逝きし世の面影

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俺たちをなめんじゃね~ぞ。フクシマの目くらましとして原発再稼動

2014年07月18日 | 放射能と情報操作
 『毎日新聞7月16日』

安倍晋三首相は16日午後、原子力規制委員会が九州電力川内原発1、2号機について新規制基準を満たすとの審査書案を公表したことを受け、「一歩前進したということだ。立地自治体の理解を得ながら再稼働を進めていきたい」と訪問先の宮城県内で記者団に語った。

『岩下俊三のブログ』電気は足りている。足りないのは晋三の脳みそだけだ!!

『言うまでもないことだが、ウクライナの今日現状の遠因、いや旧ソ連邦の命運も「もともとは」チェルノブイリ原発事故に始まったとされている。
それよりも、さらに過酷な事故と言われるフクイチの命運は、嘘で塗り固めたというより、架空の物語を日本の政府とマスコミが「挙国一致」で作り上げて今日に至っているのだ。
もちろん、
メルトダウンしてしまったのだから、炉心にあった「物質」は地中深く行方も知れず、もはや絶望意外に選択肢がないのだから、新しい美しい神話もしくはSFを創造するしかないというのは分からんでもない。
しかし
いくらマスコミと政府が一体化したとしても、新たな神話の嘘のリアリティを演出するため「だけに」、ほかの原発を再稼働するというのは国民を文盲の民としてバカにしているとしか思えない。』
(2014年07月16日記事から抜粋)
西日本を中心に日本列島が100年ぶりの猛暑に襲われた去年夏でも原発ゼロで電気は足りていたのである。
日本は『電気が足りない』から再稼動する訳では無い。
『フクシマは問題ないし、放射能は安全だ』との新しく作った狂気の神話を、正しいと証明するため(神話にリアリティを持たせる目的)だけに安倍政権は再稼動を目指しているのである。

『そもそも神話世界とリアル世界は別々』

我がニホン国では今まで極右国粋主義であろうと誰一人も神話世界の高天原とか天岩戸の正式な場所の特定を行うなど考えもしない。ところが、欧米一神教世界では神話とリアルな現実世界とが曖昧で混同しているのですから恐ろしい。(月を歩いたアポロの飛行士がトルコのアララト山でノアの箱舟を発見したと発表する)
今パレスチナではイスラエルが空爆を繰り返して沢山の死傷者が出ているが、すべては数千年前の旧約聖書の神話世界とリアル世界との混同から悲劇が生まれている。
そもそも神話と現実世界とは、最初から何の関係も無いのである。
イスラエル3少年殺害ですが、『犯人はハマスだ』とパレスチナ人を1000人以上を無差別に逮捕するが、これ以上に『犯人がハマス』である具体的な証拠が全く無い証拠もない。逮捕を運よく免れて逃亡した数人を『実行犯だ』と断定するが、犯人でなくても誰だって逃げますよ。基本的に無茶苦茶なのです。
ユダヤ人を名乗る欧米の白人のユダヤ教徒がパレスチナを占領して乱暴狼藉を働いているのですが、本物のユダヤ人はアラブ人のセム族の一派であり、今のイスラエルを造った欧州の白人のユダヤ人とは縁もゆかりもない。
どれ程よく出来ていて性能が良くてもグッチのバックが中国製なら自働的に真っ赤な偽物なのです。
白人のユダヤ人が造ったイスラエルですが、これは民族自決とか自衛権の範疇では無くて、最後に残った欧米列強の植民地主義の蛮行である。到底許されるものではない。
数千年前にパレスチナに住んでいたユダヤ人ですが少数民族ですよ。
ところが今の世界では数千万人もアラブ人ではない『白人のユダヤ人』がいるのです。
そんなに沢山のユダヤ人口があれば、長い歴史の中では一度くらい大帝国を建設していますよ。実は白人のユダヤ人のルーツとは今のウクライナ(黒海北岸)にあった、ユダヤ教を国教としたカザール帝国の末裔であるとの説が有力である。
キリスト教では聖書の記述が真実である証拠に聖職者の説教だけでは物足りず、何とかして本物の生きた証拠が欲しかった。
キリスト教会としては、文盲の一般の無知な民衆を信じ込ませる目的で聖書にある『ユダヤ人の存在』の生き証人として本物のユダヤ人が必要であった。
ところが、そもそもアラブ系のユダヤ人(スファラディ)は少数民族であり絶対数が足りない。仕方なくドイツなど北欧ではスラブ系白人のユダヤ教徒(アシュケナージ)を『ユダヤ人だ』と誤魔化したらしい。
中世の欧州の都市では『聖書の記述が正しい』(世界は聖書の通りに出来ている)ことを証明する目的でユダヤ人ゲットーが必ず造られている。
21世紀の日本では『フクシマは安全だ』『何の心配もない』との新しく出来た禍々しい神話を『正しい』と証明する目的で、鹿児島県の原発を動かそうとしているのですが、イスラエルの蛮行以上に何とも時代錯誤の妄想もはなはだしい愚行中の愚行である。

『白井聡の永続敗戦論ならぬ、フクシマの永続原発事故論』

原子炉4基が暴走した史上初めてのレベル7の『福島第一原発事故が止められない』。
止められないばかりか、『事故の原因も分からない』。
原因が分からないから、『今後の見通しも分からない』。
もちろん『放射能の汚染や被害が止められない』。
この事実はマスコミだけでなく、日本人全員が薄々気が付いているのです。
ただ、全員がその事実を認めたくない。
ところが政府や原子力規制委員会は逆に、『鹿児島で原発を動かすぞ』と言い出したのですから、今回の『岩下俊三のブログ』記事の指摘、『フクシマの隠蔽工作だ』との可能性は限りなく高い。『目くらまし』以外の可能性はほぼゼロですよ。
ところが・・・岩下さんが折角重大な事実を指摘しているのに、残念ながらコメント諸氏もマスコミ報道に影響されたのか、この一番大事な部分をスルーした。(今の日本のマスコミですが最初から最後まで完璧にスルーして、読者を間違いに誘導している)
多くの一般市民ですが、フクシマのことを何とか考えないように苦労しているのですね。(フクシマの真実を認めると、自働的に今の日本が既に破滅していることを認めることになる)
フクシマの原因も分からず、現状も分からず、将来の見通しも分からないのですから、これは駄目ですね。危機管理として基本的に無茶苦茶なのです。
失敗(敗戦)の事実を認めないから日本は何時までも敗戦体制のままだとの、丸っきり白井聡の『永続敗戦論』と同じなのです。
ところが、『永続敗戦論』の結論部分では白井聡は、『日本は敗戦で終わったあの戦争を、もう一度戦いなおすだろう』との目も眩むような恐ろし過ぎる予言を行ったいるのです。
白井聡ですが、『偉大な出来事は二度繰り返されることによってはじめて、その意味が理解される』とのヘーゲルの言葉を引用して説明しているのですが何とも恐ろしい。
悲惨な出来事は『二度経験して、やっと完結する』のである。フクシマの悲劇をもう一度日本人が経験しないと、この究極の悲劇話は終わらないのでしょう。
ただ今回の原発再稼動の話ですが、8月15日の『太平洋戦争の敗戦』では無くて、中国との15年戦争の泥沼から、破れかぶれで真珠湾奇襲攻撃に走った12月8日ですよ。政府の言う『世界一の安全基準』など、これは神州不滅、日本軍不負神話そのもの。
69年前の8月15日に、すべての日本人はとんでもなく高い代償を払って神話とは所詮神話(口から出まかせの嘘八百)であり『現実とはなり得ない』との厳しい事実を知らされることになる。
69年前に『敗戦』の事実を『終戦』と言い換えて曖昧にして、責任者は誰も責任を取らなかった。
我が日本国では責任者が責任を取らないのですから、当たり前ですが(責任が無い)戦争を煽ったマスコミも有識者も誰一人も責任を取らなかった。
フクシマでも全く同じで3年が経過したが未だに誰一人逮捕されていない。責任を取って辞めたものもない。未曾有の事故を引き起こした張本人である東電は倒産することも解体されることも無く、以前とまったく同じ体制で存在し続けている。
(69年前の敗戦でも唯一軍隊だけは解体されたが、日本ではそれ以外の官僚組織は以前とまったく同じ体制が丸ごと残された)
『失敗した現実を認めない無責任』(永続敗戦論)は明治維新以来一貫して日本の精神構造なのである。
卵が先か鶏が先かの話のように、失敗の責任を誰もとらず少しも恥じない原因とは、(最初から責任感も羞恥心も持っていないので)そもそも『失敗』の事実を口先だけで隠蔽して仕舞ったので、誰も責任を取らず恥ずかしいとも思わないのである。

『なにが何でも再稼動だ』

再稼働第1号候補として、7月16日に原子力規制委員会が『新基準合格証』(審査書案)を出した川内原発(九州電力)の地震関連データに重大な疑義が生じている。
九州電力は基準地震動を540 ガル から620 ガル に引き上げた。
しかし地震発生時の最大級の揺れを想定する『基準地震動』を算出する基礎データとなった『1997年5月13日の鹿児島県北西部地震』について、九電が最も過小な『菊地・山中(1997)』の地震モーメント(エネルギー)のデータを用いている。
元衆院科学技術委員長の川内博史・民主党前衆院議員(鹿児島1区)は、
『日本で地震について発表するのは気象庁ですから、そのデータが最も信頼できる公式な数値と考えられます。
菊地・山中の地震モーメントは気象庁のデータの半分以下なのです。
安全性を最優先すべき再稼働の審査には、気象庁のデータから算出した基準地震動を用いるべきです』。
九州電力は基準地震動を二割ほど上積みしたが、元値を半分以下に値切っていたのである。楽天がやったインチキ割引セールの電力会社版である。
原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は、『菊地・山中の地震モーメントは断層の長さから想定すべき値としては小さいのではないか』と疑問を呈しているのだが、再稼動に邪魔な島崎氏は政府自民党からクレームで9月には原子力ムラの御用学者と交代することがすでに決まっている。
19年前の阪神大震災以後に日本列島全体が危険な活動期に突入した可能性が濃厚なのである。
今までは起きないとされていた地球の重力加速度の980ガル(1G)以上の地震動は珍しくなくなっている。何と2000ガルを越える地震動さえ何回も観測されているのです。
地震モーメントは条件設定によって数値に開きが出てくるが、気象庁の半分以下の小さい基準地震動を採用するような電力会社が『安全性を最優先』している風には到底思えない。基本的に不真面目なのである。

『今までの「事故が無いから対策も無い」から「事故は起きるが対策が無い」に劇的に悪く変わった日本』

日本の原発は、最新の中国や欧州などのフクシマの教訓を踏まえて造られたメルトダウン時の溶解した核燃料を受け止めるコアキャッチャーが無い旧式である。
もちろんメルトダウン事故発生時では一番大事な住民の避難計画も作成されていない。
しかしフクシマ以前は無理やり『日本では過酷事故が起きないのだ』(だから事故対策は必要ない)との苦しい言い訳を政府や安全・保安委、御用学者が主張していた。
ところが、本当に事故が起きたら、『リスクはゼロには出来ないのだ』と言い直して、事故対策が無い現状でも『なにが何でも再稼動だ』と言い張っている。
フクシマ以前の旧安全神話『事故が起きないから、日本では事故対策が要らない』なら、無茶苦茶な机上の空論でも一応は話の筋道が通っているのである。
しかしフクシマ以後の新安全神話の『リスクはゼロではない』なら自働的に『事故対策が必要である』との結論になる。中学生以上の判断力なら他の結論にはならないはずなのです。
ところが当然の『結論』部分が、フクシマ以前と同じ『事故対策は必要でない』のまま日本では少しも変化していない。
日本政府(安倍晋三)ですが、『事故が無いから対策も無い』から未曾有のフクシマを経験して『事故は起きるかも知れないが対策が無い』と言い直した。
フクシマ以後に作られた禍々しい新安全神話ですが、理論としての整合性が少しも無いのである。これでは日本の原発の永続過酷事故もまた、ほぼ確実である。




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2 コメント

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完全にナメられてます。 (みのきち)
2014-07-18 00:10:22
再稼動賛成の意見をあちこちで見ていますが、読めば読むほど正論と錯覚させられますね。経済用語や数字を出されれば出されるほど。
しかしどれも事故が起きないことが前提となって語られていますので理解しがたい。まさに空想と現実がごっちゃになってるという印象です。
規制委員長は基準の審査をしただけで「安全だとは言わない」と言ったとか。
またズルズルと審査を繰り返していくのか、本気で稼動させるのかは分からないが、現実を認めるのは一体いつのことになるのだろうか。
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猫だまし (宗純)
2014-07-18 09:02:40
みのきちさん、コメント有難う御座います。

半年前の何が秘密かが秘密の特定機密保護法とか、集団自衛権の閣議決定とか今回の原発再稼動とか、すべてが猫だましの可能性が高い。
相手を脅かす(注意を他に逸らす)ことが目的で、『猫だまし』自体にはそれ程大きな意味は無い。
今のやり方ですが、そもそも余りにも拙速で、これでは政府の権威が決定的に傷が付くのですよ。
国家にとっての最大の問題点とは、ドイツの社会学者マックス・ヴェーバーが指摘したように、まさに『権威』とか『正義』なのです。
これは、国家が正義や権威を持っているという意味で無くて、権威や正義をもっていると人々に信じ込ませることが出来るのが、マックス・ヴェーバーの国家の定義なのです。
ところが、安倍晋三は率先して憲法を無視して暴走しているのですから、実は国家による自殺行為なのですね。
正当性を失ったら、最早国家とは呼べ無いのですね。
ところが、何故かとんでもなく無茶苦茶に急いでいるのですよ。たぶんフクシマがとんでもないことになっていて、日本国ですが、もう残された時間が無いのです。
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ケインズ政策で資本主義は延命し、最後には新自由主義と金融工学で最後の延命を図ったが、リーマンショックで致命的な欠陥が明らかになる。今は輪転機をグルグル回すことで辛うじてもっているのですが、・・・先送りしているだけで、これでは最後の破綻(カタストロフィ)は避けれないでしょう。
日本政府もアメリカも同じで、これから何かを始める話では無くて、目の前に迫った避けれない究極的な破局を猫だましの大騒動で、何とかして誤魔化したいのでしょう。
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