マンガ質問状:「ハイキュー!!」 推敲1年、作者渾身のバレーマンガ
2013年03月18日
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、古舘春一さんのバレーボールマンガ「ハイキュー!!」です。「週刊少年ジャンプ」(集英社)編集部の本田佑行さんに作品の魅力を聞きました。
−−この作品の魅力は?
「ハイキュー!!」の魅力は何と言っても、ボールをつながなければいけない、一人では絶対に勝てない「バレーボール」という題材だからこそ描ける、仲間とのドラマだと思います。
ふとしたきっかけでバレーボールに魅せられた少年、日向翔陽。部員のいない逆風にも負けず、やっとの思いで出場した中学最初で最後の公式戦で、日向のチームは「コート上の王様」と異名を取る天才プレーヤー、影山飛雄に惨敗してしまいます。影山にリベンジを誓い、烏野高校排球部の門をたたいた日向ですが、何とその前に現れたのはくしくも同じ高校に進学していた影山。互いに反目しあっていたライバルがチームメートとして出会うところから、物語は始まります。
性格も置かれてきた環境も正反対の日向と影山。当初はぶつかり合うものの、少しずつ“チームメート”として互いを認め合っていく二人。そんな日向と影山を中心にして、さまざまな思いを抱えた選手たちが一つのチームの下に集っていきます。
青春のドキドキやワクワクはもちろんのこと、ヒリヒリやジリジリ、ザワザワやイライラからも逃げない、真摯(しんし)で愚直で超直球な青春ドラマが展開される「ハイキュー!!」。今の時代だからこそたくさんの方に読んでほしい、「週刊少年ジャンプ」が自信を持ってお送りする熱血王道スポーツマンガです。
−−作品が生まれたきっかけは?
もともと、前作「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。」を執筆する以前から、古舘先生はバレーボールを題材にした作品を描きたいという希望を持っていらっしゃいました。というより、マンガ家を目指した当初から、愛着あるバレーボールを作品にするのが先生の一つの目標だったとうかがっています。むしろ、最初は私(担当)が止めていた部分がありました。先生にとって大切な題材だからこそ、経験も実力も、万全の状態で臨むべきだと考えていたからです。