毘沙門天
つつがなく夏越祓となりにけり一乗院の毘沙門を見る 丹人 つつがなく なごしはらへとなり...
合歓木
朝ごとに車停めるも今宵見ればいつの間に花咲かす合歓木 丹人 あさごとに くるまとめるも...
仏炎苞
いとし子をそふと抱きて白妙のカラーの歌ふ子守唄かな 丹人 いとしごを そふといだきて ...
梔子
くちなしといふもほのかに口開けて吐息もらすやくちなしの花 丹人 くちなしの花のかほり...
なじみ集 一
子規の書を初めて見たり美しき和様の文字にあるにけるかな 丹人 しきのしょを はじめてみ...
なじみ集 二
「しにゝ行くためにめしくふこじき哉」子規賛へたり寒山拾得 丹人 しにゝいく ためにめし...
志野湯呑
耀よへる志野の湯呑の白釉にほのかに浮かぶ赤みなりけり 丹人 かがよへる しののゆのみの...
七昼
ビルの間に等辺三角あらはれて雲立ちのぼる七昼の空 丹人 びるのまに とうへんさんかく ...
海豹
海開く浜一斉にごみ拾ふ朝にも沖に群れる海豹 丹人 うみひらく はまいっせいに ごみひろ...
黒釉彩一輪差
土に近き彩なれば一輪の花の茎より根を出だすやも 丹人 つちにちかき いろどりなれば い...