大阪の小学校でブタの飼育を生徒にさせた実話が元になっているという。自分たちで育てたブタを「食べる」ことによって生命の尊さを学ばせようとする新任の星先生と6年2組の生徒達。いよいよ卒業式が真近にせまり、巨大化したブタのPちゃんを食うか、それとも下級生に飼育を委ねるかで、生徒たちの意見が真っ二つに割れてしまうのだが・・・。
グリーンピースなどの動物保護団体的見方をするならば、「ペットとして飼っていた動物を食べるなんてとんでもない」という話に当然なるのだが、この映画の中には、人間の業の深さを認識した立派な小学生がちゃんと登場するから驚きである。「殺すことと食べることは違う。食べることは命を引き継ぐということなんだ」こんな大人顔負けの生徒の言葉を、40過ぎてもまだガキのようなザレゴトしか言えないバカな大人たちに是非聞かせたいものである。
この映画の良いところは、どちらが正しいかという結論を示さずに、(生徒と同様に)観客に考えさせるという方法論をとっている点にある。Pちゃんと子供が仲良く遊んでいるシーンや、意見が対立し思わず涙ぐんでしまう子供たちの素の瞬間がドキュメンタリー風に撮られており、やらせ臭があまり漂ってこない演出が非常に良く効いているのだ。
但し、Pちゃんの処分をめぐって子供たちが意見を戦わす時間が映画の大半をしめており、見ている側としては少々ダレてくるのも事実。制服を脱ごうとしない仲間はずれの転校生のお話の他にも、映画らしいエピソードを2、3付け加えていたならば、この作品さらに優れた1本に仕上がっていたことだろう。
ブタがいた教室
監督 前田 哲(2008年)
〔オススメ度 〕
グリーンピースなどの動物保護団体的見方をするならば、「ペットとして飼っていた動物を食べるなんてとんでもない」という話に当然なるのだが、この映画の中には、人間の業の深さを認識した立派な小学生がちゃんと登場するから驚きである。「殺すことと食べることは違う。食べることは命を引き継ぐということなんだ」こんな大人顔負けの生徒の言葉を、40過ぎてもまだガキのようなザレゴトしか言えないバカな大人たちに是非聞かせたいものである。
この映画の良いところは、どちらが正しいかという結論を示さずに、(生徒と同様に)観客に考えさせるという方法論をとっている点にある。Pちゃんと子供が仲良く遊んでいるシーンや、意見が対立し思わず涙ぐんでしまう子供たちの素の瞬間がドキュメンタリー風に撮られており、やらせ臭があまり漂ってこない演出が非常に良く効いているのだ。
但し、Pちゃんの処分をめぐって子供たちが意見を戦わす時間が映画の大半をしめており、見ている側としては少々ダレてくるのも事実。制服を脱ごうとしない仲間はずれの転校生のお話の他にも、映画らしいエピソードを2、3付け加えていたならば、この作品さらに優れた1本に仕上がっていたことだろう。
ブタがいた教室
監督 前田 哲(2008年)
〔オススメ度 〕