わず当然視するFNN(フジテレビ)にしろ同じで根本的な勘違いである。
先ず何よりも必要なのは昔のように公的な仕事を正規雇用に切り替えるべきであり、個人の善意に甘えることなく「公」の責任でボランティアに正当な賃金を払うべきなのです。
『自主的な志願者を意味しているボランティアを「無償労働」のことだと騙す極悪マスメディア、政府自民党、野党や有識者などの大政翼賛会的、挙国一致の悪事(摩訶不思議な自傷行為)』
日本で最も対米従属命で売国右翼的なフジサンケイグループによる『議員や公務員を減らせ』(「公」的な部分は少なければ少ないほど正しい)との狂気のキャンペーンが世界的に珍しい(20年以上もゆっくりと死につつある)デフレ経済下の日本では一定の支持を集めた結果、市町村の公務員数が毎年毎年1万人づつ減少するだけでは無く、正規雇用から(同じ仕事でも)報酬が数分の一の官制ワーキングプアの非正規雇用に置き替える無茶苦茶が進行していた。
それどころか『ただ働き』(ボランティア)を政府やマスコミ、有識者や野党などが挙国一致で推進するのですから怖ろしい。これら善意のボランティア(自主的な志願者)による、危険で汚い被災地の救援作業ですが、本来なら1日数万円の報酬を払うべきなのである。
『正当な労働に対して正当な賃金を払うだけで、簡単にデフレスパイラスは解消、日本は昔のように光り輝く』
正当な労働に対して、→正当な賃金を払うのが資本主義の基本的な最低限のルールである。
金を受け取った労働者とは、同時に消費者でもありGDPの6割を占める個人消費が拡大して、経済が円滑に回って、今のような深刻なデフレスパイラルが簡単に緩和するのである。もちろん非正規雇用をすこし昔(小泉竹中による派遣解禁以前)の日本では常識だった『終身雇用制』(全員が正規雇用)に置き替えるのは言うまでもない。
『エマニュエル・トッドが示唆した左右が入れ替わる激動の21世紀世界』
仏を代表する知性というより、今や21世紀を代表する社会学者エマニュエル・トッドは、どの先進国でも高等教育の進展に伴う階層化によって社会が分断され、そこで『高学歴の左派』が『アンチ大衆』の態度を取っている。左翼やリベラルが右傾化した分、逆に今までは右翼だと見られていたトランプやルペンなどは左傾化する逆転現象が起きていると説いている。
今の日本の左翼知識人ですが、確かに官制ワーキングプアや派遣労働(数分の1の待遇の非正規雇用)に対しては反対している。ところが、これらの非正規雇用よりも、もっと待遇が悪い(極端言えば『奴隷』より悪い)『タダ働き』(ボランティア)に対しては少しも反対していない。(反対するどころか逆に推奨さえしているのですから、たぶん労働者階級の利益に対する根本的な無知が原因しているのである。これでは左翼は勝てない)
ただし、全員が空気を読む特殊なムラ社会(絆社会としての疑似共同体)の日本国では十数年も延々と続く北朝鮮バッシングで社会全体が病的な右傾化が進行して、無条件降伏した74年前と同じで、挙国一致で『滅び』に向かって全員がまっしぐらに暴走しているのである。
★注、
奴隷労働を『タダ働き』の意味だと勘違いしている人は多いが賃金の有無は無関係で、大昔から高報酬(金持ち)の奴隷は幾らでも存在していたのである。労働契約が強制的で働く側に変更する一切の自由が無いのが奴隷労働の意味で、いわゆる『奴隷』たちは何らかの労働報酬を得ていた場合の方が普通だった。(奴隷たちに幾らかの報酬を払った方が真面目に働くし長続きするので、奴隷主としては無償の場合よりも結果的に利益が出る)
人件費は安いほど良いという新自由主義的発想の行きつく先が、タダ働きのボランティア、メディアで報じられるボランティア美談の裏の意図。
総債務残高も減少している自治体もかなりある。
マスコミは家計と国民経済を同一視して、自治体の債務が増えた場合にはそのことを批判している。
今年度の国の予算の予備費は5000億円も計上されている。
直ちに復旧事業を業者に発注すればよい。
人員不足であればボランティアの出番。
1000億円で日当を一万円支給しても延べ一千万人分の労働力が確保できる。
募金キャンペーンの宣伝、もしや再建資金まで庶民のポケットマネーをあてにしているのか、と。
災害復興も、歴史的建造物の再建も、国民の無償労働力とポケットマネーで何とかしろでは、何のための税金か。どこぞの国からガラクタを大量に買うカネはあるくせに。
大学入試改革の一環としての英語民間試験の導入もそう。大学入試はビッグビジネス。ハゲタカはこんな商機、絶対見逃さない。庶民の懐から少しでも富を搾り取るチャンス。
一体この道はどこへ行く道か。
日本人は、どうしてチリのように新自由主義に対し怒らないのか。
同時に同盟国『外国軍』を信用するなど、もっと悪いとも説いている。
トランプ大統領は『同盟は簡単だ』と言って世界中から顰蹙をかったが、
別にアメリカのトランプだけが自国ファーストではなくて、昔も今も全員が一つの例外も無く『同じ』なのです。自国ファーストでないとすれば、それは売国奴のことですよ。
国の安全の最良の方法とは、外国の同盟軍でも傭兵でもなくて、一般市民によるボランティア(自主的に志願した)兵士で組織することだったのです。
アメリカ憲法では国防を担うのは一般市民で組織した州兵であり。連邦軍(いわゆるアメリカ軍)のアメリカ本土への配備は違法なのです。
フランス革命後の徴兵のナポレオンの市民軍が無敵で、フランス以外の国王の傭兵軍を蹴散らしたのですが、まさに、イタリア人のニッコロ・マキャヴェッリ「君主論」の正しさを証明していたのです。
それ以前に19世紀まで東ヨーロッパから北アフリカ、中東を500年も支配したイスラムのオスマントルコですが、
実は、この主力軍のイェニチェリとは、奴隷軍マムルーク。キリスト教徒の有能な子弟を奴隷として集めて英才教育を施していた。オスマントルコは宗教や人種に拘らず、広く優秀な人事を高給で集めて無敵の軍隊を作っていた。
これらの奴隷身分出身の軍人が出世して宰相にまでなっているのですから、イスラムの奴隷制とは案外に民主的?な仕組みだった。
それに比べると今の日本の外国人研修生なる名前の奴隷制は、前借金などの『借金奴隷』は酷すぎる。ほぼ150年以上前の江戸時代に先祖帰りしていますが、これでは必ず国が滅びます。
24年前の1995年の阪神大震災以後に、我が日本国では、唐突に、しかも全国規模で大々的に始まった摩訶不思議な無償労働のボランティアですが、これは多分、江戸時代の封建制では当たり前の一般常識だった『普請』ですね。
そして、今まで聞きなれないカタカナ語の『ボランティア』が日本中に広まった時期と、
日本が世界的にも珍しい深刻なデフレスパイラルに突入した時期が、まったく同じ時期だった。
「公」の崩壊!自分の命は自分で守れ
2019年10月17日 | 社会
https://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/7029afdbbcd7fcd1c7db07eac80049ab
『絆社会の日本で「公」は全員参加(普請)が大原則』
普請(ふしん)は普く(あまねく)請う(こう)と読み広く平等に奉仕するとの仏教用語。 転じて江戸時代に広く土木や建築一般も言うようになり消防や棟上げ、冠婚葬祭を自治組織が行っていた特異な伝統があった。自給自足の封建制と関係していたが阪神大震災以降何とも恐ろしい話ですが150年前の江戸時代が一部復活する。何んと驚くことに労働者の前衛を標榜する共産党までが阪神大震災以降、何かと言えばボランティアを言い出した。まさに自殺行為で、左翼がボランティア(無償労働)などを推進するなど有り得ない展開。 日本全体の病的な右傾化の影響で、左翼までが右傾化して穏健保守に変化したのでしょう。
しかし、それでも復旧は思うように進まず、今年の夏も倉敷の真備地区などで知人がボランティア活動に勤しんでいました。
また、2016年の熊本震災の際も5000億円の補正予算が組まれましたが、まだまだ復興途上だと聞いています。
今回の台風19号の被害は昨年の西日本水害を大きく上回っているのですから、当初の「7億円(安倍首相談)」のブラックジョークはともかく、「5000億円の補正予算から供出していく」では、全額を支給しても全く足りないと予測されます。
したがって、『環境対策に30兆円』とか寝言を言っていないで、全額を日本全土の復旧に回すくらいでないと話にならないでしょう。
東京五輪は『台風の復旧を優先』するからととっとと中止して、その分の予算や人員も復興に回すべきです。