2/6と2/10に、久保田早紀さんの「異邦人」の動画のこと、
ご本人・旦那の大作さんとのつながりのことなどをブログ・Mixiに書きました。
早紀ファンは今でも多いようで、沢山のコメントをMixiにいただき、ありがとうございました。
今日はさらにその続編を書こうと思います。
よろしかったら2/6・10の記事もご参照下さい。
久保田早紀さんは「異邦人」のヒットでよく知られています。
84年に引退するまでの5年間に7枚のアルバムと9枚のシングルを発表。
もの悲しくエキゾチックなメロディーとともに、詞の世界観も素晴らしいです。
最近のヒット曲の歌詞は、実際の生活に根ざした、
しゃべり言葉で書かれた日記のようなものが多いですね。
しかし早紀さんの書く歌詞は、恋愛ももちろん大きなテーマになっているものの、
宇宙、大地、歴史(過去・未来・時空)、生と死、神、
そして異邦人に代表される「異国情緒」といった多様なテーマを持ち、
実に味わい深く、詞としての美学に貫かれたものです。
これは「詞」と言うよりも「詩」の世界であり、
歌詞カードをじっと読んでいるだけでも充分楽しめるし考えさせられる、
とても高次元のアートと思います。
この部分は日本のポップスの歴史の中でも異彩を放つ存在と言えるのではないでしょうか。
僕はもともと早紀さんのアルバムはファーストの「夢がたり」を所有していましたが、
その他のアルバムは聴きこんでいませんでした。
「異邦人」の動画を見て、いっきに頭の中が久保田早紀モードに入ってしまった僕は、
彼女のアルバムを順に入手し、じっくり聴くことができました。
早紀さんのアルバムは以下の7作です。
「夢がたり」(79年12月) どの曲も魅力にあふれ、大ヒットを記録した不朽の名盤。
「天界」(80年6月) 前作の流れを汲む作品だが、詞の内容はさらにスケール感が増す。
「サウダーデ」(80年11月) ポルトガルで現地ミュージシャンと録音した意欲作。
「エアメール・スペシャル」(81年5月) CMソングなども収録したポップな内容。未聴。
「見知らぬ人でなく」(82年7月) すいません、未聴です。
「ネフェルティティ」(83年4月) すいません、未聴です。
「夜の底は柔らかな幻」(84年10月) ラスト作品。久米大作のプロデュース・編曲で、
プログレ的な新境地を開拓した傑作。
この中の、天界、サウダーデ、夜の底を改めてちゃんと聴きました。
どのアルバムも聴き所があり、とても楽しめる作品です。・・が・・、
やっぱり「夢がたり」は別格の出来栄えと思います。
楽曲の出来がどれも素晴らしいのは言うまでもないですが、
アルバム全体が大きなストーリー(夢がたり)に彩られているところが大きな特色です。
萩田光雄さん作の序曲から、エンディングテーマとも言うべき「星空の少年」まで、
古い名作映画のような感情の流れがあり、引き込まれます。
LPでいうB面には特に琴線をかきむしる曲が並び、
感情の流れはラスト前の「ナルシス」で一度頂点に達します。
それまでの9曲で蓄積されていた感情はダムが決壊するように噴き出し、
涙をこらえることはもう不可能です。
そしてラストの「星空の少年」でロマンチックで美しく、でも悲しい大団円を迎え、
歌詞の「亡き骸」のところにさしかかった瞬間、涙は川のように流れていくのでした。
少年が天に召されて星になる、というこの詞は多くの人に「フランダースの犬」を思い起こさせますが、
「ナルシス」からの流れを加味すると、僕は1955年のスペイン映画「汚れなき悪戯」を強く連想しました。
この映画をご存じない方はここをクリックしてご覧下さい。
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/MARCELINO%20PAN%20Y%20VINO.htm
毎日、早紀さんのアルバムを聴いては涙する僕は、もうほとんどビョーキ(死語!)です。
昨日泣いたから今日はもう大丈夫だろうと思ったのに、
やっぱり今日もボロボロ泣いてしまう自分が信じられません。
でも、そんな自分がちょっと好きだったりします。
「夢がたり」。
皆さんも、じっくり、聴いてみて下さい。
歌詞カードを見ながら聴くのもいいと思います。
金子ディレクター、アレンジャー萩田光雄さんの情熱あふれる仕事にも心から敬意を表します。
そして、さゆりさん(早紀さん)、こんな素敵な作品を届けてくれて、本当にありがとうございました。
ご本人・旦那の大作さんとのつながりのことなどをブログ・Mixiに書きました。
早紀ファンは今でも多いようで、沢山のコメントをMixiにいただき、ありがとうございました。
今日はさらにその続編を書こうと思います。
よろしかったら2/6・10の記事もご参照下さい。
久保田早紀さんは「異邦人」のヒットでよく知られています。
84年に引退するまでの5年間に7枚のアルバムと9枚のシングルを発表。
もの悲しくエキゾチックなメロディーとともに、詞の世界観も素晴らしいです。
最近のヒット曲の歌詞は、実際の生活に根ざした、
しゃべり言葉で書かれた日記のようなものが多いですね。
しかし早紀さんの書く歌詞は、恋愛ももちろん大きなテーマになっているものの、
宇宙、大地、歴史(過去・未来・時空)、生と死、神、
そして異邦人に代表される「異国情緒」といった多様なテーマを持ち、
実に味わい深く、詞としての美学に貫かれたものです。
これは「詞」と言うよりも「詩」の世界であり、
歌詞カードをじっと読んでいるだけでも充分楽しめるし考えさせられる、
とても高次元のアートと思います。
この部分は日本のポップスの歴史の中でも異彩を放つ存在と言えるのではないでしょうか。
僕はもともと早紀さんのアルバムはファーストの「夢がたり」を所有していましたが、
その他のアルバムは聴きこんでいませんでした。
「異邦人」の動画を見て、いっきに頭の中が久保田早紀モードに入ってしまった僕は、
彼女のアルバムを順に入手し、じっくり聴くことができました。
早紀さんのアルバムは以下の7作です。
「夢がたり」(79年12月) どの曲も魅力にあふれ、大ヒットを記録した不朽の名盤。
「天界」(80年6月) 前作の流れを汲む作品だが、詞の内容はさらにスケール感が増す。
「サウダーデ」(80年11月) ポルトガルで現地ミュージシャンと録音した意欲作。
「エアメール・スペシャル」(81年5月) CMソングなども収録したポップな内容。未聴。
「見知らぬ人でなく」(82年7月) すいません、未聴です。
「ネフェルティティ」(83年4月) すいません、未聴です。
「夜の底は柔らかな幻」(84年10月) ラスト作品。久米大作のプロデュース・編曲で、
プログレ的な新境地を開拓した傑作。
この中の、天界、サウダーデ、夜の底を改めてちゃんと聴きました。
どのアルバムも聴き所があり、とても楽しめる作品です。・・が・・、
やっぱり「夢がたり」は別格の出来栄えと思います。
楽曲の出来がどれも素晴らしいのは言うまでもないですが、
アルバム全体が大きなストーリー(夢がたり)に彩られているところが大きな特色です。
萩田光雄さん作の序曲から、エンディングテーマとも言うべき「星空の少年」まで、
古い名作映画のような感情の流れがあり、引き込まれます。
LPでいうB面には特に琴線をかきむしる曲が並び、
感情の流れはラスト前の「ナルシス」で一度頂点に達します。
それまでの9曲で蓄積されていた感情はダムが決壊するように噴き出し、
涙をこらえることはもう不可能です。
そしてラストの「星空の少年」でロマンチックで美しく、でも悲しい大団円を迎え、
歌詞の「亡き骸」のところにさしかかった瞬間、涙は川のように流れていくのでした。
少年が天に召されて星になる、というこの詞は多くの人に「フランダースの犬」を思い起こさせますが、
「ナルシス」からの流れを加味すると、僕は1955年のスペイン映画「汚れなき悪戯」を強く連想しました。
この映画をご存じない方はここをクリックしてご覧下さい。
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/MARCELINO%20PAN%20Y%20VINO.htm
毎日、早紀さんのアルバムを聴いては涙する僕は、もうほとんどビョーキ(死語!)です。
昨日泣いたから今日はもう大丈夫だろうと思ったのに、
やっぱり今日もボロボロ泣いてしまう自分が信じられません。
でも、そんな自分がちょっと好きだったりします。
「夢がたり」。
皆さんも、じっくり、聴いてみて下さい。
歌詞カードを見ながら聴くのもいいと思います。
金子ディレクター、アレンジャー萩田光雄さんの情熱あふれる仕事にも心から敬意を表します。
そして、さゆりさん(早紀さん)、こんな素敵な作品を届けてくれて、本当にありがとうございました。