タツノコメモ

手作りカバンとお人形の制作者メモ◎

人間をだますために言う、事実とは異なる言葉

2021-10-09 20:41:29 | 日記


週2回、公文へジョーくんを連れて行く。
教室の前のほんの小さなスペースで、
待ちながら読書できるのが、
週2回の楽しみでもある。

読書しながら、時々、教室をのぞく。
毎回、必ず一人は
「嫌だ」とか「わからない。。」「終わらない。。」と、
机に突っ伏している子どもがいる。
あるいは、何もせずに無表情で固まっている子。

先週は、そこへお母さんが一人、突撃するようにやってきて
自分の子どもを呼び出した。

「あなた、『宿題やった』ってウソついて!
 車に隠してあるの、見つけたんだからね!
 絶対バレるんだから!
 先生には、宿題やったけど持ってくるの忘れたって
 ウソついたんでしょ!すぐバレるんだからね!」

お母さんは怒っていた。
子どもは、もじもじしていた。

「そんなウソつくんだったら、もうやめる?!やめよっか!?
 もう、やめよ!今すぐ先生にやめるって言うわ!」

お母さんは、本当に、もうやめる、の勢いだった。
子どもが「うん。。」と、やめることに同意するのをみて、
お母さんはさらに怒った。
そして、
「もう!!戻って今日の分と、宿題今からやりますって、先生に言ってきなさい!!」と
子どもを教室に押し戻した。

お母さん、公文やめさせるつもり
なかったんだ。

「今すぐやめる」と言うウソは、すぐにバレて
「公文をやめる」と言う脅しは、子どもにとって、恐怖ではないのだった。

今週も、小学生の男の子がひとり
泣きながら教室から飛び出して、
「ぜんぜんわかんない!」と叫びながら
階段に鉛筆を投げつけた。

鉛筆が、階段を下に転がり落ちる音は、キラン・カラン・コロン♪
男の子が、苦しさを心の外へ撒き散らしたい音にしては
軽やかすぎた。