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考古学と映画(火山の国の考古学)

2002年03月12日 | 日記
平和な街の真ん中に突然火山ができたらどうする!?そんなテーマの映画が数年前公開されました。その名も「ボルケーノ」(そのまま!)主演はトミー・リー・ジョーンズ。火山に襲われる街はニューヨークです。街はあっという間に火山の魔の手に飲み込まれ、人々は逃げ惑いパニックに…。街の運命はいったいどうなる!!?というような天災パニックものの映画でした。覚えている人はいるでしょうか?

トミー・リー演じる主人公は街を救うため、あらゆる道具や知識を使い溶岩流を止めようと奔走します。しかし、そんな道具や、知識がない時代、突然火山が噴火したとしたら…。今日はそんな悲しい運命をたどらなければならなかった一つの村を紹介しましょう。

群馬県子持村の黒井峯遺跡。古墳時代も真っ最中の6世紀中頃。榛名山ニッ岳が大規模な噴火を起こしました。とても大きな噴火で飛んできた軽石や火山灰が黒井峯の集落に大量につもってしまったのです。映画の中ならなんとかなりますが、なにしろ古墳時代のお話です(トミーもいないし)村人は諦めるしかなかったのでしょう。

それから、1500年ほどたった現在。1984年から発掘調査が行われました。なんと、2メートル!も積もった軽石層の下から噴火が起こった当時の村がでてきたのです。垣根や畑などは大体長い年月の間に消えてしまうのですが、火山の噴火によって当時の状態がある程度保存されていたのです。これによって当時の村の構造を知ることができました。「ボルケーノ」を思い出すとわかると思いますが、火山災害に出会ってしまった人たちの混乱は想像を絶するものだったと思います。皮肉にも古墳時代の彼らにとっては大災害でしかない噴火ですがそのおかげで今わたしたちは昔の生活を再現することができるのです。

先日、駅を歩いていたら三宅島募金をやっていました。噴火からもうすでに長い時間がたっています。どうか、島民のみなさまが無事に島に帰ることができるように、黒井峯のようにまたは、ポンペイのようになってしまわぬように祈っています。ということで、今日は突然火山の話題でした。

長い文になっちゃった~。