その2の続きです。
レジュメに自分で書き込んだメモをレポートに起こしたもので、動画・音声などでそのメモの正誤を取ってはいないことをご了解のうえでお目通しください。
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パネルディスカッション「議会改革の処方箋~事務局の効用~」
パネラー;片山善博、三谷哲央(三重県議会議員)、寺田雅一(総務省自治行政局行政課地方議会企画官)、池渕佐知子(吹田市議会議員)、吉村慎一(福岡市職員)、駒林良則(立命館大学教授)の各氏
これまでの会の研究と当日の話題を踏まえ、
①通年議会②政策形成③住民との関係 の3つのテーマでディスカッションがされた。質疑応答も含め要点は以下。
通年議会
一事不再議はどう扱うか=法では定めていないので、各条例で定めるなど、各自できまりを設け運用されたし(寺田氏)
地方議会で文書質問を導入する三重県議会の詳細について=設定のきっかけは少数会派の質問機会の拡充、緊急質問に対応するため。執行部負担もあるので、一人年4回までとした(三谷氏)
執行部負担増では=執行部がいなければ議会が開けないわけではないので、必要に応じて呼べばよい(片山)議会費がかかる部分は、視察を抑える、資料の簡素化などで対応した(三谷氏)議事機関である以上、議員の討議がキモである(吉村氏)
政策形成
吹田市議会は議員36名に対し事務局18名。常任委員会でテーマを決めて勉強会を継続して取り組むなどしている。議員個々の情報ストックを共有することも有効(池淵氏)
会派を政策集団に。政務調査費のあり方を考える(三谷氏)
議会の政策形成とは、調査・討議・実施・評価のサイクル。少ない事務局員体制でこのサポートができるか、難しい。大学との連携も。執行部の法制力もそれほどではない。議会の強みを考え磨くことが大事(吉村氏)
(コーディネーター駒林氏:予算を伴う条例作りは難しく、理念条例しか作れないと言われるがどうか)
作る過程で執行部とも議論をする。作りっぱなしにしないで検証する(三谷氏)
(国会図書館職員から質問:国会図書館でも地方議会図書室を支援すべく考え取り組んでいるが、現実には落差がある。浸透していかない。)
図書館の能力、効能をわかっていない。課題の端緒をつかむ場であり、知的に解決するためのツール。図書室の充実のほかに、議員が事務局調査担当に依頼する、事務局から自治体公立図書館にレファレンスを求める、という公立図書館活用法もある。向上に時間がかかるが、心ある議員が活用して評価されると、これはいい、もっと高めよう、となるのでは。(片山氏)
住民との関係
事務局のミッションとして、市民との架け橋、を掲げた。異論はあるが、自分はやはりそうだと思う。議会の中でチームを作る、自治体を超えた交換を行って。HP更新や中継システムの更新など、実務者としてできることはたくさんある。(吉村氏)
議会自ら議場から出て行くアウトリーチ(池淵氏)
広報・広聴改革が大切。多様な民意が反映される、適切に反映される議会とならねばならない(三谷氏)
一番大事なこと。多様な意見をバランスよく反映すること。できるだけ議論で、広く公開された場で決めること。市民によって議会はあるので、開かれた議会は当然のことで、ぜひ市民が参加する議会へ。事務局に対しては、事務局が住民の意見を聞くということがあって良い。事務局が住民意見を聞き、それを確実に議員に伝えるということも、役割だと考える(片山氏)
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その4に続く。次回でまとめます。