暗闇に慣れるために電気を消してどんなものか試してみる。
目が慣れてくるとまだ色んな小物が発光していて真っ暗闇という感じにはならない。モデムの小さなライトや空気清浄機のサインランプなどのかすかな光が壁に反射してこれが結構明るい。
買ってきたばかりの蝋燭を燈してみたが、これはこれで充分に実用の役に立ちそうだ。本を読んだり字を書いたりには辛いが、洗面所で顔を洗ったりする時には重宝しそうだ。
ガス湯沸し器の電源周りを調べてみると、湯沸しの下にコンセントがある。当方のベランダと直角に隣のベランダがあって、鉄柵を挟んで2台の湯沸かし器が並んで設置されている。
コンセントが二つ30cm位の間隔で並んでついている。
慌て者が湯沸かし器の掃除などをした際には、差し間違えるということも可能性としては否定できない位の距離だ。
浴槽にお湯を張り終わった頃に間違いに気付いて元通りに直すということも、日常生活では充分起こり得ることだろう。
二三日後にまた同じ間違いをしてしまうかもしれないが、こういう手違いは隣人が出掛けたのを見計らってからするべきだろう。
故意にこういうことをやると窃盗という犯罪が成立してしまうから絶対にやってはいけないのだが、過失から結果としてそうなってしまうこともあるから間違えないようにしなくてはね。
夜は長いが落日とともに床に入り夜明けに起き出すということもできなくはないが、深夜までは外で時間を潰す方がいいのかも知れない。
考え事をして過ごすには恵まれているが、普通のことをするには不便極まりない。
私の母親の出身地である和歌山の山奥に電気が来たのは60年程前の事らしい、それまでは日本中の山村ではランプで明かりを取っていたのだから大したことではないのだろう。
これは一度くらいは体験しておいた方がいいようなことかも知れない。
現代社会は時間の流れと静かに向き合うということがし難くなっているからね。