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ひとり ときどき ふたり旅 さんぽ

千葉県 銚子 日帰りの旅 まぐろの星 って?

 

180湯以上は、巡ったでしょうか
源泉かけ流しの温泉にひかれて
湯治場や共同湯でゆったり
湯まちで出会った人とのお話しに心癒され
新緑や紅葉の中で露天に浸かる至福のひととき
風情ある内湯 ツルツル湯だったり、ぬるぬる湯だったり、しょっぱかったり

東京から近くて、地場の美味しいものが豊富で、心温まる風情が味わえて、さらに大自然にも触れられる「千葉 銚子」。

26年来の湯遊人に「しおり」を送り、巡ります。

 

銚子といえば、お魚天国!   ちょっと早起きして東京駅から旅立ちます。

事前に、「えきねっとトクだ値切符」をネットから買います。
通常は、山手線内~銚子の往復券は8256円しますが、 40%引きの4940円で購入出来ます。 なんと3300円近くお得です。

 

《 知っとくと得しますよ「トクだ値切符」  対象列車は   》

東北・山形・秋田・上越・北陸の5つの新幹線

常磐線 ひたち・ときわ

中央線 スーパーあずさ・あずさ・かいじ

外房線 わかしお・新宿わかしお

内房線 新宿さざなみ

総武本線 しおさい・JR、東武直通特急・日光・きぬがわ・スペーシアきぬがわ

お得なお得なきっぷです。

上記の区間に行かれる時は、ネットでご確認を

 

待ち合わせは、東京駅中央コンコースにある170種類の駅弁が揃う「駅弁屋 祭」です。

カニにしようか、お肉にしようか、迷っていると湯遊人がきました。

湯遊び人も蟹か牡蠣で迷っています。

 

 

お弁当も買って、東京駅地下の総武本線2番ホームに降ります。

 

 

東京駅始発の「房総特急列車しおさい1号」が入線して来ました。

 

 

7時37分に出発です。

東京と本州最東端で漁港と醤油の街、銚子間を運転します。

 

 

楽しみな駅弁は、2015年3月14日開通した「上野東京ライン開業記念弁当」。

茨城の豊かな大地が育んだ農産物などを使用したこだわりのお弁当です。

 

 

特急らしくない特急です、大都市近郊の路線過密地帯を走るのでゆっくり走ること。

120キロ区間を2時間かけて走ります。

9時34分着、そろそろ銚子駅に到着です。

 

「銚子」の地名の由来は、坂東太郎の愛称でも知られる利根川の河口が、お酒を注ぐ銚子口に似ていることに由来すると言われています。

 

 

駅に着いたら大きな醤油だるが迎えてくれます。

なぜ銚子は、醤油の街なのか?

銚子の沖は、太平洋の暖流と寒流が合流するため

高い品質の醤油を醸造するのに理想的な気候を作り出しているんだと。

 

夏は涼しく冬は暖かくて、湿度が高いという気候風土もあるんだと。

この環境があるため、こうじ菌などの微生物の発達が促され醤油が栄えたんだと。

利根川や江戸川によって江戸と結びつく水運にも恵まれていたので反映したんだとさ。

 

 

銚子鉄道の乗り継ぎまで1時間あるので、駅うらの「妙見宮 妙福寺」に「のこり藤」を見にぶらぶらします。

 

※電車の中に貼られていた、素朴な駅舎の水彩画をパチリ。

 

高架橋を渡って5分、藤の名所に着きました。

色も薄くなっていますが立派な「臥龍の藤」です。

京都御所内に植えられていた藤を、船便で銚子へ運び移植されたそうです。

 

種類は「野田藤」と呼ばれ、750有余年の枯木です。

長さ五尺余(151センチ)の見事な「藤の花すだれ」を見せてくれます。

根本が、龍の寝ている姿に似ているところから「臥龍の藤」と呼ばれています。

 

 

境内で手を合わせているとお寺の方が、花まつり「甘茶」を勧めてくれます。

砂糖も入っていない小甘茶そのものの甘みを感じます。

 

そもそも甘茶のいわれは
『お釈迦様が、今から約3000年昔 旧暦4月8日(本年は5月25日)に、インドでお生まれになったそうな。ルンビニーと云う花園で誕生なされ、天上の龍が甘い雨を降らせてお祝いをしたんだと。

それで、お釈迦様に甘茶をかけてお祝いするんだと。』

あらためて賽銭箱の上に置かれた、お釈迦様に甘茶をかけてお祝いします。

 

 

藤の向こうには、滝行が行われるのでしようか。

「龍神瀧」が見えます。

 

 

そろそろ出発の時間です、JR銚子駅に戻る途中に「ヤマサ醤油工場見学センター」を見つけます。時間があれば寄りましょうか。

銚子鉄道に乗るには、JR銚子駅の改札で銚電に乗車する事を伝え、JR内の銚電ホームに降ります。

切符は、車掌さんから買い求めます。

あれれれ、銚子駅舎もくたびれましたね。

創業当時は、オランダの風車をモチーフにしたモダンな銚子駅舎でしたが、年季が入りすぎましたね。 

風車はどこにいったんでしょう !

 

 

車掌さんから、1日乗り降り自由な「弧廻手形1日券620円」を買って乗り込みます。 

「弧廻」とは、線路が銚子半島を半円の弧を描くように走るため名付けられたそうです。

 

1日券の中には、「ぬれ煎餅の1枚交換券」「地球の丸く見える丘展望館」「銚子ポートタワー展望室」の1割割引券が付属しています。

 

 

経営危機などの問題もありましたが、廃線危機は回避され、関東最南端の地をカタコトのんびりゆっくり走ります。

途中下車すれば、あったかい人情にも旬の美味にも出会えそうな予感がします。


みどりのトンネル、黄緑のキャベツ畑、トコトコ揺られて10駅、わずか20分で終点外川駅です。

 

今からは紫陽花のトンネルが綺麗でしょうね。(写真引用)

 

線路の終わりには、あの銚子電鉄カラーの電車が見えてきました。

外川駅には、これぞ「銚子電鉄標準塗色のデハ801」が、保存されています。

遠目に見てもサビが目立ち可哀想なくらいです。

 

 

この港町の終着駅は、大正12年に建てられた風情のある木造駅舎です。

 

 

ロケ地として登場することもあり、時が止まったような昭和ロマンたっぷりの駅舎です。

長い年月をかけて深まる木造建築に赤いポスト、レトロな銚子電鉄の車両、銚子の青い空、映画のセットのような風景がここにあります。

 

 

鉄パイプの「改札口」も懐かしいですね~  

見惚れてしまいます。

 

 

あらあれ 「出札口」も風情があります。

 

 

駅構内だけを見て帰ってしまってはもったいないので、犬若海岸の「犬若食堂」を探してみます。

テレビでも取り上げられた「綺麗じゃない食堂」、しかし料理は絶品らしいのです。訪ねてみます。


駅舎から一歩外へでると正面に続く長い坂道の下に、青い海がキラキラと輝いて見えます。

 

 

駅舎入口には、NHK朝の連続ドラマ小説「澪つくし」のロケ地として登場したことを伝える看板があります。

出演していたのは、確か沢口靖子さんに川野太郎さん、チョイ役に明石家さんまさんだったか。


 

 

駅を出てすぐのところにある、 私設の「外川ミニ郷土資料館」に入ってみます。

御主人から外川の歴史を聞き、本来の仕事である漁師の話しもしてくれます。

 

 

4代目のお話しを伺い、うらの「水産加工 島長」も見せてもらいます。

50センチもあろうヒラメが何匹もカゴに入っています。

 

こちらのヒラメは、築地市場に卸されます。

大きなまな板の上では、浅黒くシワの深い老人が、一匹一匹包丁で 〆ています。

 

 

資料館の冷蔵庫の中に売られていた、「いわしの佃煮」を求めました。

「活魚問屋〆印 島長水産」の販売とあって、お土産屋で売っているものとは大違い、身も厚く量も多く何より味付けのいいこと、ご飯のお供につれあいも大喜びです。

 

 

港へ通じる坂道を降りていきます。

人は見かけません、道端には猫が寝ころび、ゆるい時間が流れています。

8つの趣のある坂があり、港町特有の磯の香りがしてきます。

 

 

旅に出た時ぐらい、非日常の行動が楽しいのですね。

いつもと同じサイクルの生活をおくるのなら、旅は面白くありません。

旅先が海ならその地の物を食し、地の土産を買い、帰ってからも楽しむ。

そんな “いい加減“な旅をしなくっちゃ。

 

何度も訪れたくなる所は、ほんとに気に入った場所なのですね。

でもやっぱり、初めての場所がワクワク ドキドキ感がありますね……

 

 

前から気になっていた海沿いにある食堂、風雨にさらされて風情があるらしく、歴史ある佇まいらしいのですが探してみます。

犬若海岸に向かうとピンクの看板が、見えてきました。あれあれ以外と綺麗ではありませんか。

 

 

11時ごろ入ったので、まだガラガラです。

店の中では、おばちゃんと常連さんが訛りのきいた千葉弁で大きな声でしゃべっています。


さて何を食べましょうか、ここの人気メニューの「サルエビのかき揚げ」と「今朝とれの新鮮ないわし刺し」をもらいます。

 

 

もっとボロボロかと湯遊人と室内を見渡していると、

 

女将さんが食べてと「まぐろの星」を?

う~ん 何でしよう?まぐろの星って、伺うと「まぐろの心臓」とのこと。

新鮮でないと食べられない、希少価値の高い部位らしいのです。


恐るおそるひと口食べてみます。


『 美味い   美味すぎます。』
臭みも全く無く、食感もあって美味しいこと。

 

 

※まぐろの心臓の位置は、腹の部分にあると思っている人が大半でしょうが、実は頭の部分にあります。

上のえらの付け根の上に隠れています。


ウワッ~  「刺し身とサルエビのかき揚げ」がきました。

噂には聞いていましたが、ボリュームにビックリです!  4枚もあります。 

 

イワシの刺身も身が厚くて言うことなしです。

地元の人と語らうと、なお美味しくなるのですが~徐々に常連さんが増えてきました。

 

 

店の雰囲気も味もいいお店です、一番の良さは、ここで忙しく振舞う3人のおねえさんたち、お店の中に溶け込んでいます!

TEL 0479-22-9688
営業時間 不定
開店 8時~8時半ころ 閉店20時~21時ころ
品切れがあると、午後一旦店を閉めるとのこと。
全てその日の水揚げ・売れ行きにより変わるとのこと。
売り切れると早く閉めますよとのこと。

 


あっという間に12時過ぎには満席です。外には人が並んでいます。 新参は早めに立ち失礼します。

 

揚げ物ばかりだったので、お昼は「釣りキンメの煮付け」を頼みましょうか。

旅先に行くと、あれも食べたいこれも食べたいと思いますよね。いいと思いますよ。

旅の日だけのご賞味、醍醐味ですから。 非日常を楽しまなきゃいけません。

遠方に行けば、移動手段はあらかじめ余裕を持って決めて、中身の計画は思いつくままに楽しみます。


さて、犬若港をブ~ラブラしながら港に行きます。 

目的もなくこれがいいのです。

 

 

「イルカウォッチング」の案内看板前で、待っている人を見ながら、碁盤の目のように区切られた坂道を登ります。

 

 

外川駅に到着しました。

駅舎のまわりは、写真を撮られる人でいっぱいです。

風景と重ならないように写します。

緑に苔むした太~い枕木が、素朴な柵を作りあげています。

 

 

あらためて見わたすと、風情たっぷりの木造駅舎ですね~

外見だけでなく、手書きの時刻表やベンチ、ランプにいたるまで当時の面影を残しています。

 

 

それでは、犬吠埼灯台に向かいますか。

外川から電車に揺られて、ひと駅目の犬吠駅へ行きます。

吊り革には、銚子駅近くの醤油屋さん「ヒゲタしょうゆ」の広告が、どうだと言わんばかりに目に入ります。 

 

 

白を基調とし、絵タイルの貼られたボルトガルの宮殿風建築の犬吠駅が見えてきました。

ホームには、6年前にもいた「ポチャッ」とした駅長さんが立っています。

駅の2階には、大好きな「中井精也の写真展」が飾られています。 

 

ゆるい ゆるい銚子の町が撮られています。

 

 

駅の中ではお姉さん達が、ぬれ煎餅を焼いています。

「弧廻手形1日券」の中の「ぬれ煎餅の1枚交換券」で、ぬれせんをもらいます。

 

 

ぬれせんは味が違う、濃い口味、うす口味、甘口味の3種類があります。

私は、「うすむらさき」 湯遊人は、「通常の濃い味」に交換します。

 

 

てくてくと「犬吠崎灯台」へ向かいます。

 

 

駅から8分「犬吠埼灯台」に着きました。 

犬吠埼の突端にそびえる真っ白な灯台です。

「犬吠埼」の地名の由来はこんな説があります、義経の愛犬「若丸」が岬に置き去りにされ、主人を慕う余り、7日7晩鳴き続けたそうです。それで犬が吠(なく)と名付けられ犬吠となったとか。 外川の港「犬若」もここからでしょうか。

 

 

海岸沿いを歩いて300m「犬吠崎観光ホテル」の日帰り湯に寄ります。

外観はいまいちですが、中は綺麗です。

ホテルフロントの方もやさしい対応です。

 

 

ここの天然温泉はしょっぱいですね~ 顔を洗うと大変なことになります。 

温泉につかりながら海独り占めです、広大な大海原を眺めながらの温泉で心も身体も癒されます。

 

 

晴れたらこんなに気持ちいいい景色です。(写真引用)

1時間に一本しかない銚子電車、乗り遅れないようにゆっくり急ぎます。

 

塩泉のぬくもりを残したまま、電車に乗って「仲の町駅」に戻ります。

ここの駅も歴史がありますね~駅舎の中には、なぜか「ぬれせん」が売られています。

 

 

藤の花の近くの「ヤマサ醤油工場」に寄ってみます。

途中、銚子鉄道の操作場があるため、すべての電車を見る事が出来ます。

 

 

後ろのタンクは、ヤマサ醤油工場のタンク達です。

 

 

踏切を渡ると5分で、「ヤマサ醤油工場見学センター」があります。

醤油の製造工程を見学しましょ。

 

受付に行くと、 「あららら」 予約がないと見学出来ないようです。

時間も遅すぎました、ビデオ上映ぐらい見れたのに悔やまれます。


※銚子には、しょうゆ醸造業の国内の5代メーカーのうちの2社、ヒゲタ醤油とヤマサ醤油があります。

全国にはなんと1500社もあるようです。

ちなみに、中でも特徴的な産地は、野田(千葉県)、銚子(千葉県)、龍野(兵庫県)、小豆島(香川県)の4産地が有名です。

 

 

工場見学センター 0429-22-9809
9時~11時、13時~15時(要予約、所要時間約50分)

土日祝など工場休業日は映画上映(20分)のビデオ。

料金は無料です。お土産に醤油のパックをいただけます。

 

見学所のお土産を覗いていると、向かいにスイーツ用の特製醤油を使った「醤油ソフトクリーム」が販売されています。

色はほのかな醤油色、食べるとしょうゆ味がほんのり感じます。

ほかには、酸味とほろ苦さがある「バニラカップ 特製醤油ソースかけ」もあります。

 

 

滞在時間は、9時間。 あっという間に帰る時間がきました。 

早いですね~ 何もかも見るとあっという間です。

16時38分発 「しおさい12号」で帰ります。

 

 

それでは、恒例の駅弁を探してみます。 

ありませんね~

唯一駅舎のコンビニに、「銚子プラザホテル」製のお寿司を見つけました。

 

帰りのおつまみに、生感覚の新しい味「銚子の鯖ずし」を求めます。

熟成タレ製法により、酢や塩でしめた今までの鯖寿しとはまったく違った生感覚の味です。

鯖はあまり強く酢で締めていないためか、生に近い味です。

 

本来ならば銚子港のさかな定食を食べたかったのですが、銚子でしか食べられない鯖ずしを食べられて満足満足。

 

 

 

 3回目になる銚子の日帰り旅でした。

 前回訪れた、「潮風にさそわれて、銚子電気鉄道ふらり旅 回顧」もクリック。 

  

 知らない地にふらりと出向き 


 古寺名刹や歴史ゆかりの地を、おもむくままに訪ねます。 

 景色を眺め、遠い昔に思いをはせ、満ち足りた時を過ごす。 

 今回もゆるい日帰り旅 予定通りに進まないのが電車旅 

 “ありがとう“ の感謝の言葉を忘れないように   

   旅を続けます。 

  

次回は何処に行きましょうか。 

やっぱり、まだ行った事のない場所へ 行きたいですね。

 

銚子のお付き合い ありがとうございました。

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