サド湾の奥には塩田が広がっているが、そこの小高い丘には葡萄畑。だが手前には鋭い棘で羊や人を突き刺すウレックスが増え続けている。これは厄介者だ。
私の部屋からサド湾と大西洋が見える。対岸のトロイア半島には古代ローマの遺跡があり、イワシの塩漬けを大掛かりに作っていたプールがいくつも残っている。出来上がったイワシの塩漬けはサド湾を渡ってセトゥーバルに運ばれ、そこから荷車などで各地に運ばれたという。塩漬けに使う塩はサド湾の周りにある塩田で作られた。遠い紀元前の古代ローマ時代からあった塩田は現在も立派に活動している。古代ローマ人は新しい土地を征服するとそこにブドウの苗を植え、ワインを作った。アラビダ山にはモシュカテルというワインがあるが、それは古代ローマ人が持ってきたマスカットの苗から作られた。
ウレックス・エウロパエウス Ulex europaeus
マメ科、ウレックス属、地中海沿岸地域原産の多年草、
学名:Ulex europaeus、
和名:ハリエニシダ(針金雀児)、英名:Gorse、Furze、葡名:Tojo、
2015年11月28日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、
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