二期確定アニメなのかなという最終回でした。
1クールやって何も終わっていない、寧ろ始まりかけで終わってしまった感。
内容は、
友達が居ない人たちが集まって、隣人部という部を立ち上げ部活動として色々と遊び友達が出来た時のために備えるというもの。
ラノベ原作というのもあって敷居は低く、男の主人公1人に対して女5人と男の娘一人
というハーレム設定で話が展開していきます。
こういうアニメは、内容がなく、女キャラが何故か皆主人公が好きでなおかつ険悪にならないというのが定例で、
しかも一話からキャラが普通に2ちゃん用語を使っていて、また安易なキャラ付けかと思いましたが、
その一方、主要キャラが全て"友達が居ない"という設定が際立つので演出としてならありなのかとも思い見ることにしました。
一話で二人のメインヒロイン、夜空と星奈(せな)が登場して、五話で主要キャラが全て揃いますが
内主人公に好意を抱いているのはメインの二人で他は人間性に惹かれている風なので、
よくあるハーレムものとは一線を画しているとは思います。
それがこのアニメを最後まで見れた要因で、
人が集まってくる理由に好意だけなわけがないというリアリティを感じた所。
以前にも書きましたが、僕は日常系が好きですが、それはあくまで現実的なフィクションの域の話で
キャラ付が安易、例えば髪の色が緑とか奇抜だったり、感情が一辺倒だったりするとそれはもうファンタジーだろと思ってしまう。
そういうのがこの作品は少なかったように思います。
登場キャラはだいたい黒髪か栗色で、金髪もいますがハ-フで、
主人公の周りは女ばかりですが皆が恋愛としての好意で集まっているわけではなく、
痛いキャラばかりですが、友達が居ないという設定から許容出来る。
そしてそんな痛いキャラ達がどうやって友情を深めて成長していくのかに興味が湧きました。
それで見終わった感想は、単純じゃないように作ったけど結局安易になってしまったアニメ。
特に登場キャラたちの間に友情としての距離が縮まった感もなく、
結局中立な立場の主人公が自己主張しかしないヒロインたちをなだめるだけで一話一話が消化されていき
それとは別に進行していたメインヒロインとの恋愛も、
ずっと高慢なお嬢様キャラの星奈押しで来ていて
最終話目前に協調性皆無女王様キャラの夜空の話を持ってきても
見ている僕からしたら二人をどうしたいんだと、
それも星奈が主人公を好きになるエピソードはありましたが、
夜空は主人公が昔別れた親友が夜空だったと判っただけで主人公は誰にも恋愛感情を抱いていない。
これはラブコメなのか、コメディなのかよく分からなかった。
あと、構成と演出。
最低限の展開を作って矛盾はないようにして後は起伏のない話。
最初の五話までで登場キャラの話が各話あって六話でカラオケ、七話で携帯の番号交換と着々と"友達らしい事"をこなして盛り上がっていく隣人部メンバーですが
八話のプールに行く話で人ごみに酔った二人が途中で一方的に帰り、残った人たちも冷めて遊ばずに帰るという、
明から暗への転換で、ちゃんと人間性を考えてるのか思いましたがその流れはその辺りだけで。
そこから少しずつ主人公の昔遊んでいた親友の話が強くなってきて最終話でその親友が夜空とわかるわけですが。
正確には最終話一話まえの終盤でわかり、
最終話は実は夜空は一話で気づいていて隣人部は主人公とまた仲良くなるために立ち上げたという内容でした。
最初と終盤に同じカットや台詞を持ってきて、心情の変化を表現する演出は僕も好きですが今回のは無粋に感じる点がありました。
それは一話で主人公が夜空の事をどう呼んでいいかというシーンで、
あだ名はないのかと聞くと、夜空があだ名はあるが友達同士で呼び合うものだから教えないというのがありました。
そのシーンが最終話にあって、そこで一話のハイライトが入る。
なんと無粋。
一話から見ている人なら、あの事かと気付くし見ていない人にしてもハイライトで見ても何も感動しない。
その後も短い12話の中であった主人公と夜空のハイライトが続く。
一応、実は夜空は気づいていたのでこの時はこう思っていたという演出なんですが、
途中から歌とハイライトになる。
歌じゃなくて声優に何か演じてもらったほうがより思い出を振り返る感が強まっていたと思う、
丁度小学生の卒業式で六年生がいっていく別れの言葉のように。
※代表の人が「楽しかった」というと六年生全員が「六年間」と続くアレです。
結局、本当に友達が欲しくて部に入ったのは星奈だけで、
そう思うと部員の間に友情が芽生えないのも頷けます。
『僕は友達が少ない』というタイトルと、友だちを作るために部活を立ち上げたという始まりの割に友情面で進展はなく。
メインヒロインが二人居るのに星奈と主人公が親密になる話をしてきて最終話に夜空の話を少しだけ持ってくる事でどうしたいのか分からず、
まず主人公にそういう素振りがまったくない。
結果、内容がなかった。
68点。