追悼：ギタリスト渡辺明くん

昨年から食道ガンと闘病していた友人・渡辺明くんが、残念ですが力尽き、旅立っていきました。
いっときはかなり回復して退院し、奇跡を期待しましたが、叶いませんでした。

渡辺明くんは、ギタリストとして、僕が心から脱帽する、素晴らしいテクニックとセンスの持ち主。
リッチー・ブラックモアが大好きで、演奏スタイルも髪型もすべて憧れのリッチーが基本。
永遠のギター少年、と言ってもいいでしょう。

　

明くんとは1997年に知り合いました。
ギタリスト同士なので同じバンドではプレイしていませんが、
同じ店、同じイベントで絡みが多く、何か運命的なつながりのあった友人でした。
僕のトラを何度も頼みましたし、彼からもトラを頼まれました。
家に遊びに来てくれたこともあります。
やはりギター談義に夢中になったのを思い出します。

ガンが見つかり、レギュラー出演していたライブハウス「ハート＆ソウル」を降板、
昨年9月から闘病生活に入りました。
僕が時々励ましのメールを出すと、すぐ返事が来て、その都度2-3往復していました。
5月に退院した時は、よし、これで生還できるぞ、と期待しました。
その後もかなり希望に満ちたメールのやりとりを続けていましたが、
8/5に出したメールに返信が来ず、
8/12に「忘れてただけだよね!!」とまたメールを出しましたが、やはり返信はありませんでした。
実際は月初から重篤な状態となり、14日には力尽きてしまったとのことです。

本人の意思で、通夜・告別式はせず、昨日18日、ささやかなお別れの会があり、
ごく一部の親しい友人からの限られた口コミで集まった仲間だけが参加しました。
僕も最後のお別れをしてきました。
きっと苦しい闘病生活だったと思いますが、髪も抜けておらず、生前のままの、やさしいお顔でした。

集った仲間のミュージシャン達と、思い出話に花が咲きました。
きっと、明君も一緒になって「そうそう」とか「しょーがねぇなぁ」とか言いながら
話の輪に加わっていたに違いありません。


僕より年下なのに先に旅立ってしまって悔しいですが、彼の分も今後ガンバっていこうと思います。

僕の友人の多くが明くんのことをご存知と思います。
生前渡辺明くんと親交のあった皆さま、どうぞ彼のことを忘れないで下さい。
そして、冥福を祈ってやって下さい。


合掌 　塩塚博