ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

かぞくのひけつ

2009年07月03日 | ネタバレなし批評篇
大阪・十三にあるミニシアター・第七芸術劇場(通称ななげい)復興の記念映画として撮られたのが本作品。監督は、島田紳介が師とあがめる関西カリスマ芸人・上岡龍太郎の息子さん(小林聖太郎)が初メガホンをにぎっている。キャストもすべて大阪出身の俳優や芸人で固めるという、徹底的に“大阪”にこだわった1本だ。

十三の地元高校に通う賢治(久野雅弘)には典子(谷村美月)という彼女がいて、両親の宏治(桂雀々)と京子(秋野陽子)は夫婦で不動産屋を営んでいる。典子はある日賢治をラブホテルに誘うが、賢治は典子を残してホテルから出てきてしまう。女癖の悪い宏治にはゆかり(ちすん)という愛人がいて、夫の浮気にうすうす感づいている京子は、息子を使って尾行調査をさせたりしているのだが・・・。

「男と女はどうして一緒になろうとするんやろ」切っても切れない男女の関係を大阪特有の明るいノリで描いてみせたこの映画は、むしろ“男女関係のひけつ”とタイトルした方がふさわしい内容。しかし、浮気を繰り返す宏治に京子やゆかりがキレまくったり、ボーイフレンドのふがいなさに典子が逆上したりするシーンだけで、その“秘訣”を描けたと思うのは大間違いであり、「男女の中というのんは、なんやわからんけど複雑なモンがあるんやろな」と主人公がなんとなく気づくまでを追ったにすぎない。

正体不明の薬屋(テント)が賢治に処方する“秘薬”がまさにその“秘訣”だったのかもしれないが、単なる“ち○ち○に効く薬“というシモい設定が、この映画が大阪・十三というエリア限定の小作品にとどまってしまった一因であろう。

かぞくのひけつ
監督 小林 聖太郎(2007年)
〔オススメ度 

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