the morning star ~明けの明星~

日本でも世界でも子どもたちが安心して幸せに暮らせるように☆と願う活動主婦の日記。三原市の課題や三原応援情報を発信。

環境省の政策説明会@広島

2012-04-26 03:22:38 | 環境(全般)
今年度も、環境省の政策説明会が広島でありましたので、行ってきました。

Ⅰ.東日本大震災以降の新しいミッション
  1.災害廃棄物の処理
  2.放射性物質に汚染された土壌の除染等
  3.三陸復興国立公園(仮称)を軸にした地域の復興
  4.原子力安全規制の見直し
Ⅱ.環境政策の今後の展開
  1.地球温暖化対策と再生可能エネルギーの導入
  2.使用済小型電子機器等のリサイクルの促進
  3.生物多様性の保全に向けた取り組み等
という内容でした。

Ⅰ.-1.
生活の場からは、ほぼなんとかガレキを撤去できたものの、仮置場のものをH26年3月末までに処分をしたいこと(震災から3年を目途に終えたい)、焼却施設を設置予定だけれども、発生量が多く広域処理が必須である。ただし、福島県のものは福島県内で処理をする。放射能対策に関しては担当省庁がはっきりしないまま数ヶ月が過ぎてしまったことを反省している。100Bq/Kgと8000Bq/kgについては、下記のように整理されてました。
※赤字部分は配布資料からそのまま転載(以下同様)

●100Bq/kg = 原子炉等規制法に基づくクリアランス基準であり、廃棄物を安全に再利用できる基準。廃棄物を再生利用した製品が、日常生活を営む場所などの一般社会で、様々な方法(例えばコンクリートを建築資材、金属をベンチなどに再生利用)で使われても安全な基準として、放射性セシウムについて100Bq/kg以下と定められている。
●8000Bq/kg = 放射性物質汚染対処特措法に基づく指定基準であり、廃棄物を安全に処理するための基準。従来と同様の方法により安全に焼却したり埋立処分したりすることが可能。焼却施設や埋立処分場では排ガス処理、廃水処理や覆土によって環境中に有害物質が拡散しないように管理が行われていることから、周辺住民の方にとって問題なく安全に処理できる。


Ⅰ.-2.
航空機モニタリングの測定結果をもとに、除染計画をたてているが、被曝についての疫学的データが充分でなく、特に除染についてはチェルノブイリの事故ではほとんど行われておらず参考になるデータがない。まったく手探りの状態である。環境省職員も除染のスコップでの手作業などで足腰を痛めたり、体調不良者が出ている。除染費用は24年度予算要求額も合わせて6000億円。中間貯蔵施設の確保および仮置き場から中間貯蔵施設への搬入はH27年(!まだまだです!)その他明記されているスケジュールとしては「H25年8月末までに、H23年8月末比で、年間追加被曝線量を約50%減」「子どもの生活環境を優先的に除染し、H25年8月末までに、H23年8月末比で、子どもの年間追加被曝線量を約60%減」「H26年3月末までに、住宅、事業所、公共施設等の建物等、道路、農用地、生活圏周辺の森林等において除染等の措置を行い、そこから発生する除去土壌等を仮置き場へ逐次搬入」

福島県内の除去土壌と廃棄物については、約50万トンのがれきは他地域と同様に。8000Bq/kgを超えている指定廃棄物が年間約6万トンと見込まれ、汚泥・稲わら等は可燃物として焼却され、その焼却灰は、10万Bq/kg以下は管理型処分場(主に既存のものを想定)へ処分、処理後のモニタリング等は国が実施。10万Bq/kgを超える焼却場は中間貯蔵施設→最終処分。除染に伴う土壌・廃棄物は約1500万~3100万㎥と見込まれ、これも焼却可能なものは焼却、できないものは減容化等されて中間貯蔵施設→最終処分へ

この点については具体的に質問しなかったのですが、これだけ汚染度の高いものを焼却することや、既存の処理施設へ埋立されることは、広域処理以上に心配です。

Ⅰ.-4.
これまで重大事故が起きないと仮定され安全対策が充分でなかったことを改め、原子力発電にリスクが伴うとの認識を、まずはっきり話されました。遅れている原子力規制庁ですが、環境省のもとで原子力の安全規制等の関係業務を一元化されること、緊張感をもってやっていくとのこと。これまでは、放射性物質による汚染等は環境基本法の適用外であったが、適用の対象となり、約40本の法律を改正することになる。これから国会での審議等行われるので注目してほしい。

Ⅱ.-1.
温暖化懐疑論を意識してでしょう、人為的な要因を強調され、顕在化している地球温暖化の影響や、今後想定される被害額についてなど話されました。京都議定書の第2約束期間には入らずカンクン合意の枠でやっていくこと、カナダが京都議定書から離脱して国際的な重要会議に呼ばれなくなったが、日本も同様になるだろう、国民の皆さんにご承知おきいただきたいとのことで、ここもかみつきたいところでしたが(^_^;)、他を優先して断念。。。気候変動(温暖化)の国際会議で化石大賞を受けたり、「悪魔の国」とののしられたり、本当に本当に残念な選択です。

エネルギー政策については、CO2対策のために必要と、原子力を万能薬のように依存し過ぎてきたことを認める、省エネと再エネの枠を広げていくとのこと。これまでの3E(安定供給、経済性、環境)から、S+3E(Sは安全性)へ。再エネによる雇用拡大、各電源の新たなコスト検証、先日の中環審等で出された原発ゼロシナリオも盛り込まれた試算、今夏を目途に行われる国民的議論などなど。

Ⅱ.-2.
資源の需要が高まるとともに埋蔵量が減り、今後さらに価格が上がっていくのでしょうけれど、それに伴って、都会の金鉱とも言われる電子機器などの回収・再資源化をきっちりやっていこうとのことで、法律案が紹介されました。住宅地などを軽トラなどでまわっている回収は廃棄物処理業者としての登録をしていない上に、日本と国交の薄い国へ運び出していることが多く、利用しないでほしいとのこと。「自国内のものは自国内で責任をもって処理を」とのお話に、じゃあ、核廃棄物もモンゴルに運んだりせず、国内できっちり責任取らんといけんじゃん!と思ったけど、これも断念(^_^;)

ご参考書籍:「資源クライシス」桂畑誠治著
       http://goo.gl/T2UJO

Ⅱ.-3.
2010年のCOP10名古屋について、素晴らしい会議だったとの紹介でした。


終わってからの質疑時間に意見・質問させていただきました。

最後の話題の生物多様性については、1日に200種もの生物種が地球上から姿を消すという現状で、環境学習などで子ども達に今の地球環境の現状を伝える時、本当に申し訳なく、つらい想いがあります。ただ、子ども達はそれにめげることなく、そのことを大人に伝える方法を考えたり、自分達にできることを考えたりと、そんな子ども達から元気をもらっています。

ここまで、生き物が生きられなくなるほど、自然破壊、地球環境の変化が進んでしまったことの背景には、環境か経済かという中で常に経済が優先されてきたことがあると感じています。原子力発電についても経済優先のもと進められてきたことの1つですが、その規制について今後は環境省で所管されるとのことで、自然環境を守っていく、循環型社会を構築することを優先に進めてほしいと期待しています。

環境省の職員さん方も、除染作業で足腰を痛められるような現状にあるとのこと。原子力発電の事故にあたっては、本当にたくさんの人が本当に大変な目にあっておられます。にも関わらず、これまでと変わらない経済優先で、安全対策がまだ充分になされていない指摘を多く受けながら「再稼働ありき」で進められていると感じています。どうか、安全を優先してほしい。

事務次官は四日市のお生まれで(自己紹介で話されました)、公害の体験と、公害などをなくしたい想いをお持ちとのこと。有機水銀にしろアスベストにしろ、その時には、大丈夫、安全と言われながら、後になって「やはり危険だった」と認められるということが過去においても起きています。ここ広島は原爆による被爆地ですが、放射能の健康への影響については、未だ原爆症認定が認められない方がおられるなど、まだその安全のレベルについて分からない、争われている現状だと思います。お話の中でも疫学調査などデータが充分でない、手探りで進めているとのことでした。放射能の様々な基準について、後から「やっぱり危険でした」ということのないよう、本当に慎重に進めていただきたいです。また、8000Bq/kgという数字については、IAEAの同意は得ているとのことでしたが、この数字を基準とされた根拠を教えてください。

と、意見と質問をさせていただきました。
8000Bq/kgについては、放置して良い数値ではないし、50センチの覆土を義務付けているがその上に家を建てるなどの土地利用はできない、一定の安全管理ができるということ、のようなお答えで、根拠ははっきりとお答えいただけなかったので、環境省のほうへ改めて問合せたいと思います。合わせて10万Bq/kgについても。


環境問題は、地域が限られ、被害者・加害者が分かりやすい公害などの問題から、世界がグローバルにつながるにつれ、問題が複雑に絡み合い、被害者であると同時に加害者であり、問題の原因が特定しにくい、より複雑でより大きな問題へと変わってきました。例えば温暖化の原因は温室効果ガスが原因ですよと一応言えるけれど、生物多様性、生物種の絶滅については、これが原因ですと明確にすることはとても難しい。

1つひとつの問題の答えを求めるのではなくって、システム全体、地球の生態系全体を、しっかり見直していく必要があるんだろうと思います。





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