大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

議会事務局研究会 第2回シンポジウム報告 その1

2012-06-24 20:34:34 | 政務活動費(政務調査費)
6月16日(土) 大阪で行われた
議会事務局研究会 第2回シンポジウム「議会改革、初動期から第二期を迎えて~新時代を乗り越えるための議会と事務局の明日~」
に参加しました。政務調査費を使ったため、政務調査費報告書にまとめました。
報告書そのままをこちらに転載します。長いので何回かに分けますね。
なお、レジュメに自分で書き込んだメモをレポートに起こしたもので、動画・音声などでそのメモの正誤を取ってはいないことをご了解ください。

では、その①スタート↓

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事例報告「議会事務局研究会の取り組み・事務局職員の意識改革」
報告者;和泉市職員 奥山高起 氏

 議会事務局研究会は、各地の議会の自主的な取り組みや幾度の自治法改正を経て本格化した地方議会改革のなか、改革を支える条件整備として事務局の体制強化が不可欠であると考え、事務局がどうあるべきかを実務面から探るためにスタートした。平成21年8月に関西を中心とした12名で発足し、現在オブザーバーを含め34名。22年に中間報告書「今後の議会改革の方向性と実務上の課題、特に議会事務局について」、23年に最終報告書「議会事務局新時代の幕開け」をまとめ公表。23年6月に京都で第1回シンポジウムを開いた。
 研究会の研究成果のひとつに「事務局体制強化のためには事務局職員の意識改革が不可欠」との結論を得た。
 事務局職員は「議員の言うことだけすればいいのか、顧客は誰なのか、果たすべき役割は何か」
 奥山氏は大阪市、警視庁に勤務経験があり、研究会発足当時に和泉市議会事務局勤務(現在は危機管理に異動)。議会事務局以外の職員経験を踏まえた自身の視点からの分析と、過去の研究会のアンケート結果を織り交ぜて事例報告がなされた。
 意識停滞を生み出す現状を「意見・提案しない=主体性がない」「議員から責められない=緊張感がない」「職員から責められない=虎(議員)の威を借る」「住民から責められない=責任がない」と分析。意識改革を図るための視点として①事務局職員特有の課題②執行機関と事務局職員との関係③議会議員と事務局職員の関係 の3つについて考察された。執行機関の職員と敵対関係とも見られる事務局職員は不安感と孤独感を抱えている。議員のお手伝い役だけかに見られるが、その事務局職員の自己保身が議会改革を停滞させる(=お手伝い役程度であれば、本体の停滞は招かないはず、職員が議会改革に影響力を持っている)。こうしたことから、議会と事務局かチームとして共同できる環境を作ることが処方箋、とし、目的意識を共有すること、チームとして行動すること、結果を積み上げる など意識が高まる仕組みを用意し、意識改革を行うとの提案がされた。しめくくりに「あなたは、何のために事務局にいますか?」との投げかけがされて終了した。

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その②に続く

【視察報告】無作為抽出市民が政策討論に参加する「市民討議会」 その3

2011-11-30 23:50:37 | 政務活動費(政務調査費)
【その2 に引き続き、政務調査費使用報告として議長に提出したものから転載】

《大府市への反映》
 今後自治体経営がこれまでのように豊かな財政に甘んじていられないこと=行政サービスを選択せざるを得ない=が想定される状況では、市政について市民により理解していただき、積極的に関わっていただきながら、サービスの取捨選択をせねばならなくなっていく。そのためには、行政が「広報して、反応を待つ」だけでなく、市民が関わりやすいよう、関心を持つよう働きかけ、住民は意見を表明しやすく行政は耳を貸しやすい風土づくりをしていかねばならない。
 無作為抽出市民に参加を呼びかけ、市政について、市のあり方について話しやすい雰囲気のもとグループで討論するという点において、藤沢市と町田市の取り組みは共通しており、こうした取り組みは当市では未経験である。どちらも長時間の拘束や、事前に資料を読んできていただく、ワークショップの進め方の事前研修など、参加者が敬遠しそうな要素を多く含みながら、十分な人数の参加申込があり、事後アンケートでは概ね好評で、途中で苦情を寄せて退席されるケースはほとんどなかったとのことである。意識調査や公聴の手法としてだけでなく、関心をもっていただくきっかけ作りとしても、両市ともその効果を評価しておられる。
 無作為抽出市民に対し、選択式アンケートに留まらない市政への提言の場への参加の呼びかけは、他に公募委員の案内を送付するといった取り組みもあり、討議会やDPなどでハードルが高ければ他の場面で試行することから始めることもあってよい。政策づくりの過程への市民参加というと難しいイメージになるが、まずは公聴の手法と捉えて試行を検討してはどうだろうか。当市も「待ち」から「攻め」の公聴へ幅を広げる時期を迎えている。

【11月14日・15日の視察報告は以上全10回で終わりです】

【視察報告】無作為抽出市民が政策討論に参加する「市民討議会」 その2

2011-11-29 23:44:25 | 政務活動費(政務調査費)
11月15日視察
【その1 に引き続き、政務調査費使用報告として議長に提出したものから転載】

●東京都町田市・公聴課「まちだ市民討議会について」

 市民討議会とは、無作為抽出市民に参加案内を送り、その中の参加意思を表明した市民に参加していただきグループワーク形式でテーマについて話し合っていただき、メンバーを入れ替えながらグループでの話し合いを深め、意見集約をし最終報告として政策提言をしていくものである。町田市では、「市政に声を上げることの少ない市民=サイレントマジョリティを捉えること、まちづくりへの参加のきっかけ作りとして、青年会議所より実施の提案があり、協定書を結んで協働で行っている。
 2007年から毎年開催し、今年で5回継続している。テーマは毎回異なり、実施事務局でテーマ選定している。公聴の手段のひとつであり、まとめて提出された意見は市政への参考とする(=反映を確約するものではない)としている。
 5~6人でひとつのグループになるよう編成し、討議の前にテーマに対し情報提供を市職員が行ったあと、くじびきでメンバーを入れ替えながら3回討議を行った。グループでの話し合いを発表してフロア全体で共有し、次の議論へ進むことで、全体で深めていく手法をとった。
 行政が中心となって進める市民討議会もあるが、青年会議所との協働により、「職員が進行すると市民がものを言いにくい」「職員により実施するにはノウハウ・経験不足」といった部分が効果的に実施されているとのことである。

【その3 では、大府市への提言 について掲載します】

【視察報告】無作為抽出市民が政策討論に参加する「市民討議会」 その1

2011-11-28 23:32:58 | 政務活動費(政務調査費)
11月14日視察
【以下、政務調査費使用報告として議長に提出したものから転載】

●神奈川県藤沢市・経営企画課「討論型世論調査について」

 新総合計画策定にあたり、2回の討論型世論調査を行った。討論型世論調査(DeliberativePolling=DP)とは、「熟議・熟慮の世論調査」と言われ、「母集団に近い攻勢のモデルによる民意の収集」ができると言われる手法で、無作為抽出市民を対象にアンケートと討論を組み合わせて行っていただくものである。藤沢市では2009年に丸一日をかけた「藤沢のこれから、1日討論」と題し地域や行政のあり方の討論を行い、2010年に第2回「藤沢の選択、1日討論」として第1回のあるべき姿に対してどうしていくかをテーマに行った。
 アンケートによる意識調査では、アンケートが進む後半になると、回答選択肢が同じもの(例;どちらでもない に集中する、など)にかたよるようになり、正確な把握にならないと思われることが、DP採用の理由のひとつである。
 討論参加者には事前アンケートのほか、市政情報の資料を事前送付した。あくまでも世論「調査」なので、意識を調査するもの、討論実施前と後で考え方がどう変わったかなどを調査するもの、であり、「提言書」などのように、討論を経て「結論をまとめていく」性質のものではない。こうした手法を用いて、選択式アンケート以上に深めた状態で「市民がいまどう考えているか、何を望んでいるか」を的確に把握し総合計画に反映させるものであった。
 なお、この調査は慶応大学DP研究会(藤沢キャンパス)に委託して設計・運営されており学官の取り組みでもある。

【その2 では町田市の まちだ市民討議会 について掲載します】

【視察報告】住民に公開した外部事業評価の手法と実践 その3

2011-11-27 23:23:11 | 政務活動費(政務調査費)
【その2 に引き続き、政務調査費使用報告として議長に提出したものから転載】

《大府市への反映》
 外部評価をすることのメリットについて、「自己評価は自分たちだけの満足度で、内部だけだと見方が片手落ちになる。素人に何がわかる、との見方もあるが、常識ある市民にいわれていると受け止めるものである。(事業説明テクニックについて言われるが)外部評価を受けて説明しきれれば(その事業は)大丈夫だと考えることができる。」との秦野市職員の言葉が印象に残っている。多方面でよく耳にする外部評価しない理由を、行政職員の言葉でそうではないと否定していただいたように感じた。この考え方を当市でも謙虚に受け止めていただきたい。
 公開で行うことについて「事業の評価が第一目的だが、市政情報を提供しご理解いただく機会であり、市民に関心を持っていただくPRにもなる」とは町田市でお聞きした言葉である。2回の仕分けを経て、説明するために職員自身が業務への理解を深めることや、それを的確に説明する力を磨くことができたとの実感も語られた。ぜひとも当市でも取り組んで、そうした経験をしていただきたいと思う。
 外部評価を行ってからも手法など改善を繰り返している先進市事例を拝見し、まずは外部事業評価の導入を早々に検討するよう、積極的に求めていきたい。そして、公開していく姿勢やそれによる効果についても理解をもとめ、より効果的な形で実現するよう提言してまいりたい。

【このテーマでの報告は今回で終わります】