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『福島第一原発事故の推定年間被曝量』フランスIRSN(放射線防護原子力安全研究所)
フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は12日、福島第1原発事故で放出された放射性物質による 1年間の推定積算被ばく量を示す地図を公表した。
それによると、原発から30キロ圏外にある福島県飯館村や 川俣町の一部で30ミリシーベルトを超える恐れがあることが分かった。
米エネルギー省が3月30日から4月3日にかけて観測した結果を基に計算した。
IRSNによると、積算被ばく量の多い地域は米エネルギー省の観測と同様、福島原発から北西地域に帯状に延び、 30キロ圏外の2カ所で30ミリシーベルト超となった。
IRSNは、放射性物質の広がる範囲について原発からの距離だけではなく、風向きや降水、降雪の影響を受けると指摘。
今後もデータ収集に努め、より正確な推定地図を作る意向を示している。
日本政府は11日、川俣町の一部や飯館村など、福島第1原発から半径20キロの避難指示地域の外側で、 事故発生から1年以内の積算放射線量が20ミリシーベルトに達する恐れのある地域を計画的避難区域に指定する方針を発表した。
(パリ)共同通信2011/04/13(水)
『文部科学省1回目の汚染計測を公表せず』情報隠滅の戦犯は誰?
文部科学省は21日、福島第一原発から半径20キロ圏内だけに限定して大気中の放射線量の調査結果を発表。
しかも図で示したフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)やアメリカエネルギー庁とは対照的に、数値と地点だけの不親切なものだった。
もっと問題なのは文科省が東京電力と協力して行った3月30日~4月2日の第一回目調査は発表されることはなく、今回の発表は4月18日~19日の第二回目調査の結果だったことだろう。
文科省は最初の調査後、何故か結果を公表していなかった。
その理由について、朝日新聞では、文部科学省は『調査地点などデータが足りず、混乱を生じる恐れがあると考えた』と報道している。
毎日新聞の報道ではもっと突っ込んだ内容の記事で、
文部科学省はこれまで、『20キロ圏内の測定は保安院や東電が担当する。』と説明していたという。
放射線量の1回目調査結果の公表を行わなかった理由について、文科省は『官邸の指示で出さなかった。』と官邸側の責任を強調した。
枝野幸男官房長官は21日の会見で、非公表だったことについて、『少なくとも私は承知していない。私の決裁なく指示がでているとは考えにくい』と否定した。
その上で『どこかで情報、意思疎通の食い違いがあったのかもしれない。重要なので確認したい』と述べた。
唖然。呆然。
住民ゼロの、基本的に何の意味も無い立ち入り禁止の20キロ圏内だけの汚染を公表する日本政府。
しかも、御丁寧にも第一回目の調査は握りつぶす慎重さ(悪質さ)にはあいた口がふさがらない。
もっとも国民が知りたい30キロ圏を大きくはみ出す放射線物質汚染地帯を示すフランスのIRSN(放射線防護原子力安全研究所)は、セシウム137の大気中拡散をシミュレーションした動画も公開している。
しかもIRSNは日本語対応までしている親切さ。
自国民に正しく危険性を知らせようと努める外国政府と、自国民に出来る限り『安全性』を宣伝したい日本政府の違いが出ているのだろうか。
自国政府や報道の信憑性が低くて、多くの市民がBBCなどの海外の報道機関から情報を得ていた冷戦崩壊以前の旧ソ連や東欧諸国と同じ状態に日本も陥っているようです。
意識的な、悪質な世論誘導の為のプロパガンダの見本ですね。
元々の安全院の推定値の分布図と、ご紹介の時事通信の記事に添付されているものは同一であり、違いは時事の方が色分けして見やすくしているだけです。
ところが毎日新聞など商業紙の地図は明らかに違う。
悪質な修正が加えられています。
一番目立つのは図から10ミリシーベルトを完璧に省いているのですよ。
最低表示値が20ミリシーベルトです。
ただ、これだけなら毎日新聞記事に、
『政府は11日、年間20ミリシーベルトを超える福島県内5市町村について計画的避難地域に指定すると発表した』
とあるので、20~30ミリシーベルトだけを表示して、避難地域で無い10~20ミリシーベルトを判りやすいように除外したのだとの言い訳も出来そうですが、
実は書かれている20~30ミリ地域がえらく痩せ細って描かれている。
時事と毎日では一見似ているが誰かが手を加えて、女性週刊誌の痩身術の使用前、使用後のように多い区面積が小さくなっている。ペテンですね。
幾らなんでも、これでは原図の製作者安全院の名前は出せませんね。納得です。
ただこの地図は、他でも使われていて毎日新聞の製作ではない可能性がある。(他の表示が毎日新聞からの転載の可能性も)
毎日で無いなら、枝野官房長官など官邸側か通商産業省か、犯人は何れかの可能性が高い。
どちらにしても誰かが、悪質な印象操作に励んでいることだけは間違いない。
【図解・社会】東日本大震災・放射線量(推定値)の分布図(2011年4月11日)があります。
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_soc_jishin-higashinihon20110411j-07-w430&rel=y&g=tha
ここでは、分布図と関連して直後の記事で原子力安全委員会11日発表と明言していますし、実際、委員会臨時会議録中の地図を見やすくしただけのものといえるでしょう。
ところが、毎日新聞版地図は、これらを元にしているはずですが、細かく見るとが原図より10mSv以上領域が狭くなっている。たとえば福島市や二本松市の10mSv以上領域がなぜか消されている。おまけに毎日版は凡例で薄黄色の右(最右部)にあるべき10の数字も省かれている。
最初12日に新聞を見たときは気が付かなかったのですが、これらの点から、毎日版の地図は放射線量の低い領域をゴマカシた地図だと今は思っています。
フランスIRSNの数値は20ミリシーベルトで、実は日本の安全院の数値は20ミリシーベルトではなくて最高値は10倍の200ミリシーベルト以上であるんです。
原発作業員でも200ミリシーベルトは駄目でしょう。
飯舘村では其処に1月以上も普通の市民達が生活していたのです。
事実はどちらなのか。
その後訂正があるのか、あるいは無いのか調べて見たのですが、訂正が見当たらない。
4月12日の毎日新聞第一面ですが、不思議過ぎる記事の体裁なのです。
そもそも地図の添付があるが、『累積放射線量の推定値の分布図』とあるだけで作成した安全院の文字が無い。
記事自体が地味な扱いであり、見出しの文字は『5市町村計画避難』20キロ圏以外 1ヶ月以内に、と有るだけで、内容の説明も解説も無い。
記事読むともっと不思議です。
『政府は11日、年間20ミリシーベルトを超える福島県内5市町村について計画的避難地域に指定すると発表した』『1ヶ月以内に住民に避難を要請する』とあるのです。
不思議だと思いませんか。
何故なら、何と10日後の4月22日にもまったく同じ発表を日本政府は行っているのですよ。
日本政府は、10日後にも、
『枝野幸男官房長官は22日午前の記者会見で、福島第一原発から半径20キロ圏外の避難計画を発表した。震災発生から1年間の累積放射線量が20ミリシーベルトを超えそうな福島県の5市町村にある地域を「計画的避難区域」に指定し、5月末までに住民を避難させる。』と、
10日前と一字一句同じ発表をしています。
違うのは10日前の時点では強制的ではないが、
今回は強制力を政府はちらつかせていることだけなのです。
何とも不思議な話ですね。
調べてみれば確かにご紹介の原子力安全委員会は1年間の積算量も計算しているし、4月11日の時点で公表されている。
ところがですね。不思議過ぎることに今日、23日朝刊の報道によると日本政府は文部科学省と東電による1年間の被曝量積算値を行い、遅くとも今月末までには公表出来る様にしたい、と発表しているのですよ。
ですから日本政府はこの内閣府の外局である原子力安全委員会の4月11日の発表を知らなかった?ことになる。??
アメリカのエネルギー庁やフランスの放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の積算値の報道がマスコミに知れ渡り、多分米仏など外国の行った積算値を『日本は何故積算値の計算を行わないのか』と記者からの質問や追及があったのでしょう。
だから政府としては急遽調査して結果を発表すると記者会見で発表する。
安全院と官邸の意思の疎通が上手くいっていない。
これは今回の記事にある文部科学省と官邸との非公開にせよと官邸が『言った言わない』騒動とも共通する、お家騒動か責任の擦り付け合い内紛でしょうか。
今回、日本政府もその存在を完全に忘れていた安全院の被曝積算値ですが、実は恥ずかしながら私も完璧に見落としていました。
4月12日の1面とあるが、この日はそれ以上のトンデモナイ大ニュースが紙面に踊っていたのですよ。
ですから有ったとしても、ほとんどの人は気が付いていないでしょう。
私のおぼろげな記憶では、一応は有るにはあるがフランスのIRSNの様な判りやすい図ではなくて、数値だけの提示ではないでしょうか。
どの様に新聞が書いているか、古い紙面を調べてみる価値が有りそうです。
しかも日本の安全院の予想した年間被曝量ですが、フランスやアメリカに比べて風評被害を防止する目的が優先しすぎて、随分控え目の数値になっています。
どちらが信用おけるのか。
日本側の計算では屋内は野外の数分の一で計算しているのですが、屋内には放射性物質の微粒子は入ってこないとの前提ですが、通気性の良い日本の木造家屋では、この日本側のやり方は疑問が多いですね。
それより一番の問題点とは、安全院計測値が発表された同じ日に、日本人なら誰もが興味が引かれる驚天動地の報道がなされた。
安全院の計測値が発表された4月12日とは、特別な日だったのです。
福島第一原発の事故がとチェルノブイリ原発事故と同じレベル7に引き上げられた、同じ日だったのですよ。
福島第一のレベル7の引き上げと、この安全院の計測値は偶然ではないはずなのです。
福島原発事故評価レベル5から7へ二階級特進
2011年04月13日 | 放射能と情報操作
これは等高線方式で、10,20,30,50,100,200mSvの線が地図上に引かれています。この図は目にできた人は比較的多いと思われます。
この予想図には元がある、(少し経ってから)HPで公開されているはずと、原子力安全委員会臨時会議録をみたらありました
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan022/index.html
この中の(1-2) 福島第一原子力発電所半径20km以遠の周辺地域の積算線量の推計について (PDF)です。1ページ目が計算方法と結果の表で、2ページ目が地図にマッピングしたものです。ちょっと時間に余裕があったもので、探し出してみました。
一つ気の付いた点を付け加えると資料1ページ目の推定結果は、すべて年間1ミリシーベルトを超えています。これは時事通信配信記事は触れていません。