『商人と錬金術士の門』(テッド・チャン)
『あなたの人生の物語』アラビアン・ナイト版。たとえ決定論的未来が待っていたとしても、やはり人生に意味はあるのだ。
『限りなき夏』(プリースト)
♪時がいつか二人をまた 初めてあったあの日のように導くのなら♪何も言えなくて…夏。好きですこういうの、昭和生まれですから。
『彼らの生涯の最愛の時』(イアン・ワトソン+1)
ベンジャミン・バトン風童貞喪失物語。肌が合いすぎる二人の仲を邪魔するのは、なぜかトイレに入ろうとするスーパービッグマックたち?。
『去りにし日の光』(ボブ・ショウ)
光が通過する速度が異常に遅い“スローガラス”が映し出したものは、望まない子供を宿した夫婦の未来像だったのかもしれない。
『時の鳥』(エフィンジャー)
古代アレクサンドリアは、現代人が思っているほどロマンチックな場所ではなかった。『ミッドナイト・イン・パリ』的オチだなこりゃ。
『世界の終わりを見に行ったとき』(シルヴァーバーグ)
巷にあふれるウィルス、しょっちゅう暗殺される大統領。わざわざ終末ツアーに参加するよりも、見方によってはこの世の方がよっぽど終末的。
『昨日は月曜だった』(スタージェス)
家のじいちゃん(故)が書いたようなSF。イーガンを読んだ後だと隔世の感を禁じ得ない。作品そのものがセルフ・タイムスリップしてしまっている。
『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』(バズディ)
人生のあるスパンをランダムにトリップするカップル。お互い男女遍歴は複数あれど、(臨終を経験しているだけに)誰が一番かがわかってたんだね、きっと。
ここがウィネトカなら、きみはジュディ
大森望 編(ハヤカワ文庫SF)
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