逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

無意味だった屋内退避「放射線測定値変らず」

2011年05月27日 | 放射能と情報操作

<放射性物質>窓の開閉では大きな変動なし 校舎内線量調査
毎日新聞 5月26日(木)
文部科学省は26日、福島県内の学校や幼稚園10カ所で、窓の開閉によって校舎内の放射線量がどう変化するかを調べた結果、『大きな変動は確認されず、ほとんど影響しない』と発表した。
調査は19日で、天候は晴れ。
窓を閉めたまま教室の窓際と中央部で放射線量を計測し、続いて窓を開けて、時間を空けずに再度計測して比較した結果、大きな差はなかった。
文科省原子力災害対策支援本部は『窓の開閉については何の通達も出していない。暑い日に窓を開けて授業をするかどうかは、各自治体の判断だ』としている。

『この阿呆たれドモめが』
何を今更。そんなことは当たり前

『屋内退避』に効果が期待出来るのは、せいぜい数時間程度であろう。
大きな鉄筋コンクリートのビルでも数日後には屋内退避の効果は失せると思われるので、数ヶ月も続く日本国の管直人政権の屋内退避による放射能からの防御とは、米軍のB29の絨毯爆撃に対する大本営の竹やりと濡れ雑巾による対策以上に無意味だった。
まだしも『大本営』の方針だった、濡れ雑巾と防災頭巾の方が幾らかは効果が期待できるだろう。
『屋内退避で放射線を防ぐ』などは狂気の沙汰であり、思考停止で痴呆状態の詐欺師、愚劣極まる妄想であり、真実とは違いすぎて笑い話にもならない。
その程度のことは文科省がわざわざ測定しなくても普通の大人の常識の範囲で推測出来る。
『屋内退避では放射線量を大きく軽減出来るはずだろう』なる珍論を展開していた原子力学者とか文部科学省の無責任な嘘八百には呆れかえるばかりである。

『小学生低学年以下の算数力の文科省』
文科省では屋外活動制限の目安として年間放射線量の上限を20ミリシーベルトとし、子供の生活実態から毎時3・8マイクロシーベルト以上を活動制限の基準値に設定。
文部科学省は3・8マイクロシーベルト未満の学校では、通常通り校舎や校庭を利用するとしていたが、年間20ミリシーベルトなら1年は8760時間なので1時間当たりなら2・28マイクロシーベルトが上限である。
文科省は、年間の3分の2は室内で過ごし浴びる放射線量は屋外で毎時3・8マイクロシーベルトなら屋内では1・52マイクロシーベルトと仮定して合計が年間20ミリシーベルトとなるとの計算式を作っていた。
文科省ご都合計算式によると『屋外よりも屋内は少なくなる』と有るが真っ赤な嘘で、事実は両方とも放射線量は同じ程度である。
毎時3・8マイクロシーベルトなら文科省の年間の積算放射線量の上限基準の20ミリシーベルトを大きく超える33・3ミリシーベルトとなる。

『首相官邸のホームページ』嗚呼、嘘を垂れ流す日本政府の無残

『屋内は放射線が大幅に低減します』 
『屋内退避措置』とは、周辺住民が屋内に入り、建物の気密性を高めるなどにより、放射線の影響を防ぐことをいいます。
気密性の高い建物に退避すると20分の1から70分の1に、
通常の換気率の建物に退避しても4分の1から10分の1に低減させることができます。

『外出する場合の留意点』
外に出るのは極力避けることが望ましいものの、外出「禁止」ではありません。エリア外からの物資の搬送など、必要な外出まで止めることはありません。外出する場合はなるべく短時間にし、以下の点に注意してください。
 ・徒歩よりは車で移動
 ・マスク(ないときはハンカチでも可)をする
 ・肌を出さないように長袖・帽子を着用する
 ・雨に濡れないようにする

『長時間、外にいるとどうなるか』
私たちは、自然界に存在する放射性物質、宇宙からの放射線等により、もともと年間平均約2,400μSvの放射線を受けています。
今回の事故により、仮に100μSv/時の地点に6時間留まっていたとしても、受ける放射線の量は600μSv程度で、これは、胃のレントゲン1回に受ける量と同程度です。

『暮らしの中の放射線』
私たちは日頃の生活の中で放射線を受けることもありますが、健康上の問題とはなりません。
胃のX線集団検診          600μSv/回
CTスキャン            6,900μSv/回
職業として放射線従事者の年間許容限度
                  50,000μSv/年かつ100,000μSv/5年

詳しくはこちらをご覧ください
(内閣府原子力安全委員会、文部科学省、厚生労働省、経済産業省原子力安全・保安院にて作成)
『首相官邸』
東日本大震災への対応   首相官邸災害対策ページ


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9 コメント

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政治は魑魅魍魎が蠢く世界 (宗純)
2011-05-31 11:37:47
sakitaさん、大変失礼いたしました。

当方は原子力問題の正しい科学的な解明を目的とした『科学ブログ』ではありません。
下世話な欲得ずくで動く大悪党小悪党が跋扈する政治ブログであり、また、この記事のカテゴリーも『放射能と情報操作』なのです。
この連載記事で行っているのは、基本的にはプロパガンダ論ですね。

屋内退避の無意味さ (sakita)
2011-05-29 21:09:10
ご存知でしたら、もっと早い段階で、記事にしてくれたらいいのに…

『知っていたならもっと早く記事にしてくれ』との意味の、このsakitaさんの投稿コメントは、
プロパガンダ論の視点から見れば、
(1)
sakita氏の言葉は今までは『屋内退避の無意味差を一回も指摘していなかった。』と解釈出来るが、
事実は大違いである。
当ブログでは初期の段階から何度も屋内退避の無意味さを批判している。
(この段階で当ブログ連載記事を読まずに投稿しているか、あるいは記事の意味を理解していないことがわかる)
(2)
投稿コメントは、『ご存知でしたら、もっと早い段階で、記事にしてくれたらいいのに…』
とありsakita氏は、自分の一番大事な結論部分は・・・と省略して一言も書いていない。
日本では初対面では必ず挨拶をする決まりごとなのですが、氏は普通の礼儀さえ省略、
しかも御丁寧にも結論さえも省略している。
ほとんど何の意味か不明の印象のみを記載している。
この様な場合に一番考えられる原因は『論』に賛成していないどころか『不平不満』で色々と文句を言いたいが(日本的な慣例や礼儀に反するので)あえて・・・・と伏字にして言わない場合ですね。
この・・・を『素晴らしい意見です、大賛成です』と訳す者は、この場合には誰もいないでしょう。
普通は・・・部分には『後出しジャンケンです。』とか『主張がぶれている。何を言いたいのか不明である。』などの否定的な批判の言葉が入ると推測できるのですよ。
(それなら、この記事しか読んでいない読者に対する『事実が明らかになったあとの「後付けの知恵」であり、この記事は信用度が低い』との悪質な印象操作と判断出来る)
印象操作とは、何ら具体的な事実を示さずに対象相手の『印象』を損ねる政治的な行為ですが、
これ程明確な印象操作と見られる行為が、『昨日のコメントで印象操作と言われるとは、正直ビックリ』とは、・・・本当にビックリしました。
今回のコメントを含めて、『見本として大切に保管』して置きたい様な、典型的な印象操作と看做されるでしょう。
『本当にビックリした』のが事実なら、何か当方では理解出来ない高度な『何ものか』なのでしょうが、
残念ながら魑魅魍魎の跋扈する政治ブログでは下世話な『印象操作』程度としか判断できません。

大事にされている赤ん坊が本当に不細工で醜く褒めるところがない場合には、仕方なく『お元気ですね』と言うが、これは印象操作ではないし、聞いた方も怒らないでしょう。
ところが、念入りに化粧をばっちり決めている女性に向かって『少しは化粧をしたら良いのに・・・』と言えば間違いなく聞いた当人は怒り出す。
何故なら、この言葉の後の・・・の意味は『見るに耐えないほど醜く不細工である』と解釈出来るからですね。これなら誰でも怒りますよ。
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妄想のもと (s.takada)
2011-05-31 00:41:03
「1900年頃ドイツのペッテンコーファーとフランスのメチニコフは、数人の仲間と一緒に、コレラの死亡者から分離した培養菌を大コップ一杯飲んだ。大便中に無数のコレラ菌が証明され、自己感染を行った実験者の数人は、軽い下痢をおこしたが、本当のコレラを起こした感染はなかった。」という、細菌学者ルネ・デュボスの著作「健康という幻想」の一節を思い出しました。副島さんがこれを御存じだったかどうか、細菌感染による特異的病因論を実験的に証明することの難しさの意味を承知の上で、勇気ある行動を見せてくださったのでしょうか。

それはともかく、私の妄想のもとになったのは同じ著書の「人類にいちばん大切なのは、長期間の遺伝作用を通じて将来の世代に及ぼす放射能の影響である。人間はその生活及び進化を通じて天然資源からの低い放射能にさらされてきた。この正常な基準値は、少なくとも地質学的に言う近代にはかなり一定に保たれてきたように思われるから、人間の環境としては堪えうる因子に違いない。しかし、放射能の量がふえれば突然変異の割合も増えがちでその結果も予想できない。そしてもし人工的な放射能が現在の割合で増し続ければ、広範な潜在的な危険に見合うだけのスピードで、適応のプロセスが追い付いていけそうにない。」という警告を読んだことがあったからです。

1958年の著作ですから随分先見的な問題提起だったと思います。その後「人間と適応」「人間であるために」などの作品が環境と人類、技術社会と人間の進化についての歴史的展望を示すものとして、多くのひとに読まれたものでした。
人口放射線の環境汚染がどこまで進むのか、もはや人類のコントロールを失いつつあるという時代に差し掛かりつつあるようにみえ、そしてその影響が全ての生命体に及ぶこと間違いなしと思うと、つい40年前、50年前に細菌学者が予告した言葉の中から、妄想が浮かんでしまったりするのです。
ご提示くださったこれまでの文章を読ませていただき、もう少し広い視野から考えてみたいと思います。
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携帯ではなくPCから (sakita)
2011-05-30 18:31:58
投稿してますが?理解出来る頭は持っていないかも知れませんが、そこまで人を馬鹿にしなくても良いのではないかと… 昨日のコメントで印象操作と言われるとは、正直ビックリしました。
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何事も、可能性としては有るが・ (宗純)
2011-05-30 14:14:46
s.takadaさん、コメント有難う御座います。

世界は広くて、極稀にはエイズに感染しても発症し難い人とかエボラ出血熱で全村が死に絶えても生残る人が出てくる。
福島第一原発正面「放射能は危険ではない」
2011年04月07日 | 放射能と情報操作
に書いた、昔近代細菌学の開祖コッホが純粋培養したコレラ菌の培養液を『コレラはコレラ菌によるものではな劣悪な環境が原因』『そんなもので発病する訳が無い』と主張したペッテンコーファーが一気に飲み干したのですがコレラに感染するどころか下痢一つ起こさない。
それどころか当時としては長命な82歳まで長生きしているのです。
昔に核戦争後には人類は死に絶えてゴキブリ程度が生残るとの説があったが、何かの高等生命が生残るとしたらゴキブリよりも間違いなく人類が生残る。
ゴキブリが今のようにどの家にも一年中いるようになったのは暖房施設が完備した極最近の話であり、昔の日本では滅多に見られない種類の昆虫だったのです。
ゴキブリの語源はごき被りで、かまどなど暖かい場所に生息していて、『コガネムシは金持ちだ』のコガネムシはゴキブリの意味であったらしい。
かまどの火が絶えない大家の家程度にしかゴキブリはいなかったのですね。
地球上の環境で最も寒いところにも暑いところにも乾燥地帯から多雨地帯、酸素が薄い高所まで全ての環境でも住んでいる環境に最も適応している哺乳類は人類だけですよ。
間違いなく我々人類はゴキブリより丈夫に出来ているし、近隣の霊長類とは大違いで超多産にも出来ているので極少数でも生き残れば何の心配もありません。また元のように繁栄するでしょう。

ダーウィンの『人類の進化』と日本国憲法9条
2010年12月06日 | 憲法

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sakitaさん、はじめまして (宗純)
2011-05-30 13:37:17
当記事は原発事故直後からの連載になっています。
初期の記事やコメントを御覧下さい。
そもそも屋内退避とは、不発弾の処理のような時間限定で行われるものです。
その程度は常識の範囲内のことであることは誰にでも判ると思います。
また原子炉本体からの直接放出される放射線の場合には、屋内退避は時間とは無関係に何時でも有効であるが、これは距離の二倍に反比例するので数百メートルが限度です。
原発から数キロ以上離れた距離ではベントなどは排出された希ガス類や放射線汚染物質の浮遊粉塵から出される放射線被害となる。
これ等は換気が行われた段階で内外差は無くなるのは放射能で無くとも悪臭被害とも共通する事柄で、そんなことは、誰かが一々説明するまでも無いと思いますよ。
当ブログではコメントは歓迎していますが、今回のような書いてある記事を読まずに(理解出来ずに)意味不明の携帯電話などからのコメント投稿はお断りします。
理解出来ないなら繰り返し読んで理解してから投稿を御願い致します。
これでは何の意味も無い印象操作程度であり、読まされる方は不愉快です。
他の読者の迷惑になりますので、次回からのコメント投稿は自粛して下さい。御願いいたします。
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妄想かもしれません (s.takada)
2011-05-29 23:02:42
地球上には、自然放射線の環境強度はマグマ流動、噴火活動などにより、低いところもあれば高いところもあります。それぞれの自然環境条件に適応して、多様な生物進化と生態系の形成が進んできたと思います。人類もその一部として生存条件の人種的な適応の違いが表れてきたのかもしれません。
有史以来記録されている大規模な疫病流行の反復、ヨーロッパ人がアメリカ大陸に侵入した時代には白いペストと言われる結核の流行によるアメリカインディアンの人口激減、マラリア流行地域に適応した鎌状赤血球症という遺伝性疾患を残しながらも、人類は病原性微生物、ウイルスとの競合、適応が続いています。

地球上生物界の最大の謎のひとつとしての恐竜の絶滅があります。6500万年前の小惑星の衝突による地球環境の激変、3億年前から地球上最大の動物として進化を遂げてきた恐竜の絶滅が起きたのは1000年前後の期間だったとか、白亜紀と第三紀の境界層に形成された地層に含まれる高濃度のイリジュウムの堆積からの推定とか言います。大津波、大火災、大気組成の変動、寒冷化といった環境変化に生き残ったのは全生物種の4割ほどだったとされています。

ここからが私の妄想です。地球表層の30倍以上という高濃度のイリジュウムの含有層の堆積による1000年ほどの間に起きた恐竜絶滅の原因の一つに放射能物質環境があるのではないかということです。イリジュウムといえば非破壊検査にもよくつかわれている放射化の反応性の高い物質です。地球の放射線環境の一時的な大きな変化が起きても不思議はないと思ったわけです。そしてなぜ恐竜の絶滅が起きたかというのを、病原性ウイルスの仕業として、ウイルスという病因物質の宿主特異性ということから説明できるのではないかということなのです。放射線環境の変化が、病原性微生物、細菌、ウイルスへの突然変異をもたらすとすれば、恐竜絶滅と同様、人類滅亡の可能性もあるかということになるわけです。
あまり真面目でなくてすみません。
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屋内退避の無意味さ (sakita)
2011-05-29 21:09:10
ご存知でしたら、もっと早い段階で、記事にしてくれたらいいのに…
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s.takadaさん、はじめまして コメント有難う御座います (宗純)
2011-05-28 10:18:30
仰られている事は全くそのとおりなのですが、
人類は長い間生存を脅かす放射能だけではなく様々なウイルスや細菌やカビ毒などその他の有毒物と共存してきました。
ダーウィンの自然淘汰の話みたいですが、親が煙草を吸うと子供の死産とか早産、低体重児の比率は高くなるが、生まれた子供は環境汚染とくに汚れた空気などの公害に強いらしいですよ。
放射能ですが、地域によっては土壌自体が強い放射線を出している場所が地球上には存在するが、別に住民が特別他の地域と比べて放射能の影響で短命であるとかの統計は無いらしい。
それを理由にして原発村の御用学者やマスコミが、『放射能は安全』であるとの宣伝をしているのですが、これも喫煙者の乳児の話と同じで弱い個体は淘汰された結果でしょう。
チベットなど高所の住人でも同じで、元々其処に住んでいる人は何とも無いが、逆に低地から行ったら酸欠で体が到底持たない。
1960年代に中印国境紛争では低地から派遣されたインド兵は行軍するだけでばたばたと高山病の肺水腫で死亡するので、そのためにチベット駐留の中国軍の完勝に終わる。
この国境紛争の原因とは元々はヒマラヤ山麓の南側が中国とインドの国境線だったからで、当時辛亥革命で国内が混乱した隙に1914年イギリスがヒマラヤの稜線に新しい国境線『マクマホンライン』をイギリス領インドと当時独立宣言していたチベットで決めたことに由来する。
何故稜線ではなく昔はヒマラヤの南側山麓だったかの理由は簡単で、高地でも動けるチベット兵には山岳戦では誰も勝てなかったのですね。
この高地適応したチベット人ですが、最近のDNAの研究から判ったことですが2500年以前に低地の漢族から分離したらしい。
ですから副島でも同じことが考えられて何の心配も要りません。
2500年ぐらい辛抱すれば放射能汚染にも十分に適応することが可能だろうと思いますよ。
我々の生きている代では到底間に合いませんが。
返信する
内部被ばくの恐怖 (s.takada)
2011-05-27 23:14:48
地球の誕生は、四六億年前、そして生命体が現れたのは三八億年前のことといいます。これは原始地球以来の放射性物質の半減期の測定から計算されたものでした。現在の地上の自然放射線の環境は、核エネルギーの塊だった太陽からわかれて四六億年たったものだということです。そして三八億年前から以降の生命体の進化は、全ての放射線物質の半減期の最終末のバランスした環境に適応してきたのでした。

人類はその自然環境に適応して二百万年、現生人類は一〇万年前から進化の道をたどり始め、地球のあらゆる部分に生存可能の能力を広げてきた挙句、ついに核エネルギーに手をつけたのが二〇世紀だったということです。人工の核エネルギーは、四六億年かけて出来あがった自然放射線の環境を確実に破壊していくことになるのは明らかです。すると、その結果はどうなるだろうか、五〇年前にレーチェル・カーソンが「沈黙の春」で予測した農薬汚染、一五年ほど前「奪われし未来」という著書が警告した環境ホルモンによる生態系の混乱と崩壊、それに加えて地球規模の放射能汚染によって急速に人類破滅へ向かう危機が迫っていると見るのはおおげさな妄想とは思えません。

毎年のように現れる新型ウイルスによる鳥インフルエンザが何時か人間のインフルエンザに変異する恐怖、世界に突発する口蹄疫ウイルス禍、野生の特定動物種に急激に起きた絶滅死、これらはあのチェルノブイリの広域放射能汚染以来の出来事です。放射能汚染は、地球上の全生物に遺伝子損傷を引き起こしているのですから恐れるべきは、人間の白血病、ガンだけではないはずです。分子生物学者の福岡伸一さんが「生物と無生物のあいだ」という本で提起している「働的平衡」という考え方からすれば、放射能汚染は三八億年をかけて適応してきた生命体の生存のバランスを崩す、最も恐るべきものということになります。

シーベルト単位で測られる放射線量よりも生命体内部に紛れ込んで低濃度長期にわたって遺伝子損傷、生体機構の破壊をつづける放射性物質の汚染拡散こそが本質的な危険と考えるべきではないかと思います。ウイルスから細菌類、微生物から多細胞生物に至るあらゆる生体構造の一部に取りついた放射能原子は至近距離から及ぼす破壊作用と生体分子への変成作用によって三八億年の生命進化のシステムを根底から揺るがすことになるのではないだろうかということです。
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