逝きし世の面影

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菅官房長官が逆ギレ 仏記者が指摘した09年の「自民提言」

2014年07月16日 | 政治
     (司会者がたしなめるほど気色ばんで真っ向から否定する菅官房長官/(C)日刊ゲンダイ)

『『猫だましの赤いニシンとしての「集団自衛権」(改憲解釈)』

普通の大人の判断力であるなら、誰でも例外無く『日本は再び戦争をしたがっている』(Japan wants a war again)ように見えて仕舞うのが、極右国粋主義の安倍晋三の集団自衛権の7月1日の閣議決定である。
ところが、これはたぶん間違いに誘導するニセの手がかり『赤いニシン』(Red herring)ですね。辻褄が合っているようで、少しも合っていない。
何かを口先で誤魔化しているが、インチキの匂いがぷんぷんするのである。
集団自衛権ですが、閣議決定されても防衛省は『集団自衛権は違憲である』と明確に断定しているホームページを1週間後に削除するまで公開していた。これまで防衛省(防衛庁)は30年間もホームページなどの広報で、『集団自衛権は違憲』と一貫して言い続けていたのである。
当たり前ですが自民党自身も同じである。
矢張り同じように『集団自衛権は違憲である』と言い続けていた。
ところが、今年の7月1日に突如として態度を180度変更して、集団自衛権の行使を閣議決定している。
菅官房長官が7月11日、外国特派員協会でアベノミクスの経済効果について自画自賛したが、、講演後の質問は、集団的自衛権の閣議決定に集中した。日本人的に『空気が読めない』外国人から見れば余りにも当然であろう。
今回の『集団自衛権』についての日本政府による十分な説明が、今まで一切なされていないのである。

『日本国首相だけではなく誰一人も語れ無い「集団自衛権」の謎』

長年の『これまでの見解』が十分な説明も無くコペルニクス的に180度逆さまに引っくり返ったのです。それなら、日本国が『今後なにをするか。判らない』と外国人が判断したとしてもむべなるかな。不安になって当然である。
海外メディアから見て安倍政権の安保政策はよく分からない。
世界に無い日本の奇習である記者クラブ(仲良しグループの大政翼賛会)の国内メディアとは違い海外メディアは厳しい。フランス人記者からは、
『自民党は2009年12月16日に民主党政権の政治主導に対して緊急提言をまとめ、国民のものである憲法を一内閣が恣意的に解釈変更することは許されないとしたが、安倍政権は憲法を解釈変更した。提言当時の考え方は今も変わらないか?』と質問されても、『それは、まったくあたらない』と気色ばんで口先だけで否定するだけ。
態度や口調は断定的ではっきりしていのだが、発言した内容は曖昧模糊としていて意味不明。
世界に日本国の恥を晒した大声で号泣した県議と同じで、アンバランスすぎる。一言も自分の言動を説明していない。
菅官房長官ですが、フランスのメディアが『具体的な事実』を突きつけて質問しているのに号泣県議と同じではぐらかしで逃げ回るだけで不真面目すぎるのである。
記者の質問に対して、『一言も答え無い』とは無責任にも程がある。
自民党の過去のホームページには、『憲法は、主権者である国民が政府・国会の権限を制限するための法であるという性格を持ち、その解釈が政治的恣意によって安易に変更されることは、国民主権の基本原則の観点から許されない』と明記されていたのである。(現在は削除されていて見れない)
自民党本部は『2年前にHPをリニューアルした際、古い資料は削除してしまった』(広報)とか、『そんな昔の提言は当時の担当者も分からないし、調べるのに時間がかかる』(政調)と矢張り真面目な回答を拒否している。

『視点をコペルニクス的に180度変えれば、まったく別の真実が見えてくる』

集団自衛権で『日本が今後殺し、殺される国になるのか』と心配する海外メディアの質問に菅官房長官は安倍晋三と同じで、『国民の生命と安全を守るのが政府の仕事』と、はぐらかす。
集団自衛権の変更について、まともに答えることが出来ないのである。
しかし、この集団自衛権では『軍事問題である』との今までの既成概念(先入観)を捨てることが出来さえすれば、『福島第一原発事故の放射能対策である』(赤いニシンの猫だまし)とのまったく別の世界が見えてくる。
50度以上傾いて最早沈没が免れない韓国旅客船セウォル号の結末と同じで、原発事故から3年目の日本国の結末が、余りにも恐ろしいので真実が正直に語れない。
仕方なく問題点を先送りして『安全である』かのように装って誤魔化しているのです。
一字違いで大違い。『首相は語らない』では無くて、日本国では首相だけではなく『誰一人も語れ無い』のである。

『巨大な時差がある、東京都内とマスコミの報道』

日本共産党機関紙赤旗は7月14日『官房長官「閣議決定」、苦しい弁明』と題して有力全国紙としては初めて日本外国特派員協会での菅官房長官の講演を報道する。(現在のところ朝日や毎日など他紙は報道していない)
赤旗記事では、自民党の『憲法は、主権者である国民が政府・国会の権限を制限するための法であるという性格を持ち、その解釈が政治的恣意によって安易に変更されることは、国民主権の基本原則の観点から許されない』の文言が自民党機関誌『月刊自民党』の2010年2月号に掲載されていた事実を暴露している。
ただし、菅官房長官の講演は4日も前の7月11日ですよ。
新鮮さが命の新聞にとっては到底言い逃れできない大失態なのである。(実は規制が緩い何でもありのエロ系の日刊ゲンダイは講演翌日の12日には今回の事実を正しく報道していた)
『三日遅れの便りをのせて♪~』とは演歌歌手都はるみの1964年の『アンコ椿は恋の花』のさわりであるが、昔は離島でも『三日遅れ』だった。
ところが21世紀の現代では東京都内の話が日本国内に4日遅れ伝わっていた。これ以上の日本の喜劇的な悲惨があるだろうか。
今回のように地方紙などが報じて数日遅れで赤旗が報じるが、朝日や毎日など他紙は無視する悪い前例は枚挙にいとまがないのである。
参議院選挙の投票日直前(5日前)の2013年7月16日付け東京新聞が石破茂自民党幹事長が『命令拒否は死刑か懲役300年』発言を報道し、2日遅れの19日には共産党機関紙赤旗も同じことを報道する。(他紙は全部が完全無視して報道しなかった)
ただし、この『石破茂の「命令拒否は死刑か懲役300年」発言』があったのは数ヶ月も前の話だったのである。
たぶん目前に迫った参議院選挙での自民党圧勝の投票予想から、見るに見かねて東京新聞だけが報道したのだろう。(報道した赤旗や東京新聞以外の、完璧に無視した朝日毎日など他紙の罪は万死に値する悪行である)
今回の集団自衛権閣議決定に一番関連があると思われる、『ナチスの手口を真似る憲法改正』との麻生太郎副首相のお馬鹿講演の日時は参議院選挙が終わった7月29日、場所は東京都内である。
翌30日、31日、アメリカ、ドイツ、中国、韓国など各国のメディアが麻生副総理の『ナチスの憲法改正手口学んだら』発言での対日批判の記事が掲載され、韓国や中国では『対日批判』の政府声明が出る大騒ぎに成った。
時系列的に見れば明らかなように、麻生太郎の東京都内での講演を遠いアメリカや中国韓国ドイツなど外国が大騒ぎをしている有様を見て、マスコミとしてこれ以上隠し通せないと判断して、仕方なく講演から三日目の8月1日に日本国内で報道している。
日本国のマスコミですが報道機関としては最低最悪でもはや末期症状である。たしかに愛国的ではあるかもしれないが腐敗堕落は極限まで達していて『既に死んでいる』情けない有様。

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5 コメント

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銃口はどこを向いているのでしょうか。 (土瓶蒸し)
2014-07-15 19:28:15
コペルニクス的転換から国が内閣が解釈次第で憲法をどうにでも解釈できるようにして、今回集団的自衛権を行使できる、としました。
私もこれは戦争などではなく、目前に迫るもの(原発事故の放射能に起因するもの?)に対応しようと急いでいるように思えます。
たしかに‘急いでいる’のが妙に見えるのです。
自衛隊が国防軍になり、進軍ラッパが鳴り響くのでしょうか。
私にはそうは思えません。
国防軍になった自衛隊が向ける銃口の先は日本国民ではないでしょうか。
暴力装置と謂われる軍隊はなにも他国と武力を交えるだけの目的だけであるわけではないと思います。
戒厳令を敷ける国家を目指しているのではないでしょうか。
考えすぎでしょうか。

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4個師団7万人の在日占領軍(米軍) (宗純)
2014-07-16 10:39:56
土瓶蒸しさん、コメント有難うございます。

皆さん良く御存知のように自衛隊の前身は7万人の警察予備隊であるが、では『何を目的に警察予備隊(自衛隊)が造られたのか』と考えれば、その目的は一目瞭然なのです。
朝鮮戦争が発生して、急遽日本に駐留していた7万人の米軍を朝鮮半島に急派する。
この時に、米軍の不在(権力の空白)を埋める目的で日本人の警察予備隊が大急ぎで編成されたのです。
日本に駐留していた米軍4個師団7万人の役目とは何か。
そもそも彼等は占領軍なのですよ。
『外国から日本を守る』ことが目的では無い。話が全く逆さまなのです。
日本から外国を守るための軍隊が、アメリカの占領軍なのです。
もしもの時に、日本人を鎮圧する目的でアメリカが日本に派遣していたのです。
その留守中の後釜が警察予備隊なのですから、もちろん役目もアメリカの占領軍を同じなのです。
それにしても面白いですね。
今回の特定機密保護法と集団自衛権行使とが一体だと左翼も朝日や毎日などマスコミも、その中身の危険性に気が付いているのですよ。
ところが、何故か全員で『日本は地球の裏側で戦争をする気だ』と勘違いする。
この大馬鹿者が。
幾らアフガニスタンやらパレスチナで沢山死んでも所詮は他所事であり、自分の痛みとは大違いで、他人の痛みは何時までも永久に我慢が出来るのですよ。
地球の裏側なら何の心配も無い。
そもそも日本以外の国なら、福島第一原発事故で国民の怒りが爆発していて、ソ連のように、とっくの昔に崩壊しているのです。
ところが、日本人が死んだネズミのように大人しいから、安倍晋三がつけあがり、やりたい放題を行っているだけなのです。
ただ、この平穏な状態が何時までも続くとの保障が何処にもない。
今は韓国の旅客船の『安全のため動かないで船室にとどまって下さい』との船内放送を信じて動かなかった真面目な高校生と同じ態度ですが、破滅は目前なのです。
船室に海水が入りだしたら、今までの政府の嘘がすべて発覚する。
誰でもパニックになり日本国中がとんでもないことになる。
この時こそが特定機密保護法とか集団自衛権の本当の目的が判るのです。
もはや警察では押さえられない。警察が駄目なら後は軍隊の役目なのです。何とも恐ろしい話であるが、たぶん破滅は避けれません。
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沖縄タイムス 7月14日(月)の記事 (宗純)
2014-07-16 12:38:18
(集団的自衛権に警鐘 元自衛官インタビュー
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140714-00000007-okinawat-oki
では、安倍政権から訓練の内容が大幅に変わりました。
『人を標的にする』ように変化する。
今までと大きく違ってきているのです、これまでは『自衛隊は、人を殺すことを想定していなかった』のですね。
『1年に2回だった実戦訓練は実際、増えました』なら許せるが、
新しく訓練では、『人を標的とする訓練が始まりました。』は、大問題ですよ。
自衛隊ですが、今までは人を標的にしていなかったのです。
紛争地が、海外だと何故短絡的に善意に解釈するのか、
これからの紛争地とは一番に日本国内ですよ。
もちろん標的になるのは、原発事故から3年目で、とうとう堪忍袋の緒が切れて怒り狂った日本人の集団なのです。
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政府の仕事を守るための自衛隊 (みのきち)
2014-07-16 20:36:44
今の若者には自衛隊のうわべの勇ましさが新鮮に見えるのでしょうが、自衛官の持つある種の冷酷さや弱者蔑視的な人格を知っているものとしては、宗純さんのおっしゃる集団自衛権の使い道もすんなり納得できます。
元自衛官インタビューのように憧れだけで、弱者を守るレスキュー隊のように考えると、こんなはずじゃなかったと全く幻滅してしまうでしょうね。
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自衛隊トップの本音発言 (宗純)
2014-07-17 09:32:53
『今でも自衛隊は国民の生命・財産を守るものだと誤解している人が多いが、自衛隊が守るのは国家だ、具体的には国体だ』と.. 元統合幕僚会議議長 の 栗栖弘臣が正直に語っているのです。
何とも歯切れがいい第10代統合幕僚会議議長で自衛隊制服組トップの栗栖 弘臣が言う『国家』とか『国体』の意味ですが、これが実は意味不明なのですよ。
実は国家とは正統な暴力装置のことなのですね。具体的には国軍のことなのです。
それならこの栗栖弘臣統合幕僚会議議長発言とは、『自衛隊の守るのは自衛隊』との何ともアホ臭い話なのですね。
それなら『自衛隊』の意味とは、文字のとおりで、『自らを衛る隊』だったのですから大笑い。
それにしても、今回の沖縄タイムス記事は重大ですが、何故か他紙が報じない。
今までの自衛隊は人を殺すことを想定していなかったらしいのですよ。もちろん自分たちが殺されることも想定していない。単なる期限付きの公務員としての就職活動なのです。
安倍政権以前の今までの自衛隊ですが、『捕獲する』ことを想定して訓練していたのですから、これは警察活動ですね。装備は超一流の軍隊だが、中身は昔の警察予備隊と少しも変化が無かったのでしょう。
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