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週2回、公文へジョーくんを連れて行く。
教室の前のほんの小さなスペースで、
待ちながら読書できるのが、
週2回の楽しみでもある。
読書しながら、時々、教室をのぞく。
毎回、必ず一人は
「嫌だ」とか「わからない。。」「終わらない。。」と、
机に突っ伏している子どもがいる。
あるいは、何もせずに無表情で固まっている子。
先週は、そこへお母さんが一人、突撃するようにやってきて
自分の子どもを呼び出した。
「あなた、『宿題やった』ってウソついて!
車に隠してあるの、見つけたんだからね!
絶対バレるんだから!
先生には、宿題やったけど持ってくるの忘れたって
ウソついたんでしょ!すぐバレるんだからね!」
お母さんは怒っていた。
子どもは、もじもじしていた。
「そんなウソつくんだったら、もうやめる?!やめよっか!?
もう、やめよ!今すぐ先生にやめるって言うわ!」
お母さんは、本当に、もうやめる、の勢いだった。
子どもが「うん。。」と、やめることに同意するのをみて、
お母さんはさらに怒った。
そして、
「もう!!戻って今日の分と、宿題今からやりますって、先生に言ってきなさい!!」と
子どもを教室に押し戻した。
お母さん、公文やめさせるつもり
なかったんだ。
「今すぐやめる」と言うウソは、すぐにバレて
「公文をやめる」と言う脅しは、子どもにとって、恐怖ではないのだった。
今週も、小学生の男の子がひとり
泣きながら教室から飛び出して、
「ぜんぜんわかんない!」と叫びながら
階段に鉛筆を投げつけた。
鉛筆が、階段を下に転がり落ちる音は、キラン・カラン・コロン♪
男の子が、苦しさを心の外へ撒き散らしたい音にしては
軽やかすぎた。
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