スウェーデン出身の大物女優イングリッド・バーグマンを起用したことでかなり興行を狙った作品なのかもしれない。今まで割りと2枚目役で登場することの多かったリブ・ウルマンが、丸眼鏡をかけた内向的なジミータ娘を好演している。(ヨンさまは登場しないので念のため)
家族よりもピアニストとしてのキャリアを選んだ母親シャルロッテ(イングリッド・バーグマン)。退行性脳性麻痺を患っている妹ヘレナに会わせるべく、エヴァ(リヴ・ウルマン)はシャルロッテを家に招くことにした。
この映画で紹介される親子の関係は、最初からものの見事に破綻している。エヴァが母親を家に招いた理由も、過去の罪に良心の呵責を覚えさせるためであり、エヴァにさんざんなじられたあげく逃げ出すように帰っていったシャルロッテも、「あんな娘(ヘレナ)死んじゃえばいいのに」という残酷な言葉をふと漏らしたりする。
母と娘の人生はどこまでいってもパラレル状態であり、けっして交わることも和解することもない。重々しいショパンの調べが、湖に映る鉛色の空のようにすっきりしない両者の関係を、より不安定にしているようだ。
監督 イングマール・ベルイマン(1978年))
〔オススメ度 〕
家族よりもピアニストとしてのキャリアを選んだ母親シャルロッテ(イングリッド・バーグマン)。退行性脳性麻痺を患っている妹ヘレナに会わせるべく、エヴァ(リヴ・ウルマン)はシャルロッテを家に招くことにした。
この映画で紹介される親子の関係は、最初からものの見事に破綻している。エヴァが母親を家に招いた理由も、過去の罪に良心の呵責を覚えさせるためであり、エヴァにさんざんなじられたあげく逃げ出すように帰っていったシャルロッテも、「あんな娘(ヘレナ)死んじゃえばいいのに」という残酷な言葉をふと漏らしたりする。
母と娘の人生はどこまでいってもパラレル状態であり、けっして交わることも和解することもない。重々しいショパンの調べが、湖に映る鉛色の空のようにすっきりしない両者の関係を、より不安定にしているようだ。
監督 イングマール・ベルイマン(1978年))
〔オススメ度 〕