風極の岬 えりも 法光寺住職の「善き人々に出逢う旅」

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神戸・広島への旅(4)広島平和公園にて

2015-08-07 19:18:41 | 日記
神戸に一泊した私どもは、8月1日広島に到着しました。
宿泊したANAクラウンプラザホテルから、平和公園までは、歩いてすぐです。
結婚式の空き時間をみて、私は一人散歩にでかけました。
蝉の鳴き声が耳を引き裂くようです。この日もまた、暑かった!!!

おりしも公園では、6日の記念式典の準備の真っ最中。
沢山の白いテントが張られていました。
木陰をみつけて涼んでいると、原民喜の『夏の花』の詩の一節が想いだされます。

    ギラギラノ破片ヤ
    灰白色ノ燃エガラガ
    ヒロビロトシタ パノラマノヨウニ
    アカクヤケタダレタ ニンゲンノ死体ノキメウナリズム
    スベテアッタコトカ アリエタコトナノカ
    パット剥ギトッテシマッタ アトノセカイ
                (『原民喜全集①』(芳賀書店)


このあたり一面が全て焦土と化したのだ、と思うと息苦しい気持ちになります。
同時に私は、現代の詩人である和合亮一さんの詩を連想していました。

    これも日常で、良く交されている会話。
    「放射能で被爆した死体は、焼いてはいけない」
    「放射能で被爆した死体は、埋めてもいけない」
    「放射能で被爆した死体は、とにかく触ってはいけない」
    じゃあ、どうするの?「鉛の箱に入れて、海に沈めるしかない」。
                (『詩の黙礼』(新潮社)


「二度とあやまちはおかしませんから」という言葉が、頭の中で木霊します。
ミンミン、ニイニイと聞こえる声が、それに輪をかけます。
あの日もきっと暑かったのでしょう。居住まいを正して、只管合掌します。