昨日10日、僕のトリオジャズユニット「トリコロール」の、
駒沢大学「メルカート」での初ライブを、楽しく無事に終了しました。
来て下さったお客様、どうもありがとうございました。
僕たちも気分よくやれました。
お店も、ホントにアットホームな感じで居心地がよくて、
みゆきさんの作るお料理とワインもとってもおいしい!!
みゆきさんと朴(ぱく)ちゃんの笑顔もごちそうです。
次回は27日ですので、ご都合のよろしい方はぜひ、お越しくださいね。
ということで御礼でした。
・・で、しめてもいいんだけど、それもちょっと味気ないので、
昨年末に亡くなった、ジャズトランペッターの大スター、
フレディ・ハバードのことを書こうと思います。
フレディは、50年代の末にブルーノート・レーベルから彗星のようにデビュー、
その後アート・ブレイキーのジャズメッセンジャーズで人気を不動のものとし、
退団後は一枚看板で大活躍、日本でもとても親しまれたスタープレーヤー。
この10年ほどは体調が思わしくなくて、演奏活動はしていなかったけど、
カムバックを期待していたファンも多かったので、本当に残念です。
僕は、フレディの大ファンという訳ではありませんが、
彼の参加したジャズの名作アルバムは数多く持っていますし、
あのV.S.O.P.の田園コロシアムのコンサート、1977年7月23日、忘れもしません。
わくわくしながら見に行って、期待通りの演奏に感激したこと、
素晴らしい思い出です。
フレディのトランペットは、まず音色がとてもふくよかで美しくよく鳴っており、
演奏はオーソドックスなビバップが基本ではあるけれど
いつもフレッシュな楽想で、ある時はやさしく、ある時は攻撃的に、
わくわくするスリリングなプレイで楽しませてくれました。
驚くべきは、演奏のクオリティーの安定度で、
どんな作品に於いても彼のプレイはミスがなく、よく歌っていて、
安心して聴く事ができる。これはすごい事です。
アルバム全体のクオリティーが低くて、内心嫌々参加していたかも知れない作品でも
フレディーのラッパはいつでも輝いてました。
僕の知っている範囲内の、フレディーの名演が聴けるアルバムを、
いくつか紹介させて下さい。
まずはやはりアート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズ時代のもの。
ブレイキーは多作な人だったので、フレディの参加作も沢山あります。
「スリー・ブラインド・マイス」「ブハイナズ・ディライト」「モザイク」「雨月」など、
いいアルバムが目白押しですが、僕が一番好きなのは「キャラバン」。
表題曲は予想通りの展開。それよりもフレディ作「Thermo」での爆発ぶり、
「Skylark」での緩急織り交ぜたプレイ、
ウェイン・ショーター作「This Is For Albert」、これは何よりも曲自体が名曲です。
次に、いろいろなセッションに参加したもの。
ビル・エヴァンスの「インタープレイ」、これは有名ですね。
ジム・ホールら、名だたる名人達と繰り広げる、まさにインタープレイは、
とてもスリリングなのに、実にリラックスしています。
ウェイン・ショーターのリーダーアルバムの最高傑作といえば「Speak No Evel」。
シューターの黒魔術?趣味で作られたなんとも不思議な楽曲(すべて名曲!)を、
エルヴィン、ハンコック、ロンカーとフレディ、ショーターの
超豪華アンサンブルで楽しむことができます。
あと、やはり「V.S.O.P.」は外せないですね。
ハンコックが音頭を取って、旧マイルス・デイビス・クインテットのメンバー、
トニー・ウィリアムズ、ショーター、ロンカーに、
マイルスのトラとしてフレディーが参加したものですが、76年当時、
計り知れない衝撃をもたらしました。
フレディのリーダーアルバムはそれほど多くはなく、
僕は個人的にそれほど聴きこんでいないのですが、2枚ほど。
61年の「Ready To Fready」はエルヴィン、マッコイにショーターという
豪華なメンツで、はつらつとしたプレイが聴けます。
本作の注目ポイントはフレディ自作曲「バードライク」。
つまりバード(チャーリー・パーカー)のように、ということですが、
ノリがよくて、でもヒネリのきいた傑作ブルース曲です。
79年の「The Love Connection」は、私の大愛聴盤。
フュージョンのムーブメントが燃えていた当時、
クラウス・オガーマンをアレンジャーに起用して制作された、
ひと味違う、大人のフュージョン・アルバム。
キーボードでチック・コリアも参加して好演しています。
クラウスのアレンジもグレイト!!ですが、フレディの作曲センスも素晴らしい!!
特に2曲目のバラード「ブリジット」は胸にしみます。
こんなところが塩塚選のフレディ名演集です。
もちろんこの他にも沢山名演・名作があると思います。
ご存知の方はコメントに書き込んで下さいね。