ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

トランスフォーマー リベンジ

2009年06月22日 | 映画館で見たばっかり篇
今年劇場で見た映画の中では最悪のデキ。リーマン・ショックでアメリカ人もちっとは反省しているだろうと思った自分が甘かった。米軍の全面協力を得て作られた本作品は、軍事オタクをもうならせる最新兵器をこれでもかと登場させて、(最近選挙でもめている)イランにでも売り込むつもりなのだろうか。スクリーンの中で最新VFXを駆使して作り上げたロボットたちと一緒になって全面戦争を繰り広げる始末。

映画冒頭、一般市民を避難させるというらしくない配慮をみせたマイケル・ベイだが、次のカットではあろうことか高速道路に逃げ込んだ敵を、上海市民の運転する車もろとも激破する乱暴ぶり。世界遺産もなんのその、監督の単なる思い付きでロケ地に選ばれたエジプトのピラミッドをこともあろうにミサイル攻撃。このロボット戦争でいったい何人の市民がまきぞえをくったのだろう。娯楽のためなら多少の犠牲には目をつぶってしまえというマイケル・ベイの大雑把すぎる感性にはもうついていけないのである。

シースルー仕様のロボットたちがとっくみ合いをはじめるとメカとメカが混ざりあって、どっちが敵か味方かわかりづらかったという前作の反省を踏まえて、スローモーションと引きの映像を多用してわかりやすくした点。そして、前作に引き続き主人公サム(シャイア・ラブーフ)の彼女役をつとめたミーガン・フォックスとサムにつきまとう謎の女子大生の登場によりエロさがかなりアップしている点だけは評価できる。

しかし、ダヴィンチ・コードやマトリックス、(マイケル・べイ監督の)パール・ハーバー等でも見たことのあるようなパクリCGシーンや、ご都合主義もいいかげんにしろといいたいはちゃめちゃなストーリー、映画館で誰一人として笑う人がいなかったすべりっぱなしのギャグの数々・・・。せっかく金をかけたVFX効果を見事に打ち消すダメダメぶりに150分間欠伸をかみ殺すのがやっとであった。

おいしいとこだけをテンコ盛にしたようなこの映画が、もしもアメリカや日本でヒットするようなことがあったとしたら、一般観客の味覚音痴が相当なところまで進んでいるという証拠であり、こうやって映画に関するレビューを書いていること自体まったくの無駄な努力のような気がしてくるのだ。

トランスフォーマー リベンジ
監督 マイケル・ベイ(2009年)
〔オススメ度 

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