逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

二千人に一人が小児甲状腺癌を発症した福島県の悪夢

2013年07月28日 | 政治

『「終りの始まり」ではなく、「既に終わっていた」日本の命運』

福島県民健康管理調査の17万4千人分の検査結果との検討委発表だったが、真っ赤な嘘だったとは絶句するしかない。
大きくマスコミ発表された17万4千人とは簡易一時検査の数値で、実際の確定数値である二次検査終了は3分の1だけ。
しかも二次検査受修了者の3分の2が発症していた郡山市の場合は、最初から除外する悪質さ。(検査終了率は0・7%)
検討委発表の『確定12人、疑い16人』とは、17万人分ではなくて6万人弱分の調査結果だったのですから、丸っきりの公的機関による悪質極まる振り込め詐欺である。 

『参議院選挙の投票終了で』

『甲状腺の再検査機関を拡充』
原発事故を受けて福島県が行っている子どもの甲状腺検査で、ことし3月末までに一定の大きさのしこりが見つかった、再検査(二次検査)の対象となった1100人余りのうち、再検査を受診できたのは3分の1にとどまっていることから、福島県は24日から再検査を行う医療機関を増やし、郡山市の病院でも検査が始まりました。
福島県は事故当時、18歳以下だったおよそ36万人。
これまで福島市の県立医科大学だけで行ってきた再検査を、郡山市の星総合病院といわき市の福島労災病院の3か所に増やして実施することになりました。
(7月24日NHK)

『政治優先のつけ』これ程、露骨に悪いと・・

先の福島県民健康管理調査で郡山市のB2判定以上で再検査が必要な442人の内、未だにたった5人しか再検査してない。
ところが2人のがんが確定、4割の確率である。(郡山市の二次検査の修了者は3人なので、6~7割の確率)
参議院選挙前に二次検査を行うと福島第一原発事故の影響による小児甲状腺がん多発の恐るべき事実を隠せない。
選挙を意識して後回しにした可能性が高く、子どもの命より自民党勝利を優先する、醜い日本の政治の実体が明らか。
今回、放射能の影響が高い福島県でも、何と自民党候補が地方区で当選している。これ程踏みつけにされ無視されても、まだ目が覚めないのか。

『5月27日の時点の福島県民健康管理調査の発表』

(福島全県では)
二次検査対象者 1,140人
二次検査受診者  421人
二次検査終了者  383人 
甲状腺癌診断確定者 12人確定+16人疑い(検査終了者383人中、合計28人が小児甲状腺がんが発症)
(郡山市では)
郡山市の二次検査対象者 422人
郡山市の二次検査受診者  5人
郡山市の二次検査修了者  3人
郡山市の癌疑い   2人(二次検査受診者ではなく修了者比なら3分の2が発症)

『二次検査対象者1,140人は、全員が癌の「疑い」』

福島県の子供の半数を簡易検査した段階で、150人で1人程度の1140人の『疑い』が出ている。
二次検査対象者とは、簡易な一次検査で異常が見つかったので『より精密な癌検査が必要だ』と判定された子供達なのです。
それなら、全員癌の『疑い』がある。
福島県検討委のような、最終的な癌検査の黒(陽性)判定を『疑い』などと、『悪い結果』を精一杯ぼかして曖昧に表現するのは、もはや助からない(未告知の)末期がん患者に対する気休め程度で、例外である。
一般では、このような『疑い』の使用例はゼロ。他に例が無い。
小児甲状腺癌の『疑い』のある千人強の3分の1の383人分の二次検査を行った段階で28人の発症を確認。
福島県の子供の2000人で1人の割合で、『100万人当たり0~2人』しか発症しない極めて珍しい小児甲状腺癌になっている。
原発のメルトダウン事故からたったの2年しか経っていないのに、今の福島県は通常の1000倍もの異常な数値なのです。
チェルノブイリでは4~5年後に爆発的に発症して放射能の影響が隠しきれなくなり、ソ連は原発事故の5年後に崩壊した。
福島第一原発の放射能の影響が本格化する今から2年~3年後には間違いなく日本の体制は崩壊している。

『終わりから始まっていた、日本の運命』

第二次世界大戦前後に人間が一番多感な思春期を過ごした闇市世代である野坂昭如が一貫して拘っているのが『食べること』である。
『火垂るの墓』では主人公の少年が駅構内で餓死する場面、『昭和20年9月21日 僕は死んだ』から始まっている。
所持品の錆びたドロップ缶には妹の小さな骨片が入っていた。駅員が無造作に草むらへ放り投げると缶からこぼれ落ちた遺骨のまわりに蛍がひとしきり飛び交い怪しく光るが、やがて静まる。
野坂昭如による戦争の実体は、他の未経験の作家の作品よりも生々しい。
多くの人々が勘違いしているが、『火垂るの墓』の主人公の少年は、戦争が終わった後の一見平和な時代に餓死したのです。
皆さんももう一度『火垂るの墓』を確認すれば、多分戦争の恐ろしさが何倍にも増幅される筈です。
3・11東日本大震災の恐怖は2年前に終わっているのではない。2011年3月11日から始まっていた。
『2011年3月11日  日本は死んだ』、福島第一原発事故は『終わりから始まっていた』のである。

『正しかったアメリカ政府の80キロ圏退避勧告』

原発がメルトダウンした場合、宗主国であるアメリカの安全基準では無条件で一般市民は半径50マイル(80キロ)から退避すると決まっている。(ただし退避距離は米軍は50海里なので93キロと軍人は米国市民より2割り増し)
アメリカ政府ですが2年前の3・11の福島第一原発事故発生で即座に自国民の80キロ圏からの退避を勧告しているが、これは原発事故時のマニュアルどおりだった。
ところが属国でしかない我が日本国の民主党政府(菅直人首相)は、情けないことに日本人の退避対象人数が多すぎて逃がせない。
仕方がないので80キロ圏内退避を4分の1の20キロに値切って誤魔化したのが真相だった。
メルトダウン事故時の80キロ圏内退避と言う数字は大切で、一番近い都市の郡山市は危機的な状態である。
原発から60キロ圏内には福島市郡山市いわき市と、福島県内にある30万人以上の大きな都市が全部含まれる。
NHKの大河ドラマ『八重の桜』で有名な会津若松市は人口が10万人規模で4番目の大きさで退避基準の80キロ圏の外側にある。
米軍は一般市民よりも2割増し程度だったが、我が自衛隊は14日夜に『原発が爆発する。100キロ以上離れて』と、20キロ退避の日本人の一般市民の5倍増も逃げている。
石破茂ではないが、命惜しさに市民を見捨てた自衛隊は全員死刑か懲役300年にするべきである。

『チェルノブイリ原発事故では、放射能の除染は無理だった』

『汚染地帯に居残れば必ずからだが傷つき、逃げれば生活が崩壊し心が潰れてしまう』(小出裕章京大助教)
県庁所在地に人口の過半が集まる他県とは違い、福島県は人口規模が同等の福島市郡山市いわき市が並立状態で、福島県の中央にあり原発から60キロ地点の郡山市は32万人強の人口である。
福島県の小児甲状腺がんの検診は、事故当時18歳以下の子供は約36万人の多数なので検査責任者である鈴木真一教授は『短時間の1次検査』での『検査のスピードアップ』で12項目の内4項目を省略した簡易検査だった事実を認めている。
福島県民健康管理調査で17万4千人中で福島全県では簡易検査で『疑い』がある二次検査が必要な対象者が1140人が見つかった。
しかし、福島県の全人口の6%しか無い郡山市では、その内の422人(37%)が確認されている。
一次検査での『疑い』判定率が郡山市は全県の平均値の7倍強なのである。
しかも参議院の投票日までに検査結果が発表されたのは、二次検査が必要な422人中で3名の少なさ。
率にして0・7%という驚くべき数字である。
丸っきり調査をする気が無いとしか思われない不真面目な代物。
それもそのはずで、二次検査が終わった3人中2名が小児甲状腺癌が発症していたのであるから無茶苦茶。
検査をしたくても、結果が恐ろしすぎて出来なかったのである。

『参議院選挙結果の意味』

頭が空っぽの極右の安倍晋三首相の自民党の大勝の結果から『終わりの始まり』であるとの観測が護憲左派では大勢であるが、これは多分間違いであろう。
『終りの始まり』ではなく『火垂るの墓』と同じで、正しくは『終わりから始まっていた』のである。
放射能のホットスポットのある東京都の比例区では脱原発の共産党が第二位の得票を得ている。何の組織も持たないが脱原発の世論の後押しでの山本太郎の4位当選もある。
全滅した民主党だが脱原発の女性現職候補に一本化していれば5位で滑り込みで勝てた可能性が高かった。
この場合は自民党現職が6位になり落選していたのですから残念。
日本共産党ですが、この党は西高東低で大阪の方が必ず東京よりも得票率が高い傾向があったが、今回だけは別で東京都の得票率が大幅に高い。
大阪ですが、今回から地方区の議席が3から4に増えたので議席を確保することが出来たが、毎回4位で次点で落選していたのです。
東京は地方区では3位だったが、政党別の比例得票では、何と民主党公明党維新の会を抑えて二番目だったのですから、正直驚きである。
今回だけは大幅に増えているのです。(共産党は通常なら地方区より比例区が得票が低いが、東京では逆に1割ほど高い)
大阪は前回より増えたが、それ程顕著な変化が無い。
東京だけの何かの特別な条件があったとすれば、それは福島第一原発との距離の差である。
今回東京の脱原発票が、大阪に比べて多かった原因は福島との距離、すなわち放射能汚染度にたいする『恐怖の度合い』の差であった。

『予兆なのか、無関係(たんなる偶然)なのか不明だが』

パフォーマンス集団・電撃ネットワークのメンバー・三五十五が、肺がんの治療および療養に専念することになった。(2013年7月25日木)
タレントの矢野きよ実が、早期の肺腺がん、『突然のことで私も驚いています』(2013年07月03日)
世界を舞台に活躍する女性ギタリスト・村治佳織が22日、舌腫瘍のため長期休養することを自身の公式サイトで発表した。(2013年07月22日)
人気デュオ・CHAGE and ASKAのASKAが一過性脳虚血症の疑いがあるとして、休養することが11日、わかった。(2013年06月11日)
猪瀬直樹東京都知事の妻で五輪招致活動を精力的に行っていた猪瀬ゆり子さんが、招致活動でロシア訪問を控えた5月26日に悪性脳腫瘍がわかり2カ月後の7月21日に急死。享年65歳だった。(2013年7月24日)
『茨城で毎時7マイクロシーベルト』 
茨城県北茨城市で12日、毎時7マイクロシーベルトと高い放射線量を測定と原子力規制庁。2013/07/25 【共同通信】
北茨城市役所のモニタリングポストでは通常なら毎時0.1~0.15μSVなので、7月12日の毎時7μSVは大ニュースの筈が2週間近く経った(参議院選挙が終わった)25日に発表する原子力規制庁。
東京電力福島第一原発3号機の格納容器内の水蒸気が外部に漏れる(2013年7月27日)
福島第1原発の海側トレンチの水から23億ベクレルを検出(2013年7月27日)

『わざと間違いに誘導するマスメディア』

赤いニシン(Red herring レッドへリング)とは本来は燻製ニシンの意味であるが、『間違いに誘導する偽の手がかり』『本当の意図、意味を隠すための嘘』といった別の意味で使われている。
政治用語のスピン・ドクター(Spin Doctor)とは『ボールにスピン(回転)を与え、曲がらせる技に優れた広報専門』のこと。特に政界でメディア相手に事実をうまく自分の側に有利に広報する専門家をいう。
政権を揺るがす大事件が発生した時に、都合良く世間の好奇心を引く事件が起きてメディアの関心はそちらに集中してしまうが、そのような情報操作を『スピン』という。
日本国の福島県民健康管理調査の手口は、将来的なことを考えずに目先だけを糊塗するもので、到底広報の専門家が行ったとは思えない杜撰極まる『一時しのぎ』。
なんとかその場だけとりつくろって済ます『間に合わせ』であり、見るに耐えない。
福島県検討委は甲状腺の全摘出を『確定』に、癌の最終判定である細胞診断の陽性を『疑い』に、『言葉の格下げ』で小児甲状腺がん発症の実数を誤魔化していた。
単なる『時間稼ぎ』程度の意味しか無い。

『敗戦後にA級戦犯の自民党が存在している不思議』

小さく見えるように『当座逃れ』の印象操作を行ったが、今回の検討委発表では、二次検査対象者の人数に対して検査の終了者の数が少なすぎる事実を隠そうとして、『二次検査受診者』なる無駄なものを表に挿入して誤魔化そうとしているが馬鹿馬鹿しい。
何とかして一般市民を間違いの迷宮に誘い込もうと必死に努力しているが滑稽であるあるばかりか、ほんの短い時間だけ『悲惨な現状』を先送りしているだけで、そもそも『その場しのぎ』以上の意味が無い。
日本のマスコミが挙国一致で必死になって隠しているが、全く無駄な努力であろう。
何故なら、これから『終りが始まる』のではなく、日本の場合はすでに初めから『終わっている』のである。
小沢一郎は大勝した自民党の安倍晋三政権に対して『長期安定政権』とのマスコミ判断とは180度反対の『短命で終わる』との予測をしているが、『逝きし世の面影』ブログの判断も全く同意見である。
安倍晋三とか自民党ですが大勝ちに浮かれているのは今だけで、今年いっぱい持てばよい方であろう。
日本国の福島県民健康管理調査では17万人が終わったと言うが、実は簡易検査17万人で『疑い』が1140人も出ている。
二次検査の終了率が3分の1なので、実質では(福島県の子供36万人中で)6万人以下でも28人もの小児甲状腺がん発症が明らかになる。
福島では二千人に一人の割合で小児甲状腺がんが発症しているのですよ。
本来ならこれだけでも内閣の一つや二つが簡単に吹っ飛ぶが、悪い結果が予想される郡山市は後回しにしてお茶を濁す体たらく。
36万全数を検査し終えたなら自民党内閣どころか日本国の政治体制そのものが吹き飛んでしまうのは確実である。
今のような人道に背く邪悪で腐敗した不正な体制は、そもそも一刻も『存在してはならない』のである。

『浜の真砂は尽きるとも世に盗っ人猛々しい、嘘のネタが尽きないトホホ』

(1回目の発表)
去年9月、最初の小児甲状腺癌の発症では、福島県検討委は科学的判断を一方的に放棄して『原発事故の放射能とは一切無関係』と、超強気に一般市民の心配を頭ごなしに突っぱねる作戦だった。
(2回目)
2ヵ月後の去年11月、2人目の小児甲状腺がん発症では、たったの2ヶ月前の自分の発言を一方的に無視して『不都合な過去は無かったことにする』作戦で、全てのマスメディアを総動員して『一人目の小児甲状腺がんが発症』との直近の歴史修正主義と言う、前代未聞の珍奇な嘘を垂れ流す大本営発表作戦に切り替える。
(3回目)
その3ヵ月後(初回からなら3回目)の今年2月、3万8千人中で小児甲状腺癌10人発症を、『3人確定、7人疑い』との隠蔽工作を行ったが、意味不明である。
『確定』とは既に甲状腺全摘出手術の終了済みで、『疑い』とは細胞診断陽性で摘出手術を待っている状態。
『確定』と『疑い』は僅かの時間的な差があるだけで、検討委の診断結果の中身にまったく違いが無い。
寝小便で濡れた布団を隠す頑是無い幼稚園児と同じで、事実がばれて叱られるのが少しだけ遅れる程度。
隠したら見つかった時に余計に叱られるので、普通なら小学生でも行わない。ましてや大人なら絶対に行わない。
真実が時間の経過で必ず明らかになるのです。
一次しのぎの姑息な『時間稼ぎ』作戦であるが、初回の『放射能とは一切無関係』と突っぱねる作戦と、2回目の全てのマスメディアを総動員する大本営発表との三つの合わせワザであった。
(4回目)
前回から4ヵ月後の今年6月、福島県県民健康管理調査は、『17万4千人分の結果である』と発表していたが実数は3分の1の6万人弱という、何とも古典的な『上げ底』作戦。
見え透いた『上げ底』は、一度しか来ない観光客相手の田舎の温泉街の安物の『みやげ物』には良くあるが、信用ある公的機関が行った例は皆無である。
もちろん今までの『頭ごなしに突っぱねる』作戦も『不都合な過去は無かったことにする』作戦も『挙国一致の大本営発表』作戦も寝小便で濡れた布団を隠す幼稚園児の『時間稼ぎ』作戦も飽きることなく繰り返す恥知らずぶり。
よくもこれだけ、福島県当局や政府マスコミは子供騙しの低級なインチキを恥ずかしげも無く続けれるものだと感心する。
しかも、普通なら段々と隠蔽工作が高度化するのですが日本の場合には逆なのです。
反対に回を重ねる度にどんどん劣化して幼稚になっている。
もはや大人が語る政治のレベルではなくて、不真面目な中学生でも白ける低級なブラックジョークである。

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4 コメント

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無条件降伏を認めるか否か。 (ネプギアソリッド)
2013-07-27 09:42:07
日本帝国が解体して、新しく成立した戦後民主主義の「日本国」は、もう国家解体が始まっている。
今の日本に必要なのは護国ではなく、「一刻も早い敗戦宣言」なんだと思います。歌うべきは愛国歌では無くてレクイエムです。
既に負けているのだから、国民に対して敗戦宣言をするかしないかの問題です。
無条件降伏しか無いのなら、早く降伏した方が傷は浅くてすむ。
遅れれば遅れるだけ、ソ連邦軍の背後からの打撃のような災難が起きる。領土も縮小される。
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玉音放送が1年遅れた結果、日本全土が焼け野原に (宗純)
2013-07-27 15:06:44
日本列島の最後の防衛ラインであるサイパン島が陥落し敗戦が確定した1944年の時点で降服していれば日本本土は、ほとんど無傷であり、奇跡の戦後復興も実は全く必要が無かったのですよ。
戦争の被害から復興するまでも無く、被害を受けていない。
日本が戦争をしていたのは本土から遥か数千キロも離れた、遠い遠い場所であり、基本的に直接の被害はゼロだったのです。
被害は全て、最後の1年間に被った。
日本全土が焼け野原になるのはサイパン島からのB29の空爆です。
日本の第二次世界大戦の総括を済ませずに曖昧にしたが、
この理由とは政治判断を先送りしていた、大失敗を隠しているのですね。
4年間続いた日本の第二次世界大戦ですが、3年間で終わらすことが出来ていたら、日本は今のような敗戦国では無かった可能性すらあるのですね。
満州は中国に返還して手放さざるを得ないが、北方領土を言うに及ばず全千島列島からサハリン台湾や朝鮮半島までの大日本帝国の領土が、今でもに日本であり、今の日本国ではなくて『大日本国』だったかも知れ無い。
アメリカですが別に日本と戦争がしたかった訳ではなくて、対独戦争の呼び水として真珠湾が是非とも必要だった。
アメリカが大事なのはアジアではなくて元々の宗教や文化などが同一で縁続きの欧州なのです。
世界大戦の戦勝後に直ぐさま始める、それまでの同盟国であるソ連相手の冷戦の為には、丸焼けの無力な日本よりも無傷の大日本国の方が、味方(同盟国)としてはアメリカにとって有利なのですから日本を高く売りつけれる。
無条件降伏が早ければ早いほど、日本にとっては有利だったのです。
ところが、そういった政治的な判断が出来ないコンセンサス社会が日本の特徴なのです。
東京大空襲でも硫黄島や沖縄戦の玉砕でも、広島長崎への核攻撃でも微動だにせず、戦争継続(一億玉砕の本土決戦)に向け準備していた日本ですが、突如君子豹変する。
ソ連軍の対日参戦を聞いた日本は、ルーズベルト大統領が予想したように即座に無条件降伏するのです。
今回も同じでしょう、
どれ程戦況が悪くなっても敗戦を認めない。
これはある意味では当然で、大赤字でも粉飾決算でずるずると続けている間は誰も責任を追求されることは無い。
ところが、敗戦とか倒産ではその時点で突然責任問題が浮上するのです。
博打でも大勝ちすると、『勝ち逃げ』の決断がなかなか出来ないが、
負けていると余計に賭博が止めれないのですよ。
損が大きければ大きいほど辞める決断が余計に難しい。
今回も矢張り68年前と同じで、天皇の玉音放送が必要なのでしょうね。
Dendrodiumさんのところの記事で、『皇居の放射能汚染度 チェルノブイリ強制移住基準値の約15倍 』というのがあり、皇室を京都御所に移すとの議論がされている。
亀井静香も原発事故以前から京都遷都を主張しているのですが、そもそも明治天皇が『ちょっと行って来る』と150年前に江戸に下ったまま現在至っているのです。
天皇が『止める』と言わない限り、日本ではいくらボロ負けでも止めれない。
今回も同じで天皇が逃げ出さない限り、いくら汚染が酷くても周りの顔色を見て判断する日本人は最後の決断が出来無いのです。
何とも情けない話ですね。
返信する
方便ではなく、本気で一億玉砕するつもりの大馬鹿者ども (なおじ)
2013-07-27 19:53:58
先生のブログを拝読する度に暗澹たる思いになります。
私が若い頃(バブルの頃です)、取引先の課長さんと呑む機会がありました。
その時に彼の友人だという米軍将校のことが話題になりました。
課長「彼(米将校)が言うには、太平洋戦争末期に日本軍が主張した『一億玉砕』という作戦がどうにも理解できないんだと。一億玉砕(日本人全員が戦死)して、どうやって勝つんだって不思議がってたよ、、、」

一億玉砕とか言っていた連中の内の大半は実は本気ではなく、先生が仰る「降伏宣言の先延ばし」の方便として、一億玉砕を唱えていたんだろうと思います。ただ中には、「敗北など論外。国体護持のため死ぬまで戦う、日本人の最後の一人まで!」と本気で思い込んでいた輩も少数ながらいたような、、、。
この期に及んで「原発推進」などとヌカしている人間の大半も「降伏宣言の先延ばし」の方便として、それを言っているように思います。ただ彼らの中にも「本気で一億玉砕派」がいるように思えてゾッとします。科学技術盲信か、効率主義絶対か、なんかわかりませんが、殉死するならご自分たちだけにしていただきたいものです。
返信する
何れにしろ、結果は同じ (宗純)
2013-07-28 14:42:20
なおじさん、コメント有難うございます。

『『一億玉砕』という作戦がどうにも理解できない』と言った米兵の話ですが、その男は阿呆ですね。
政治を知らないのです。
それは作戦ではなくて戦時スローガンの宣伝文句ですよ。
本当の日本側の作戦は『本土決戦』です。
そして古今東西全ての全面戦争につきものなのが、この『本土決戦』であり、一つの例外も無いのですよ。必ず行う。
これで最後の戦争の決着を付けるのです。
ところが、何と、
その唯一の常識外れの例外こそが太平洋戦争であり、我が日本が行ったのですから驚き呆れる。
空爆だけで手を上げたのは太平洋戦争のときの日本と、ユーゴ内戦のミロセビッチくらいなのです。
そしてユーゴ内戦でのNATOの空爆は全面戦争でも無いので降服でもなかった。
しかし日本の場合は全面戦争なので文字どうり降服なのです。
空爆だけで無条件降伏した、唯一の例外が日本だと理解できれば、それ以外の日本の色々な不思議も理解できます。
ポツダム宣言受諾の天皇聖断の原因を考察する
2011年02月22日 | 政治・外交と天皇制
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/8b7b7d85d97e72438fa77282259e792d
『一億玉砕』とはスローガンとしての方便、宣伝広告、コマーシャルのキャッチコピーなのです。
『ただ中には・・・本気で思い込んでいた輩も』ですが、
信じていた可哀想な教信者ですが1945年8月15日の玉音放送を聞いた中に、少数ですが自決した連中がいるのですね。
そうです。本当に信じていたら自決しか残された道が無いのですよ。
ですから自決せず生残った連中は全員が本音と建前が別々で信じていなかった(疑っていた)のですね。
『この期に及んで「原発推進」などとヌカしている人間』ですが、これは別の解釈も出来ます。
少数を除いて日本の原発は停止しているのですよ。今まで原発ムラには莫大な助成金がばら撒かれていたのですね。それが稼動しないと入ってこない。これが苦しいのです。
麻薬の禁断症状と同じことが起きているのです。
他の原発立地と違う新潟県ですが、此処は福島県に一番近く、しかも福島県からの避難民も大勢いて生の情報がは入っているのですね。原発再稼動など狂気の沙汰である事実を経験として知っているのです。
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