絵描きは絵を描き
求められる人々に描いた絵を手渡すことに使命があると私は確信しています。
そんな絵を観て過ごすことで
審美眼がある人々はお金など無くても幸せになります。
過去の歴史でも日本では青山二郎、
ロシアではシチューキン等の審美眼を持つ人々の生き方がそれを証明しています。
今日は、その中でシチューキンをご紹介します。
マティスやピカソは20世紀の芸術の流れを変えた画家だと言われてますが
ロシアの大実業家の審美眼が20世紀の芸術を導いた言っても過言でない絵画収集家がいます。
その名はシチューキン。
一般で多くは知られていない名です。
彼は、当時まだ無名だった画家
マチス・ピカソの絵を一早く見抜き殆ど値段のついてない二人の絵を買って行きました。
そんな彼を画商達は
彼が来る度に、陰では馬鹿にして嘲笑していたと云われています。
現在、彼の収集作品はエルミタージュ美術館とプーシキン美術館に所蔵されています。
そして
ロシア革命が起こり
財産も美術品も全て奪われたシチューキンは、パリに亡命後
貧しい中でも苦労しながら、無名だったディフィの作品を手に入れています。
地位や財産は失いましたが、
審美眼は失われる事無く、絵に囲まれて心が満たされながら
晩年も幸せに過ごしたと云われています。
私は現在
台湾・イタリアの個展をはじめ、日本各地の個展活動を行っています。
今までの個展活動の中で、台湾やイタリアも思い出深いですが
日本では特に、紀伊国屋書店(岡山店・広島店・高松店・加古川店)の思い出や人々との出会いは
忘れてはならないものが多々あります。
また、ここでの絵のご注文や絵が売れた数の多さには驚かされることも度々でした。
おそらく、売却された絵やご注文枚数は100枚を超え、
数えきれないほどなのです。
ブログ写真の絵もその一枚。
ご注文の内容の殆どは
『大切な人』であったり『可愛がっている犬や猫』であったり
『思い出の一シーン』を
絵で残して一生の思い出として部屋に飾りたい…。
等でした。
中には男の子が母親に教えていることもありました。
「今の僕はここにしかいないよ!大きくなったらここにいる僕と違うよ。
だからここにしかいない僕を、世界で一枚しかない大切な絵にして残そうよ!」
小学生の幼い子供でしたが
流石にこの言葉には驚かされました。
一枚の写真では表現しきれないものが『絵』にはあります。
描かれる側(風景や静物も含みます)の心と
画家の心の眼が一つになる時一枚の絵は完成します。
絵画は全ての人々に『心を癒し』『心を育み』『心を豊か』にします!
これは、絵を描く人々だけでなく
描かれる人々や絵を鑑賞する人々も同じだと私は思います。
むしろ鑑賞する側に『審美眼』があれば、
絵を描かなくても深く、広く、満たされると確信しています。
絵画は人々を幸せにします!
私は痛感し、揺るぎなくこの言葉を皆様にお伝えできます。