昨日、仕事の関係で図書館に行ってきました。
その中で様々な本の中から
素敵な本を見つけました。
その文章を抜粋して
今日は書き込みたいと思います。
下記をご覧下さい。
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日本が鎖国という長い眠りから覚めた幕末
多くの外国人が極東の未知の小さな島国にやってきた。
そこで彼らを待ち受けていたのは
母国とはまったく違った文化と風景
人びとの暮らしだった。
書簡に、手紙に、スケッチ画に貧欲に記された事実。
そこには驚愕と共に
大いなる賛美と感動があふれていたのだ。
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善良 洗練 親切 和やか…
絶賛された日本
外国人が目にした日本人は貧しいながら生き生きと暮らし
家族が子どもを可愛がり
庶民は大らかに笑っていた。
緑と美しい花々
手入れされた畑のある風景は彼らを魅了した。
軍人から旅行家、学者まであらゆる外国人が
賛美した美しい国の魅力を今一度、ひも解いてみよう。
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嘉永6年にペリー率いる黒船が来航し
長い鎖国時代が終わりを告げると同時に
欧米諸国は次々に日本と国交を求めて詰めかけてきた。
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米、英、露、蘭、仏との貿易を許可すると
諸国の外国人がどっと来日するようになった。
そうした人びとは江戸にもやってきたわけだが、
その誰もが驚愕したのが
壮大な武家屋敷が連なる町並みと
庶民の活気あふれる暮らしぶりだった。
「タイクン(大君。将軍のこと)の居城」である江戸城と
富士を望む大パノラマの下に広がる江戸の町。
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「素晴らしい評判を山ほど聞いていたので、
私は江戸に行きたくてうずうずしていた」
と記録に残しているのは
幕末期の慶応元年に来日したハインリッヒ・シュリーマンだ。
彼は後にトロイ遺跡を発掘した有名なドイツ人考古学者で、
諸外国を旅している実業家でもあった。
当時の欧米人たちに評判の日本。
その象徴こそ江戸・日本橋とその活気だったのだ。
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日本人が当たり前に持っていた
慈愛の精神
動物も社会の共存者という
動物への愛情
日本を訪れた外国人が往来で
驚いたのが犬の存在だ。
ドイツ人のシュリーマンは旅してきた諸国で
粗暴な野犬に吠えたてられ
追いかけまわされた体験があったが
「日本の犬はとてもおとなしくて。
吠えもせず道の真ん中に寝そべっている。
われわれが近づいても、
相変わらずそのままでいるので、
犬を踏みつぶさないように
いつもよけて通らなければならない」
とその違いに驚いた。
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「18世紀、19世紀の庶民に
生まれるならば
私は日本に生まれたかった」と
記したのはアメリカ人の社会学者
スーザン・ハンレーだ。
科学技術や物質的な
豊かさは劣っていても、
当時の日本には人間性豊かな
庶民が生き生きと
暮らしていたのだ。
…… 『江戸明治 遠き日の面影』より ……
<参考資料>『江戸明治 遠き日の面影』
発行所:(株)双葉社
発行人:赤坂了生