選挙集会にビデオ参加 「罪の意識抱くな」
米国の大富豪でトランプ大統領の政権メンバー入りが確実なイーロン・マスク氏が25日、ドイツ東部ハレで開かれた極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の選挙集会にビデオ参加し、同党への支持を呼びかけました。他方、この日ドイツ各地で大規模な反極右集会が開かれました。(伊藤寿庸)
ドイツでは2月23日に総選挙が予定されており、マスク氏は自らが所有するX(旧ツイッター)を通じて、極右支持の立場からドイツ総選挙に介入してきました。
AfDの集会に参加した4500人を前に、マスク氏は、「ドイツの文化、ドイツの価値を誇りに思うのはいいことだ」と述べました。
さらに「子どもたちは、曽祖父はもとより、親の過ちに罪の意識を抱くべきではない」と発言。「過去の罪にあまりに重点が置かれすぎている。われわれはその先へ進まなければならない」と述べました。ナチス・ドイツによる過去の犯罪を「二度と繰り返さない」という、戦後ドイツの取り組みへの批判とみられます。
AfDのクラー欧州議会議員が昨年の欧州議会選挙中、「(ナチス)親衛隊は全員が犯罪者ではない」と発言するなど、同党幹部はナチスを相対化する発言を行ってきました。
今月初め、マスク氏とX上で対談したAfDのワイデル氏(首相候補)は、「ヒトラーは右派でも保守でもない。その反対だ。彼は共産主義、社会主義者だ」などと発言。歴史学者からは、「巨大なナンセンス」「ヒトラーは共産主義と激しくたたかった」と非難が噴出しています。
マスク氏自身、20日のワシントンでの大統領就任式直後の集会で、右手の手のひらを下にして前方に伸ばすジェスチャーを行ったことで物議をかもしており、「ナチス式敬礼だ」とドイツでも強い非難を受けています。
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