昨日、東京文化会館に、英国バーミンガム・ロイヤルバレエ団のバレエ公演を見に行ってきました。
出し物は、ラヴェル作曲の「ダフニスとクロエ」、
そしてメンデルスゾーン作曲の「真夏の夜の夢」(シェークスピア作の戯曲をバレエ化)。
皆さんは、この世の中のあらゆる楽曲の中で一番好きな曲は?と聞かれたならば、すぐ答えられますか。
僕は迷わず「ラヴェルの、ダフニスとクロエ」と答えます。
モーリス・ラヴェル(1875~1937)の作風は、幻想的・神秘的な奥深い響きを持った独自のものです。
存命中に既にジャズが誕生しており影響も受けましたし、
逆にガーシュインやデューク・エリントン、そして後のジャズ作編曲家達にも大きな影響を与えた人です。
そして「ダフニスとクロエ」は「ボレロ」「マ・メール・ロワ」などと同じくバレエ作品の為に作曲されました。
二世紀に書かれた古代小説を原作とするロマンティックなバレエをドラマティックに彩る、美しくも幻想的な大作。
聴けば聴くほどその奥深い魅力にハマってしまう、麻薬のような曲です。
僕はこの曲をこれまでずっとCDやコンサートで楽しんできましたが、本来バレエの為に書かれた曲。
いつかバレエと共に楽しんでみたいと熱望していました。それが昨日やっと叶いました。
僕はバレエのことは詳しくないのですが、それでもバーミンガム・ロイヤルバレエ団のパフォーマンスが
とても素晴らしく品があるということはよく分かりました。
暗記するほどに聴き込んでいるこの曲の展開が、実はこんな踊り、こんな場面設定とリンクしていたのか!!
という事が初めて分かって、とても新鮮でしたね。
唯一気になったのは、男性のバレエダンサーが全員シャツとチノパンというユニフォーム衣裳。
二世紀のお話なのですから、布をまとったような、もっとリアルな衣裳でお願いしたかったかなー。
でも、本当に満喫しました。楽しいアートをありがとうございました。
今後は再びバレエ抜きでこの曲を聴いていくことになりますが、
昨日見たバレエをフラッシュバックしながら聴けるのでありがたいです。
でも、バレエなしで曲だけ聴いても、充分楽しめるし泣けます。
この曲をまだ聴いたことがない方、ぜひ聴いてみてはいかがでしょう。
僕は2008年から「クラシックジャーナル」誌に名曲の聴き比べリポートの連載記事を5回にわたって書きました。
その第3回が「ダフクロ」でした。
自前で既に8枚くらい持っていましたが、編集長に貸していただき結局13枚くらい聴き、レポートしています。
その中で間違いなくお薦めできるものをいくつかご紹介します。
(クラシックジャーナル誌の中ではもっとじっくり解説しています。)
☆デュトワ指揮/モントリオール交響楽団 80年
82年のディスク大賞の類を総ナメにしたという作品。
デュトワがフランス人らしい美意識で色彩感豊かに表現した「ダフニス」。
☆ブーレーズ指揮/ベルリン・フィル 94年
録音が新しいので音がキレイで、きらびやか。
ピッチは、さすがに現代の録音らしく、一番合っていて気持がいい。
☆クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団 62年
ラヴェルファンのマストアイテム、鉄板のダフクロとして知られるもの。
ドラマティックで、エキサイティング。テンションが高い。
ストーリー性が強く、胸にドカンと来る。
☆ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団 55年
ステレオ初期の録音だが楽器の音は超リアルで、いわばかぶりつき状態。
何か古い名作音楽映画、例えば「南太平洋」やディズニーの「ファンタジア」や「白雪姫」の
サウンドトラックを聴いているような、 不思議で強烈なノスタルジーを感じて、涙がこみあげる。
ちなみに、添付したレコードジャケットの写真はこの作品の初版のもの。
☆ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団 61年
6年で録音技術が進化し、ホールの山彦残響や自然な定位にめざましい変化が。
合唱のバランスはかなり大きめで、しかもエモーショナルに歌い上げてグッド。
冒頭からの3分間の感動はすさまじく、胸を揺り動かされて涙。
ソロバイオリンと合唱のピッチがシャープするのが唯一、惜しいかな。
でも、傑作。
そんなわけで僕は最近はミュンシュの61年と55年のものを交互に聴いています。
皆さんも、ラヴェルの魅力をぜひ味わってみて下さい。
出し物は、ラヴェル作曲の「ダフニスとクロエ」、
そしてメンデルスゾーン作曲の「真夏の夜の夢」(シェークスピア作の戯曲をバレエ化)。
皆さんは、この世の中のあらゆる楽曲の中で一番好きな曲は?と聞かれたならば、すぐ答えられますか。
僕は迷わず「ラヴェルの、ダフニスとクロエ」と答えます。
モーリス・ラヴェル(1875~1937)の作風は、幻想的・神秘的な奥深い響きを持った独自のものです。
存命中に既にジャズが誕生しており影響も受けましたし、
逆にガーシュインやデューク・エリントン、そして後のジャズ作編曲家達にも大きな影響を与えた人です。
そして「ダフニスとクロエ」は「ボレロ」「マ・メール・ロワ」などと同じくバレエ作品の為に作曲されました。
二世紀に書かれた古代小説を原作とするロマンティックなバレエをドラマティックに彩る、美しくも幻想的な大作。
聴けば聴くほどその奥深い魅力にハマってしまう、麻薬のような曲です。
僕はこの曲をこれまでずっとCDやコンサートで楽しんできましたが、本来バレエの為に書かれた曲。
いつかバレエと共に楽しんでみたいと熱望していました。それが昨日やっと叶いました。
僕はバレエのことは詳しくないのですが、それでもバーミンガム・ロイヤルバレエ団のパフォーマンスが
とても素晴らしく品があるということはよく分かりました。
暗記するほどに聴き込んでいるこの曲の展開が、実はこんな踊り、こんな場面設定とリンクしていたのか!!
という事が初めて分かって、とても新鮮でしたね。
唯一気になったのは、男性のバレエダンサーが全員シャツとチノパンというユニフォーム衣裳。
二世紀のお話なのですから、布をまとったような、もっとリアルな衣裳でお願いしたかったかなー。
でも、本当に満喫しました。楽しいアートをありがとうございました。
今後は再びバレエ抜きでこの曲を聴いていくことになりますが、
昨日見たバレエをフラッシュバックしながら聴けるのでありがたいです。
でも、バレエなしで曲だけ聴いても、充分楽しめるし泣けます。
この曲をまだ聴いたことがない方、ぜひ聴いてみてはいかがでしょう。
僕は2008年から「クラシックジャーナル」誌に名曲の聴き比べリポートの連載記事を5回にわたって書きました。
その第3回が「ダフクロ」でした。
自前で既に8枚くらい持っていましたが、編集長に貸していただき結局13枚くらい聴き、レポートしています。
その中で間違いなくお薦めできるものをいくつかご紹介します。
(クラシックジャーナル誌の中ではもっとじっくり解説しています。)
☆デュトワ指揮/モントリオール交響楽団 80年
82年のディスク大賞の類を総ナメにしたという作品。
デュトワがフランス人らしい美意識で色彩感豊かに表現した「ダフニス」。
☆ブーレーズ指揮/ベルリン・フィル 94年
録音が新しいので音がキレイで、きらびやか。
ピッチは、さすがに現代の録音らしく、一番合っていて気持がいい。
☆クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団 62年
ラヴェルファンのマストアイテム、鉄板のダフクロとして知られるもの。
ドラマティックで、エキサイティング。テンションが高い。
ストーリー性が強く、胸にドカンと来る。
☆ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団 55年
ステレオ初期の録音だが楽器の音は超リアルで、いわばかぶりつき状態。
何か古い名作音楽映画、例えば「南太平洋」やディズニーの「ファンタジア」や「白雪姫」の
サウンドトラックを聴いているような、 不思議で強烈なノスタルジーを感じて、涙がこみあげる。
ちなみに、添付したレコードジャケットの写真はこの作品の初版のもの。
☆ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団 61年
6年で録音技術が進化し、ホールの山彦残響や自然な定位にめざましい変化が。
合唱のバランスはかなり大きめで、しかもエモーショナルに歌い上げてグッド。
冒頭からの3分間の感動はすさまじく、胸を揺り動かされて涙。
ソロバイオリンと合唱のピッチがシャープするのが唯一、惜しいかな。
でも、傑作。
そんなわけで僕は最近はミュンシュの61年と55年のものを交互に聴いています。
皆さんも、ラヴェルの魅力をぜひ味わってみて下さい。