佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

新潟大学医学部合唱団第71回定期演奏会

2006年12月05日 22時00分14秒 | 合唱

 

 12月2日(土)、

歴史ある合唱団の演奏会。

今年新潟ユースでお世話になった人もいて、

行って来ました。だいしホールにて、18:00開演。

 

 このホールでの定演は初めてではと記憶するが、

人数的にはギリギリの感じ。

オープニングの曲の途中に到着。

第1ステージは永澤亀氏指揮、

ブラームス「五つの歌」。

慣れないドイツ語をよくがんばっていたし、

何より男声の響きが充実していたのが、

この作品にとっては良かったと思う。

 

 男声合唱ステージは

「鐘鳴りぬ」(多田武彦)、「ジョギングの唄」(新実徳英)

「つばき・やぶかんぞう・あさがお」(新実徳英)、

「ヒスイ」(信長貴富)。

非常に健闘していたと思う。このホールは響くので、

男声たちに取っては良かったのでは。

時折ピッチの乱れやテンポの設定が気になったが、

全体として良かった。

 

 休憩時は、有志によるアンサンブルステージ。

有志が多すぎて、一ステージ分以上になっていたのは

ちょっと気になったが(笑)。

 

 休憩後は女声合唱ステージ。

「わたしは風」(木下牧子)より。

女声のヴォイトレをもっと、、、と思うことがある医学部だが、

ホールがよく鳴っていたし、良かった。

弱音でただ小さくなるのではなく、同じように鳴るともっと良いと思う。

 

 最後は「ティオの夜の旅」(木下牧子)。

久しぶりに聴いたが、良い曲ですね。

木下作品は男声の厚さを要求するので、

このホールと医学部合唱団には合っていたと思う。

 

 全体として、ここ数年聴いた中では、

非常に出来の良い演奏会だった気が。

ホールの助けもプラスに働いた。

ヴォイトレとかを継続的にすると、

ピッチとかももっと安定すると思う。

 

 勿体ないのは、舞台裏の進行。

曲中で入場しないように徹底しないと、

サイズが小さくよく響くだいしホールでは目立ってしまう。

ドアマンをつけたり、後ろに折りたたみのイスを置いたり、

工夫して欲しいかなと思う。

物音とかも含めて、聴衆の意識も育てて欲しいです。

 

 でも、全体としてはとても楽しめました。

皆さんおつかれさまでした。

 


KURITAカンパニー旗揚げ公演「リア王」

2006年12月05日 21時57分07秒 | アート・文化

 

 12月1~3日の公演。

今新潟から演劇を発信している栗田芳宏が

新たにカンパニーを旗揚げ。その公演に

シェークスピアの「リア王」を選び、本人が演出とともに主演。

他、若手役者を中心としたこのカンパニー。

その中に遠い後輩たちがいたこともあり、行くことに。

1日の初演に立ち会うことができた。

会場はりゅーとぴあスタジオB。

 

 演出や演技に対して何か物申せるほど

演劇を見ていないので、初心者としての感想になりますが、

率直に、非常に感動しました。

心震える、いや、心奮えるというほうが正しいでしょう。

新潟には、新潟から色々なものを発信しようとする人がたくさんいる。

演劇然り、舞踊然り、お笑い然り。

自分たちにも何か出来るんじゃ、そう思いながら見ていました。

 

 実を言うと、チケット高いなと思っていたんですね。

3500円か、、、と。あと、演技が始まってから、

昨年か一昨年だったかここの劇場で見た

「ロミオとジュリエット」を思い出したんですね。

独特の長ぜりふが、どうもしっくりこなかった印象を。

しかし、それはすぐに消えました。

役者の皆さんが、自分に与えられた役の、

その人間臭さや深さ、闇、そして光を、

役と正面から向き合って演じていたのがよく分かりました。

 

 どの人も良かったですが、

特に、エドガーとエドマンドの対比ですね。

これは非常に的確な配役だった気がします。

というか、彼らが、役をしっかり演じたから

そう感じたのだと思いますが。

 

 そして音楽も良かったです。秀逸でした。

こういう音楽の使い方、いいですね。

能楽堂でのシェークスピアも観てみたくなりました。

 

 それにしても、シェークスピアはすごいですね。

言葉は悪いですが、麻薬のようなもので、

取り憑かれてしまうような魅力がある。

ヴェルディがシェークスピアを題材にして

オペラを書いているのが分かる気がします。

人間の闇というか、業の深さというか、

そういうものを表現するためにバリトンを重用したことも。

 

 次回公演は来年の7月。

皆さん、ぜひ一度見てください。