ゴーン（欧米リベラルメディア)vs.日本（検察）の不思議なバトル

『島国の日本の場合は脱獄も亡命も滅多に起きない珍事だが、』

中国や北朝鮮で突然逮捕されて有罪なら重罰になる危険性があり、かつ運よく自国（日本国）に逃げられる絶好の機会が生まれた場合、普段は脱獄も亡命もしない日本人でも、ほとんどの人は最後のチャンスを逃がさないでしょう。

巨大なガラパゴス島日本では検察警察など司法当局の権限は無限大で裁判の有罪率は９９・９％なのですから恐ろしい。グローバルスタンダードの『推定無罪』原則、被告の人権（民主主義の大原則）など無きに等しい。
このために『自国民の保護』目的でレバノン当局は日本政府に対して去年何度もカルロス・ゴーンのレバノンへの送還を要求していた。（ゴーンは日本国内ではなく、レバノンなど外国での公平な裁判を要求していたらしい）
今回１年以上前（２０１８年１１月）に日本で逮捕されたカルロス・ゴーンは２０１９年１２月３０日にプライベートジェットでレバノンに帰国したと１２月３１日にレバノン当局が発表したので大騒ぎになっている。（★注、日本人が中国や北朝鮮で捕まった場合を考えれば、レバノンに逃げ帰ったゴーンの密出国は犯罪云々以前に拍手喝采ものの英雄譚である）

『なんとも胡散臭い国策捜査』一時は経産省と二人三脚（国策そのもの）だったゴーンと検察特捜部の仁義なき戦い

東京地検特捜部による『国策捜査』日産のお家騒動（西川社長らのクーデター）の、なんとも不可解なゴーン逮捕ですが、ほぼ芥川龍之介の『藪の中』。（ゴーン逮捕後に検察当局と組んでクーデターを画策した西川社長にも同じ容疑が勃発、解任されたが逮捕も投獄もなしの野放し状態なのでダブルスタンダードのそしりは免れない）
ゴーンの逮捕容疑は横領的なものでなく、有価証券報告書を「うっかり間違えた」？単なる記載漏れなら『報告書の修正』程度で済む微罪（形式犯）である。

菅野完‏ @officeSugano · 2018年11月19日
え？年間50億じゃなかったっけ？　5年で50億なの？？
だったら加計学園への補助金より少ないじゃん。（★注、しかも受け取った金ではなく、将来「受け取る」との約束なので、なんとも胡散臭いアサンジや西山記者、植草一秀の逮捕と少し似ている）
 
僕ね、「国策捜査」って言葉嫌いなんですよ。
だって地検特捜部ってのは、国家の秩序を守るために捜査するわけですから、何やっても国策捜査になるのは当然。国策捜査ってのは「野菜を売る八百屋」ぐらいトートロジーっぽい。

問題なのは、国策捜査ではなく、国策不捜査なんです。
で、その代表が森友

★注、
去年末には安部お友達記者の強姦をもみ消し事件まで発覚しているのですから凄まじい国策不捜査だ。
ただし、全てのマスメディアが同じ事実を大きく報道する場合ですが、もちろん世紀の大ニュースの場合もある。逆に沢尻エリカ逮捕のようにニュース自体には何の意味も無くて、大騒ぎすること自体が目的の場合がある。
もしも巨額脱税が無かった（形式犯の微罪）とすれば、ゴーン逮捕は国家ぐるみの『猫だまし』か、あるいは『赤いニシン』（わざと間違いに誘導する偽の手がかり）の可能性が高い。

『日本人的常識では個人の宗教と政治・経済はまったく無関係。ところが世界基準は宗教と政治経済は直結している』

アメリカ大統領のケネディが唯一のカトリックだと全員知っているが、逆に歴代首相でキリスト教徒だった人物を正確に指摘できる日本人は希。しかし国家神道の戦前でも原敬首相がキリスト教徒。 信教の自由が日本国憲法に明記された敗戦後の首相３２人中で、吉田茂、片山哲、鳩山一郎、大平正芳、細川護熙、麻生太郎、鳩山由紀夫と、キリスト教徒の首相が７人もいるので、ほぼ４人に１人が欧米系のキリスト教信者だった。（日本人の１％しかいない一神教信者数から見て非常に高い比率）
日本では靖国神社参拝に拘る麻生太郎がキリスト教であるように、個人が信じる宗教と政治信条とは無関係だが、外国では逆に宗教が最大の問題。
世界では『宗教』が政治経済の上位で、モザイク国家のレバノンは揉めないように最初から大統領はマロン派キリスト教徒、首相はスンニ派イスラム教徒、国会議長はシーア派イスラム教徒に決められている。

『モザイク国家レバノンの胡乱なマロン派（典礼カトリック教会）』

レバノン出身でブラジルで学んでフランスを代表する大企業ルノー幹部になったカルロス・ゴーンですが『うろんなマロン派（典礼カトリック教会）』。
ローマ帝国の分裂でキリスト教会も東西に分裂したが民族や宗教の十字路である中東レバノンのマロン派は教義的には東方教会なのに西方教会（ローマ・カトリック）に所属する『典礼カトリック教会』で、これはウクライナ西部(旧オーストリア帝国領)だったリヴィウ州の典礼カトリック教会地域（ナチスと協力した極右民族主義ステファン・バンデラのウクライナ蜂起軍）と同じ流れだった。ポーランドなど民族的にスラブ人で宗教的にはカトリック（西方教会）で、キリスト教東方教会（正教会）と対峙する最前線に位置していた。
★注、
３８年前の１９８２年、イスラエル軍がレバノンに侵攻してＰＬＯを駆逐した戦乱に乗じたマロン派（典礼カトリック教会）の右翼民兵『自由レバノン軍』（イスラエルの傭兵組織）が、イスラエル軍が占領していたパレスチナ難民キャンプを襲撃し非戦闘員の大虐殺を行った悪しき歴史があるが、丸っきりナチスドイツと協力したウクライナの極右民族主義ステファン・バンデラのソックリさん。両者は宗教的には少数派のまったく同じ『うろんなマロン派（典礼カトリック教会）』だった。

金子勝‏@masaru_kaneko
【ほころぶアベ公安警察政権】世耕経産大臣時代に逮捕を踏み切ったゴーン容疑者が国外逃亡したせいで、かえって人質司法に関する海外批判が高まるだろう。検察が信頼を取り戻すには、カジノ汚職問題だけでなく関電マネー問題に関して原子力ムラ検察が変わらなければいけない。

【国内外の対照】
ゴーンと同じく不正報酬を受けながら、司法取引で逮捕されなかった西川元社長は取締役ポストに残り、人事に介入している。山内康裕CEO代行と川口均・執行役副社長の退任に執心だったという。ゴーンとあまりに対照的な扱いが国際的批判を招くだろう。

「日本の秘められた恥」 　伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが

【ゴーン人質司法の国際批判は続く】
伊藤詩織さんへの性暴力で逮捕状が出たのに、アベ政権に近ければ、逮捕もされない。山口敬之元TBS記者は北村滋元内閣情報官と連絡し、中村格元刑事部長が高輪署に「こちらで預からせてもらう」となった。開発独裁国家そのもの。恥だ。

郷原信郎‏ @nobuogohara 
中東ルートの特別背任を含め「ゴーン氏事件」がいかに無理筋かは、この対談を読んでもらえればわかります。⇒【「ゴーン無罪」の理由～古巣批判の元特捜検事「郷原信郎」vs.会計士界のレジェンド「細野祐二」2万字対談】 #デイリー新潮

 @HON5437
すごい偶然が起きた！
12月17日 駐日レバノン大使が鈴木馨祐外務副大臣と面会
12月20日  鈴木外務副大臣がレバノン大統領・首相・外相・国会議長・国会外交委員長と面会
12月31日 ゴーンが日本からレバノンに出国。出入国管理庁に出国記録なし

@koichi_kawakami 
日本の刑事司法は、国際的な批判に耐えられるのか～ゴーン氏出国は「単なる刑事事件」の被告人逃亡ではない #BLOGOS

@ifujimoto
最後に。私も、いち日本の弁護士として、「ゴーンが100％悪い、日本の公平な司法制度に対する侮辱行為だ。レバノンに断固返還を要求する、国交も断然だ。」位は言いたかった。言いたい気持ちも75%くらいはあるけど、いまの検察や裁判所の運用を知っている以上、そう言い切れないのが、とても辛い。

孫崎　享‏ @magosaki_ukeru
ジャンジャジャーン！映画『大脱走』：「ゴーン被告「驚きの結末になる」司法告発の映画化を構想?米映画制作者と協議。ゴーン被告、12月下旬ハリウッドの映画プロデューサー、ジョン・レッシャー氏と制限住居で面会し、日本司法制度告発映画について話し合い米紙ニューヨーク・タイムズ報道（毎日）

『V字回復の真っ赤な嘘』

利益を生まない無駄は『未来の可能性』そのものだったが、ゴーンが売り払って経産省やマスコミが大絶賛、日本政府が推し進める国策なので、我先に多くの日本企業がゴーンの真似をし余力や将来の成長力も同時に失う。
30年前の冷戦崩壊以後長年デフレに苦しむ日本経済に最後のとどめを刺す『最悪の売国行為』が自民党政府やマスコミが口をそろえて誉めたたえたゴーンのV字回復の噓八百だった。
★注、特捜に突然逮捕されるまでゴーンと日本政府は二人三脚、一心同体だったのですから、今の全ての動きが嘘くさい。