逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

気がつけば二大政党ではなく、やっぱり一極集中

2009年09月13日 | 政治
『大勝後の民主党政権の方向を占う』

毎日新聞の主催したボートマッチ『えらぼーと』に因れば社民党と共産党は『政策が殆んど同じ』で、社共と比較的近いのは田中康夫の新党日本で、一番遠いのは自民党です。
新党日本と自民の中間のどちらかと言うと自民よりの位置に民主党が有る。(福島社民党党首は2年前の参議院選挙時に『自民党と民主党の違いはカレーライスとライスカレーの違い程度』と指摘している)
今の民主党は、昔の何でもありの自民党と同じかそれ以上で右から左まで何でもあり。
自民以上の右翼も真っ青の『極右』も健在です。
右翼組織日本会議のメンバーは自民に次いで数多いし、核武装論者として有名で右翼テロを煽っていた西村信吾も民主党国会議員だったし、室井邦彦の様な統一協会シンパか現役の協会員も存在する。
今までの自民党は有権者やマスコミから批判を受けると『顔を変えて、姿を変えて』その都度しぶとく生き残ってきた。
今の民主党幹事長は20年前の与党自民党幹事長の小沢一郎で、今の民主党有力幹部の多くも同じく元自民党有力幹部である。
当時の『自民党』の性格(内容)に一番近い政党は、現在のカルト臭い麻生自民党では無く、何でもありの鳩山民主党である事は論を待たないであろう。

『民主がオオバケして本当の政権交代の可能性もゼロではないが・・・』

今の日本で政権交代が起こったと考えるより、良く考えて見ると自民党が最も得意とする『批判された時に顔を変え姿を変えしぶとく生き残って来た』、何時ものありふれた戦術である可能性の方が高い。
民主党がリベラル新党であるより、『名前を変えた新しい自民党』である可能性の方が遥かに高いといえるでしょう。
今回、脱皮する蛇のように自民党がとうとう最期に『名前まで変え』て民主党として再生(延命)しようとしている、かのように見える。

『自民党の現状と未来』

麻生は辞めると言っているのに、自民党は未だに誰も総裁選に立候補していない。
最悪、自民残党丸ごと民主入りで即『大連立』の可能性さえあります。
自民も民主も理念や主義で集まっている集団(社共のようなイデオロギー政党)ではありません。

『有効だった反自民のアピール』
自民の極右グループだった渡辺 喜美の『みんなの党』は、自民党の新自由主義構造改革路線を批判して見せて結党十日程で社民党と同一の比例区300万票を得ているのですよ。
今や『自民党の名前』は、『共産党の名前』と同程度のマイナスブランドであり、落選した自党前議員の多数が『自民党でなかったら・・・』、『『みんなの党だったら当選していた』と嘆かせている。

『大連立の可能性が一番大きい』
近頃は全国的に行われる様になったが、大連立なんか近畿では何十年も前から常識です。
首長選挙では共産党以外、誰も彼もが与党になりたがり共産党候補対自民公明民主社民の大連立オール与党連合の選挙が大阪京都神戸では長年続いてきて、それ以外の選択肢はゼロで有権者は白け切っています。
兵庫県では、首長選挙に止まらず国会議員まで『兵庫方式』で一人に一本化して共産対与党連合の、開票する前に結果が判っている白けきった選挙戦を行っている。
大連立でよい所は何一つありません。

『与党は止められない』
何故こんな不思議な事がまかり通っているかと言うと、一度与党議員をやると、覚醒剤や麻薬と同じで(与党を)止められないのですよ。
ですから今後自民党は間違いなく大連立に走ります。
選挙敗北から2週間も経つのに未だに総裁候補に誰も名乗りをあげないのには名乗りあげない、(傍からどれ程不可解に見えても)それなりの明確なちゃんとした理由があるものです。

『自民党に明日はあるのか』

2年前の参議院大敗の最大原因は安倍晋三と歴代自民党政権の失政に尽きるが、直接原因は選挙直前の絆創膏の赤城農水大臣であろう。
あのバンソーコーを見て選挙民が悲惨な安倍内閣の真相を知ることになった。
みぞうゆう麻生自民が大敗した今回衆議院選挙最大の功労者(戦犯?)は宮崎県のマンゴー売りの淫行男の『総裁擁立の談合話』でしょう。
あの東国原の総裁選出馬の話でネットスズメは喜んだが、従来からの保守支持層は総崩れで、自民党を辛うじて支えていたの最期の蜘蛛の糸が切れた。
ところが自民党崩壊の張本人は、現在は記者からの『総裁選出馬の可能性は?』には、あっさりと『ありません』らしい。
これ以上自民党支持者や党員を舐めきった何とも酷い話はありません。
それにしても自民党の危機に瀕して当選議員の誰一人『自分が』と手を挙げる人物が出ないとは情け無いにも程が有る。
この連中は勝ち馬の民主党に鞍替え(大連立)するべく様子見をしているのですよ。
腹立たしい限りですが 日本には本当の意味での保守『政治家』が一人もいないのです 。

『二大政党よりも気がつけばやっぱり一党独裁』

二大政党制ですが、これから日本に果して根付くのでしょうか。?
日本が二大政党だったのは1930年代のほんの短い間だけで、しかも保守二党で意味のない政争に明け暮れた挙句に有権者から見放され、その後に最悪の軍国主義の台頭を招いてしまう。
そもそも現在の状態は、
二昔ほど前の自民党と社会党、あるいは選挙前の自民と民主との組み合わせの1・5党制と同じ状態で、絶対に二大政党ではない。
特に自民党は『中央(権力)との太いパイプ』だけが売り物の政党(議員)で、権力と各種の業界団体との仲介が主な仕事であることは自他共に認めている。
これ等の仕事は、アメリカなど外国の基準では『政治家』ではなく。『政治ブローカー』や『政治ロビイスト』ですよ。
ですからこれは民主党の石井一議員が『公明党から創価学会を抜いたら議席はゼロ』といったのと同じ論理なら、
『自民党から与党を抜くと議員(政党)の存在も意義もゼロ』なのです。
小泉純一朗総裁辞任から3週年。
自民党本部ビル8階には歴代総裁の肖像画が掲げられているが、第21代以後の安倍や福田は未だ用意されていない。
『自民党をぶっ壊す』と絶叫した、20代目の小泉純一朗の代で自民党の命運は尽きていたのでしょう。

『長年の「居住権」でごねる自民党』

総選挙で民主党の議席が大幅に増えたことに伴い、与党となる民主党は、自民党が長年占めてきた国会正面側の控室を要求したが、自民党は「立ち退き」に『正面側をこれからも使うのが基本的な希望だ』『引っ越しは費用もかかる』と難色を示した。
今の自民党ですが、徳川幕府末期以上にどうしようもありませんね。
最期の自民総裁の麻生太郎は『お仕舞い』だけは同じだが、最期の将軍だった徳川慶喜になれなかったようです。
敗者として、見苦しい限り。
これだけ負けても未だに政権政党としての『見栄』と『甘え』と『虚栄』と『空威張り』から抜け出せないでいる。

『残る選択肢は大連立』

怖い事に一度でも与党議員をやると、覚醒剤や麻薬と同じで(与党を)止められない。
何故なら政治家で権力志向で無いものは一人もいないが、与党議員だけが感じれる『権力の快感』ほど理性を麻痺させる誘惑はないのです。
麻生太郎の総裁辞任表明から2週間。
自民党の危機に瀕して誰一人『自分が』と手を挙げる人物が出ないとは情け無いにも程が有る。
最有力と見られていた八党を渡り歩いた(何時も勝ち馬に乗る)政界風見鶏の小池百合子や、トリックスターの半妖怪、政界ネズミ男枡添要一なんかは早々と総裁選を辞退しています。
この連中は勝ち馬の民主党に鞍替え(大連立)するべく様子見をしているのですよ。
自民党の今後ですが、
投票日直前の自民党本部ビルに掲げられていた大きな垂れ幕に書いてある文字が、何か自民党大敗北の今日の自体を予想させる閉店バーゲンセールの宣伝文句のような『みんな ありがとう』だった。
この時点で、大敗北(自民党の閉店)を予期していたのでしょう。?
とすれば後の仕事は、辛うじて当選した議員の在庫セール(自民党はそのままで居抜きで大連立か、議員個人のばら売りセールでの大連立)だけが残っています。



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大連立 (ましま)
2009-09-13 13:05:11
こうなったら大連立は難しいでしょう。
①来年の参院選で自民が単独過半数(公明を入れないのでかなり無理)をとれず、民、国、社で過半数をとれば、民主党がわに受け入れるメリットがない。
②民主は今回の選挙で右派系の比率がさがり、かなり体質がリベラルになってきた。松下政経塾、民社系労組などの供給源が限られているためか。
③その右派が自民党の新保守グループや改革党と組んでの新党結成は、自民の島村・中川(酒)などが落選したので有力にはなりえない。
④若手にはそんな芸当ができない。結局大連立の中核すらできないということではないですか。
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和をもって尊しとなす (逝きし世の面影)
2009-09-13 15:01:40
現在の日本共産党は、国会ではわずか一桁の9議席の少数派(少数政党)ですが、地方議会では平成の大合併で少なくはなったが今でも議員数が第一党なのです。
と言うか、其の他の議員が全部(自民も民主も其の他も)無所属で全員が与党議員(大連立)なのです。

実質今までみんな大連立で、日本はやってきました。
これはもう千年以上前からで『和をもって尊しとなす』聖徳太子の時代からの伝統で、日本人のDNAに深く組み込まれて現在に至っています。
世界中に『チェス』や『将棋』は色々あれど、日本の将棋の様に敵の駒をそのまま味方の兵力として使う戦略(戦術?)は、外国では考える事すら『ありえない』のです。
大昔から日本の政治は『大連立』です。
もともと日本人は大連立に対する心理的抵抗感は他所の国ほどありません。
何しろ、15年前には安保反対、自衛隊違憲、原発反対、消費税反対だった日本社会党が、あっと驚く大連立を自民党と組んだのですよ。
政策が正反対の社会自民大連立に比べれば、自民、民主の大連立なんか、こんな簡単な事はありません。
障害としての4点の問題ですが、社会と自民大連立の事を思えば小さいことで、クリアできない事はないでしょう。

ただ、当時の選挙制度は中選挙区制です。
大連立の最大の障害は、政策の違いではなく一つの選挙区で一人しか当選しない『小選挙区制』なのです。
小選挙区制では、今回大連立できたとしても、次回の選挙で候補者一本化の調整が出来ないのです。
だから比例選挙中心のドイツなどの欧州諸国で(政策が大きく違っていても)大連立が頻繁に行われ、
対照的に小選挙区の米英では二つの党の政策が幾等似通っていても大連立は行えないのです。
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ましまさん、コメント有り難うございます (逝きし世の面影)
2009-09-14 16:14:21
①の民主側にメリットが少ないとの指摘は其のとおりで同意見なのですが、
与党でないと辛抱出来ない自民議員の事情の方が、より切実です。
なんとしても与党議員になりたい自民党議員を小沢一朗がことわる可能性よりも受け入れる可能性の方が高いでしょう。
今まで他党からの同じような行為に対して、ことわった例は村山社会党の党丸ごとの民主入りを阻んだ現鳩山党首の例があるだけです。普通は断りません。

②の民主党の右翼議員のことですが、何とも悩ましい話ですね。
民主は右翼議員もそのまま全員当選している。2年前には前原が2票差で菅 直人に勝って代表になっているので『声の大きい』(テレビなどのマスコミに露出が多い)これ等の勢力はこれからも侮れないでしょう。

護憲派が望む『右派の脱党』(右翼の新党結成)は願望ではあっても実現性は限りなく低い。
③の民主党右派グループが民主党を出ることは(無理やり追い出さない限り)民主が与党である現状では絶対にあり得ません。
②とも関連するが民主の中枢を自民の一派と組んで乗っ取る算段でしょう。

④は、自民党は党としては賞味期限が既にすぎており自分から政界再編を仕掛けるだけのエネルギーを失っているとの見解は、全く同意見ですが、それなら尚更、辛うじて当選した自民議員は、自分だけは何とかして生き残ろうと必死になるでしょう。
何とか自分だけでも与党入りしたいと考えるのが自然ではないでしょうか。


しかし、『自民党議員の民主入り』以上に鳩山民主で心配されるのは破壊的カルト創価学会公明党の今後の動きではないでしょうか。?
今後の公明党の動向ですが、彼等に『与党入り』以外の主義主張はありません。
公明党は8党を渡りき常に権力に寄り添っていた小池百合子以上の風見鳥です。
時々の風を読んで自分にとって都合が悪ければ自らの姿を幾等でも変えて勝ち馬に必ず乗る筈です。
公明党は何時でも与党でないと、台湾や韓国の前政権の幹部が訴追されて無期懲役の判決がでている様に、重要な与党勢力だから辛うじ司法の追及を免れている悪事の数々が暴かれる危険がある
ですから与党か野党かは自民党議員以上に重大事で公明党与党入りには強烈で切実な譲れない理由があるのです。
果して、鳩山民主に、公明の『何としても与党民主党入り』を断るだけの決断が出来るかどうか。?で、ある程度の今後の鳩山民主の今後が予想できるでしょう。
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