同じ大学の映画学科卒業生6人が共同で監督&脚本に関わったという異例づくめのタイ版初恋物語。小学生の頃気になる女の子に、気持ちとは裏腹のイタズラをしたことのある男子ならば間違いなく童心に帰れるこの映画の魅力は、なんといっても子役たちの自然な演技にあるのだろう。邦画の場合、日本のおっかない監督が子役たちに型にはまった演技を要求するせいか、この映画に出てくる子供たちのようなみずみずしい表情に出会うことは滅多にない。
年寄りが子供時代を懐古しながら撮った文芸作品とはちがって、自分たちの懐かしい子供時代をあまり時間がたっていないうちに再現した作品のせいか、子供たちが輪ゴムやゴム飛びに興じるシーンになんともいえないリアリティを思わず感じてしまうのだ。遊びの延長といっては語弊があるのかもしれないが、若い6人の監督が自らの甘酸っぱい少年時代をダイレクトに重ねた本作品は、その鮮度の良さが売りなのである。
お互いをライバル視する床屋の子供ジアップとノイナー。ジャイアンのような悪がき大将ジャックたちと本当は男遊びをしたいジアップなのだが、遊び相手はいつも隣の床屋のかわいい娘ノイナー。サッカーの巧さを買われて男組に入ることを許されたジアップは、悪がきたちにあるテストを課されるのだが・・・。異性を意識しはじめるこの時期、本当は好きな女の子に見せる男の子の反対行動。その時のなんともせつない気持ちが、タイのナツメロ歌謡曲にのって、我々日本人の心にも響いてくるから不思議なのである。
『冬冬の夏休み』などでも感じたことだが、アジアにおける子供たちの遊びや習慣の中には、どこかしら共通の血が流れているような気がするのだ。主人公の少年が着ていたドラえもんのTシャツなどから察するに、ジャパニメーションがタイの子供たちにも少なからず影響を与えているのは間違いないが、それを抜きにした素朴な遊びの中にも、西洋文化とは異なる独特の同じ臭いを感じてしまうのはなぜだろう。
フェーンチャン~ぼくの恋人
監督 365フィルム・プロダクションズ
〔オススメ度 〕
年寄りが子供時代を懐古しながら撮った文芸作品とはちがって、自分たちの懐かしい子供時代をあまり時間がたっていないうちに再現した作品のせいか、子供たちが輪ゴムやゴム飛びに興じるシーンになんともいえないリアリティを思わず感じてしまうのだ。遊びの延長といっては語弊があるのかもしれないが、若い6人の監督が自らの甘酸っぱい少年時代をダイレクトに重ねた本作品は、その鮮度の良さが売りなのである。
お互いをライバル視する床屋の子供ジアップとノイナー。ジャイアンのような悪がき大将ジャックたちと本当は男遊びをしたいジアップなのだが、遊び相手はいつも隣の床屋のかわいい娘ノイナー。サッカーの巧さを買われて男組に入ることを許されたジアップは、悪がきたちにあるテストを課されるのだが・・・。異性を意識しはじめるこの時期、本当は好きな女の子に見せる男の子の反対行動。その時のなんともせつない気持ちが、タイのナツメロ歌謡曲にのって、我々日本人の心にも響いてくるから不思議なのである。
『冬冬の夏休み』などでも感じたことだが、アジアにおける子供たちの遊びや習慣の中には、どこかしら共通の血が流れているような気がするのだ。主人公の少年が着ていたドラえもんのTシャツなどから察するに、ジャパニメーションがタイの子供たちにも少なからず影響を与えているのは間違いないが、それを抜きにした素朴な遊びの中にも、西洋文化とは異なる独特の同じ臭いを感じてしまうのはなぜだろう。
フェーンチャン~ぼくの恋人
監督 365フィルム・プロダクションズ
〔オススメ度 〕