松ちゃんの『やりっ放し やられっ放し』

あなたが気になりだしてから 世界が息づいてる(松任谷由実『緑の町に舞い降りて』より)

五郎

2007-07-27 01:25:11 | dramas
インターホンが鳴った。

約束通り五郎が来たようだ。
約束と言っても彼が勝手に「六時くらいに伺います」と言って来ただけである。

「お疲れ様です」
礼儀正しい彼の第一声はいつもこうなのだ。
「あれ、みんな来てたん?」

「あっ、五郎さん…」
家主で一番先輩の祐一の他に、後輩の忠司、光男、佐枝子の4人は
夕食を一緒に摂った後、祐一の部屋に集まっていた。
最近特に金曜土曜の夜はこのように頻繁に集まっては話をしたり、ゲームをしたりしているのだ。


五郎は祐一にお金を借りに来たようだ。
先輩の祐一は、貸すことは勿論既に承知している。
承知しないのなら拒んでいるだろうし。
五郎と祐一の仲は、野球サークルを通じて頗る良好で
当時学生時分などはいつも遊んでいたのだが

お金の貸し借りという事になると
いままでそのような事がなかったからなのだろうか
または他の理由からくるのだろうか明瞭(ハッキリ)と分からないのだが
どこか恥ずかしい。
どんなに深い関係の内でも、お金の貸借ということになると
借りる方は、又貸すほうも、改まってしまうものなのだろうか。

それまでの時間や内容をすべて無にしてしまうある種・新鮮な空気が
少なくともこの時この2人の間には、流れた?
少なくとも借り方の五郎は、そのような心地であった。
目的を果たすと、他の3人にはちょっと声を掛けるだけで
忙(せわ)しく早々に帰ってしまった。
しかし、実際は忙しくはないだろう。と祐一と先客3人は思っている。
疑っているというより、確信に近い。

それと呆れもしている。
五郎が忙しそうに見られたいがために、そのまま忙しそうに装っているだけなのだ。
五郎の中で、「忙しい」は格好良いのだ。
しかし、それだけなのである。
ところが他の4人には見透かされているというのだから
五郎も悲しいというか、馬鹿で哀れなのである。
忠司「あの人先輩にお金借りて、それってお金にだらしないっってことなのかな?」
祐一「まぁ、まぁ…」

光男「だらしぃ…ないという訳ではないんじゃない?」
佐枝子「だらしないわよ」
忠司「五郎さんに限らずお金を借りるっていうのは…」
佐枝子「だらしないわよ」
祐一「まぁ俺も、彼がちゃんと返してくれると思うから貸したんだけどね」
光男「確かに返済はちゃんとしてくれますよね、遅い時ありますけど」
佐枝子「それをだらしないって言うのよ」

忠司「きついな佐枝子は」
佐枝子「そもそもお金を借りるって事がだらしないのよ」
光男「ちゃんと返してくれさえすれば良いと思うけどなぁ、俺は」
佐枝子「自己管理の問題ね」
他3人「確かに」
佐枝子「あの人計画性がないでしょ…いや計画性でもないね、ほんと自己管理の問題」

忠司「そぉぉぉぉ…かなぁ…」
光男「俺もそれは知らんなぁ(同意見だけど口には出せへん)」
佐枝子「残ってる金額内で生活しろよって話よ」
他3人「…」
佐枝子「なのに無いお金に頼って好きなものを好きなだけ買ってんのよ、で困ったら無心してきて…」

自分以外の全人類に対する甘えよね。終わってるわ。あと、あの人忙しそうに帰って行っちゃったけど、あの人全然忙しくないんだから。呼んで貰いたいのよ。そのために生きてると言ってもいいくらいよ。ほんと人間ちっちゃい。最近全然顔出さないでしょ?なかなか顔を出さない希少性っていうの?そのくだらない【憧れの希少性】をおかずに、白米9杯10杯は当たり前なんでしょうね、彼の場合は。

バーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカ
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バーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカ
バーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカバーカ ほんとバカ」

お詫び:筆者が思い描いた筋と全く違って来、LAST5行目から面倒くさくなりました。以上。めんご☆

2月14日の詩~Our First Sweetest Play~

2007-02-27 03:33:33 | dramas
オン フェブラリィ フォーティ~ンス♪

きょうという日が
どれだけ待ち遠しかったか

一年に今日だけで
一年に今日だけなんだけど
今年の今日はなんか特別なの

去年もあって その前も
確かにあって
来年も 再来年も その次も
あるんだろうけど

一年に今日だけで
一年に今日だけなんだけど
今年の今日はなんか特別なの

なぁ~んか なぁ~んか
今日だけは 今年の今日は特別なの いつもより

だってあなたが いるんだもの♪ (だぁって だってだって)

3月も 4月も5月も 6月も
7 8 9月と

きっときっと すっかり忘れてしまんだろうけど
1月ともなると疼いてくるの
何言ってんのよ

体じゃなくて
心がよ
そんなことじゃ 溶けちゃうじゃない
チョコレイト

一年に今日だけで
一年に今日だけなんだけど
今年の今日はなんか特別なの

ホットチョコレートはチョコの起源
あなたに恋する私の機嫌

ホワイトチョコは あなたへの潔白 私の無実♪ (ジ~ツ ジツジツ)

盲目な 私を
人は バカというけれど

愛されずには いられないの
チョコを作らずには いられないの
買ってちゃ駄目って きづいたの

阪急梅田の チョコ売り場
ゴディバ? モロゾフ? リンツにメリー? 末はロイズコンフェクト?
馬鹿言ってんじゃないわよ 忘れてるんじゃないの
【自分】という名のブランドを  【あたし】があなたのブランドよ

一年に今日だけで
一年に今日だけなんだけど
今年の今日はなんか特別なの

ウイスキーボンボンなんて ズルイことはしないんだから
私の 愛情100㌣のこのチョコで 酔わせてあげるんだから

気づいたの カカオなんて ほんとは要らないかもねって♪ (カ~カ カカオカ)

なんでもないことでキュンとなれた
この一週間

燃え尽きそうなの あなたを想うと
この熱い思いで
チョコが溶けたら どうしよう

なんでもないことが愛だと思えた
チョコで顔が汚れてもいいわ (パンダとまではいかないけど)
ハートの型に押し込められてもいいわ (空手の型は嫌だけど)
これがあなたとの最初のプレイと 思えたからよ

一年に今日だけで
一年に今日だけなんだけど
今年の今日はなんか特別なの

ああ 気になるあの人
きょうは来てるかしらぁぁぁーーーーーーー…

来てーない~♪

講義録「優しさ」~√3に√3を掛ける事しか頭にない人間の固陋さ~

2007-02-16 10:09:24 | dramas
えぇ~、それでは講義を始めます。

ちなみに今日は、出版社の取材の方が来られていて、先生、すこし緊張してます…。
先生、いつもの授業ができるかとても心配です。

…と言っても、いつもの授業でも緊張してるけどな。
はっはっはっはっは…
まぁ、大学受験に道徳という科目はないけど、今日の授業は、これからの人生に役立つから

よく聞いて、みんなが自分自身で、考えて欲しい。もとい…
みんなはー、時としてぇ、√3を、パッと見て、どうする?
はい、田中。
…問題次第、か…

まぁ、そうだろうな、先生が思ってた通りの答えだ。そういう意味で100点をあげたい…
先生に、な。
っはっはっはっはっはっはっは…
先生は今日、みんなに、優しい人間になってほしくて、今こうして喋ってる。
すぐになんて無理だ。

ただ、ちょっと。ほんのちょっと、周りの人に、否!人だけじゃなくてモノや…
そう
動物とか
この地球上に存在する、万物に対して慈しみの心を示してあげるだけで
何ていうのかな
自分も優しくなれるというか…

そう!人が優しくしてくれるのは、自分が優しいからなんだ。
だって、全然優しくない奴に、優しくしようなんて思わないだろ。
人に優しくして欲しければ、まず、自分が人に対して優しく接しなければならない。
今先生が言った事を、是非覚えておいてほしい。
ん~…
例えばだ
さっきの、√3の話だが、問題を待ってるだけじゃダメってことを知っておいてほしい。

坂本、お前ならどうする。
…√3を掛ける…なるほどな。それも方法の一つだ。
いや、先生、悪いとは言っていないぞ。
坂本は今、√3の心を知ろうと思った。
そのために√3を見つめる。そんな生半可な思いじゃないぞ。真剣にだ。
その√3を見て、パッと見て…√3の(【3】になりたいっ!)っていう思いを感じ取った。
そうだろ?恥ずかしがるな、坂本!
いいんだ、いいんだよ!!それが、お前の【優しさ】だ。

ただ、先生、みんなに言いたい事がある。
今は…【道徳】の時間だ。この際、数学的な思考は一切なしにしてくれ。
否、なしにしなくていい。ただ、√3を見て
すぐに数学的な思考に縛られるってことは、決して、みんなにはそうなってほしくない。
これから先生が言う事を聞けば、それがよくわかると思う。
…さっきの坂本の〔√3を掛けて、3にしてあげる〕という答え
これは、とても素晴らしい答えであり、坂本の【優しさ】だ。

しかし!だ。
もし、雨が降ってたらどうする。
雨が降ってるのに、√3を掛けて3にしてしまうと、3はどうなる。
はい、新金岡。…濡れ鼠になる…なるほどな。
ずぶ濡れってことだな。
じゃあ、雪が降ってたら、どうなる。

はい、つづけて、新金岡。…雪だるまになる…ちょっとちがうな。
雪だるまになるのは、雪が積もった坂道を転げ落ちた時と
子どもに転がされた時だけだ。
雪が降ってるのに、√をとってしまえば…未知だな。
とても寒い夜にひとり、√3はたたずんでいる。みんなはどうする。

…先生は、あったかい毛布を掛けてあげたい、と思っている。
そして、雨が降っている日には、傘を貸してあげる。…先生か?
先生は、傘なくても大丈夫だ。そんなことより、先生は√3が心配なんだ。
要は、相手のことと、相手の周りの状況をちゃんと見極めろ!

そしたら、みんなな、寒い夜の日に√3を3なんかにしなくなると思う。
先生な、さっきから√3にこだわってきたけどな、本当は何だっていいんだ。
親でも。ペットでも。…好きな人とか、恋人でもいい。車とか電車とか飛行機でもいいんだ。

そんな時に差別なんて下らないことをしてちゃだめだ。
JALでもANAでもなんだっていい。スカイマークでも、もちろんいい。

御堂筋線でも、四ツ橋線…千日前線でもいい。もちろん、南港ポートタウン線でもいいんだ。

冒頭に言ったとおり、この地球上に存在する何ものにも慈しみの心を与えるような優しい人間になってほしい。そのために身を削る?いいじゃないか

相手に対して自分の身を犠牲にする、そんなアツいやつは、優しいんだ。

反省

2007-02-13 16:13:27 | dramas
あ、どうも☆

今日のバスケの練習で
りょうとよっちに…いや、主にりょうに

前の前の前の内容(『やさしすぎるということの結末』)が
「意味が分からないですっ☆」って言われて
結構、へこみましたのでございます。そして、反省したのです。

なにか表現する以上は
見てくださる、読んでくださる誰もが
理解できる
解りやすいものを!

そうでなくても
分かるように
分かりやすいように
書かないと!
って、分かってはいたのに、結構、おろそかにしてました。

倦怠期なんです。なんて言えません。
だって、倦怠期じゃない期間が無いんだもん。
だから、倦怠期であるということさえも証明できないんです。
あーあ。

面白いとか、面白くないかっていう【判断】というのは
それ以前の「理解」が前提になければならないのです。
と、いまさらながら再確認する。

如何に客のことを考えるかである。
そう、今の僕にはそれが大事。

負けない事よりもだ。勿論…投げ出さない事よりも。そして、逃げ出さない事や信じ抜く事なんかより

ずぅっとずぅっと大事なんです。
それにしても、再放送『やまとなでしこ』というドラマは面白い。

なぜなら、これも、解りやすいからである。

鼻唄2007

2007-02-12 16:27:25 | dramas
僕:ふふーんふーふん♪

んーんんーんんーんんーんんーんんーんんーんんんー♪
んんーんん~んーんーんんんんんん~んんん~ん~♪

んんん・んっん~ん・んん~んーんー♪
ん~んん~んん~んんんんんんんん♪
んん~んんんん~ん~んん~んんんふん~ん~ん♪

んーんん~んーーーんん~んんん~♪
んんん~♪
んん~ん~ん♪
んん~ん~んんん~♪

んん~ん~んんん~ん~ん♪
んんん~んんん~♪
んんー~♪
んんん~♪
ん~んんん~んんん~♪

うんうんうんうんんんん~んんー♪
んんん~んん~んん~んん~ん~ん~♪
んんーんんん~♪
ん♪んんん♪んん
んんんーんーんん~んん♪
ん~んんん~ん~ん~♪

んんん~♪
んーん~♪
ん~ん~んんー♪
んん~♪
ん~んん♪

ん~ん~んんんん~ん~んんん~んんんん~ん~んんん♪
(…まいっか…こういう気分だし…)
んんんんんんんん♪
ん~んんん~ん~~~~~~んん~んん~んん♪
んん~んんん~ん♪

ん~ん~ん~んん~ん♪
んんん~ん♪
んんん~ん~んん~んん♪
ん~んんん~んん~ん~ん~ん~ん♪

ん~んんんん~んー♪
ん~んん~♪
んん~ん~~…

女「ちょっと、鼻唄聴かせるために呼んだわけ?」
僕「ぶぉ~~くぅらは~ きっ……とぉーーー待ぁって…」

女「そういうことじゃないでしょ。」

給食費未納問題が生むひずみ

2007-02-09 08:53:28 | dramas
学級委員「では、学級会を開きます。」

生徒1「え~~~~~~!」
生徒2「まじで~~~」

生徒3「ちょ、まじで~~~~~」
生徒4「学級委員ひとりでやっとけよ!」
学級委員「そういうわけにはいかないでしょ!」

生徒5「俺達には時間がねぇんだよ。」
学級委員「何言ってんのよ。中学生が。」
生徒6「5時に帰れると思ってたのに~。」
生徒7「私も~。塾あんだかね。」

生徒8「『ラブジェネ』見たいのに~」
学級委員「『ラブジェネ』って、あんたね…なんなのよ、それ。」
生徒8「『ラブジェネレーション』よ。知らないのぉ」
学級委員「し、しってるわよ!!キムタクと学級会と、どっちが…」
生徒8「キムタクよ!」

学級委員「あんたね、私が言い終わる前にいうんじゃないわよ。」
生徒9「めんどくせーよ、学級会なんて」
生徒10「そうよそうよ」
生徒11「そうだそうだぁ!話すことねーしぃぃぃぃ!!」
生徒12「学級委員!いまさら、なにか早急に話さなければならないことでもあるんですかぁ」
生徒13「(でたぁ、優等生♪)そうだ、そうだ」

学級委員「あんたたちね、給食が盗まれて、何が「話す事ねーしぃ」なのよ!」
生徒12「だって、給食でしょお?給食費じゃないんでしょ?」
学級委員「盗まれたモノに大きいも小さいもないの!」
生徒12「なに、青島ぶってんのよ」
学級委員「青島ぶってなんかないわよ!そういうあなた達は、大きい事件しか取り合わない本店系よ!」
生徒13「そういえば、あいつ官僚目指してるんだもんなぁ」
生徒14「えぇぇぇ!そうだったのぉ!?でも、彼女の成績ならなれると、私は思うわ」

学級委員「そこ!関係ない話は、今はいいの!」
生徒15「民主主義!民主主義!」
生徒16「そうだ、言論の自由!言論統制反対!」
学級委員「今日現社で習ったこと、すぐ使ってんじゃないわよ」
生徒17「トイレいきたーいぃ!」
学級委員「い、行ってきなさいよ!」
生徒全員「私もトイレェーー♪」
学級委員「だーめ☆」

生徒18「可愛くいってんじゃねーよ!」
生徒19「ばっかだなぁ、おめぇ、あんなん可愛いの?」
生徒18「か、可愛くねーよぉ!勘違いすんじゃねぇよ」
生徒20「学級委員、帰っていいですかぁ?」
学級委員「だーめ!」
生徒18「可愛い娘ぶってんじゃねーよ!」
生徒19「ばーか、やっぱ好きなんじゃねーか」
生徒18「ちげーよ!違うって!!勘違いすんじゃねーよ!」
生徒19「もういいじゃねーか、白状しちゃえよ。だって、今のが可愛いんだろ?」

生徒21「おめーら、うっせーぞ!さっきから。」
生徒18「【可愛い】なんて言ってねーし…『河合その子みたい』って言ったんだよ」
生徒21「それでいいじゃねぇか」
生徒18「いや、言ってないんよ、実は」
生徒19「もう付き合ってらんねー」
学級委員「と・に・か・く!給食が盗まれたことはみんなも知ってるはずでしょ?!」
生徒22「知ってるよ」
生徒23「おれ、知らねー」

生徒24「あんた知らないのぉ?今日学級委員の給食が盗まれたのよ」
生徒23「なんだよ、学級委員のかよ。そんな私的ごとをこんな公的な場に持ち出して来んなよ」
学級委員「何が私的ごとよ!犯行は給食の時間という公的な場で起きたんだからね」
生徒8「(うわっ…『ラブジェネ』始まってるよ…)」
学級委員「大体、盗んだの、あんた達でしょ?」
生徒25「ひどい!そんな勝手な犯人呼ばわり…」
学級委員「こんなかに居るって意味よ」

生徒26「大体さぁ、給食費じゃねぇんだろ?給食だろぉ?」
学級委員「給食盗みのようが悪質よ!」
生徒27「どう意味だよ?」
学級委員「給食費盗まれても給食は食べれるのよねぇ~。でも給食盗まれたら、食べれないの」
生徒28「時代だなぁ~」
生徒29「確かに…給食費未納問題のひずみか…」

生徒30「なにかっこつけてんだよ」
学級委員「私はね、給食費ちゃんと払ってるの。なのに給食食べれなかったんだからね!」
生徒31「じゃあ、給食費払わずに給食食ってる奴と合わせてプラマイゼロってことだな」
学級委員「どういうことよ!!!!!」
生徒28「じゃぁ、もう多数決で決めようよ。」

学級委員「何を決めんのよ」
生徒28「学級会を開くかどうかをだよ」
学級委員「二度手間よ…まぁ、いいわ。じゃあ多数決採ります。
       全員で31人。16人以上が賛成なら学級会開催だからね!…じゃあ賛成の人!」
生徒30「…。学級委員、おめーひとりじゃねぇか!」

学級委員「反対の人!…いちにさんし………
       ………にじゅうきゅ、さんじゅう…さんじゅういち……??…一人多い…!!!」
以下:学級委員の回想

「はっきりと覚えています…その時の、わたしの担任の腕は…そう…天空を突き破らんばかりに…」
 まっすぐ伸びていました…そう、エクスカリバーの様に…」

「それだけに、悲しかったです…」

やさしすぎるということの結末

2007-02-07 06:05:52 | dramas
優一は電話に出た。

優一「はい、もしもし」
相手「あ、もしもし~」

優一「もしもし…」
相手「もしもし…」
優一「も」

相手「し?」
優一「も?」
相手「し~」
優一「ちっ…」

優一は電話を切った。
しかし、再び電話が鳴る。
鳴るに鳴る。
鳴っていない余地は、ない。
電話に出ない優一。

鳴り止まない着信。
電話に出ない優一…かれこれ1時間経つが、電話鳴り止まず。
電話を遠くに投げてしまおうと、大きく振りかぶった!…が、結局は振りかぶることしか出来ない。
振りかぶった手を下ろし、握った(未だ鳴り続けている)携帯を、見つめる。
なぜ、そうしないのか。なぜ、それを放らないのか。放れば楽になるのに…でも、彼は放らない。
冷やかしと分かってても、電話を投げきれない、その、優一の優しさなのである。

「優一」という名は彼等の両親が(優しい子に育って欲しい!)という願いを込めて名付けたのである。
ご覧の皆様には観ていただきたい、これからの優一の所業の全てを!
そして、目にした優一の優しさを
皆様の今後の人生における何らかに役立てて頂ければ、それは至上の喜びである。
話は続く。彼は…彼はきっと、電話に出る!しかも、99%!

優一「…」
相手「もしもし…」
優一「…もしもし」
相手「やさしいのね…」

優一「…」
相手「もしもし」
優一「…も、もし…もし」

相手「もしもし」
優一「も…もしも…し…」

相手「そんなあなたにFALLIN’LOVEよ」

優一「…」
相手「(今、完全に私が優勢だわ。やり込むなら今よ!) もしもし」

優一「もしも…」
相手「もしもし」
優一「…もしも明日が来ないなら」

相手「!」
優一「もしも願いが叶うなら!」
相手「やめて…」
優一「もしも、もしも…」

相手「もう…やめて…やめてよ!【もしもし】って言って!」
優一「もしも空を飛べたなら!」
相手「やめて!やめてぇぇぇぇ!!!!」

優一「鳥のように!!」
相手「…わ、わたし…もう、だめ…」

確かに彼・優一は最後の最後に相手を、女を傷つけてしまった。でも、彼の気持ちも分かってあげたい。

こんな僕でよかったら~私の中の、私達~

2007-01-12 07:34:00 | dramas
はじめに
これは、筆者の心の中の葛藤を、二人の会話により、客観的に描いています。
登場人物:1、宗乎春生(ムネヲハルオ・自信家な面を擬人化)
      2、卑定乎(ヒテコ・私の自己否定精神を擬人化)

それでも、私は、自信をもって生きています! 筆者より。

宗乎春生(以下宗)「あの人のことだけどさぁ、やっぱ凄い人だよ。」
卑定乎(以下卑)「何よ、いきなり。」

宗「いや、あの人の事だよ。」
卑「どこが凄いのよ、一体。」
宗「まず、あの行動力。」

卑「もうちょっと人の目も考えなさいって感じかな、私はそう思うけど。」
宗「あのな~、人の目や噂を気にしてたら何にもできないよ。」
卑「そりゃそうだけど。まぁ、といいながらも、あの人は結構周りに目とか気にするタイプじゃない?」
宗「そんなことはないだろう…」

卑「見てて分かるもん。例えば、思いっきりの無さとかもそうじゃない、歯切れの悪さとか。」
宗「控えめなんだって…」
卑「控えめかどうかは関係ないでしょう。見てて緊張してるって分かるしね、人前とか特に。」
宗「結構良いところあると思うけどなぁ…」
卑「全然。ほんっとに駄目な人よ、知らないの?」

宗「そんなことはないと思うよ…」
卑「いや、駄目ね。あの人は駄目な男よ。」
宗「どこが。ど、どこが駄目なんだよ。」
卑「まずね…」
宗「まずねってことは、複数あるって事だよね。」
卑「あるわよ、あるわ。まずね、計画性がないの、あの人。」

宗「いや、あの行き当たりばったりがいいんだよ。」
卑「そう解釈する?あんたらしいわね。お金の問題だってそうよ。」
宗「お金って?」
卑「あの人、手元にあるお金、全部使っちゃうんだから!」
宗「あの人なりに考えてるんだと思うよ。」
卑「何にも考えてないわよ。」
宗「そんなこと無いって。」

卑「考えてない考えてない。じゃ、何考えてるの?」
宗「後悔したくないんだと思うよ。」
卑「何それどういう意味?」
宗「そこで我慢して『買っといたらよかったのに』っていう後悔が人生損している気がするらしいよ。」
卑「それは分かるわよ。でも、それって自分のお金って訳じゃないでしょ?」
宗「まぁ…でも、そこから何かを考えたりして得てるものは大きいと思うよ。」
卑「何も考えてないわよ。」
宗「考えてるって!」
卑「じゃあさ、あの人ananとか買ってるけど、あの人の口から恋愛話の一つや二つ聞いたことある?」

宗「ないけど…」
卑「ほらぁ~」
宗「でもさ、でもさ!彼結構恋愛はしてるって。」
卑「何で分かるのよ?」
宗「彼、ほっぺた赤いもん。」
卑「ばかね。それじゃ何、ノンノのモデルはみんな恋してるの?してるでしょうね!」
宗「ほら。」
卑「いや、【ほら】じゃないの。突っ込んでよ。メイクよあれは。
   とにかく、あの人はしてないって。ほっぺた赤くて恋愛してないの彼ぐらいよ。」

宗「いや!してるな。」
卑「だぁかぁらぁ~、何で分かるのって聞いてんの。」
宗「恋をしない人間なんていると思うか?」
卑「いい事いうわね。いないわ。じゃさ、仮にしてるとしても…人に自分の恋を語れないなんてね…」
宗「なんだよ。」
卑「所詮、つまんない恋してるってことよ。真剣じゃないのよ。」
宗「真剣だって。あっ、彼シャイだから…恥ずかしいんだと思う。」
卑「恥ずかしい?恋のどこが恥ずかしいのよ。素晴らしいじゃない?カッコいいじゃない?」
宗「…」
卑「シャイなのはね、相手の前だけでいいの。第③者に対してもそうなのは、唯の人間不信よ。」

宗「いや、人間不信ではないだろ。」
卑「あの人ね、以前『恋は知らへんねん、愛は知ってるけど』って言っててね…下手な関西弁で。」
宗「あれは、ギャグでだって。」
卑「恋や愛にね、笑いなんて必要ないのよ。そんなんだからいつまで経っても恋できないのよ。」
宗「してると思うけどなぁ…」
卑「あとね、恋愛もそうだけど、あの人いっつも自分が不利になると茶化すでしょ?」
宗「それは愛嬌があるってことだって。」
卑「あんのよ。確かに愛嬌はあるんだけど、それじゃいつまで経っても真剣な話が出来ないのよね。」
宗「真剣な話もしてるって。」
卑「してるんだろうけど、してるように見えないの。いつもあんなんだから。」
宗「彼、健康でしょ。」

卑「いきなり何言い出すのよ。まぁ、確かに、健康ね。それは否定できないわ。」
宗「でも、それ以上にもっといいところはあると思うよ。」
卑「何よ、それは。」
宗「えぇっとねぇ、えぇっと…」
卑「出てこないじゃないのよ。」
宗「文章が上手いとことか。」
卑「下手よ!えっ、あんなのがいいわけ?」
宗「そうだよ。いいと思うよ。」
卑「あのね、いい?良い文というのはね、簡単な言葉で成り立つものなのよ。」
宗「?そうなの?」
卑「難しい言葉なんてね、要らないの。」
宗「でも言葉を知ってた方が…」

卑「そりゃそうよ。知ってるに越したことは無いけど、知ってたら全部言わないといけないの?」
宗「まぁ、別に、言わないと駄目ってことはないけど…」
卑「【言わない】って選択肢もあるの。あの人がやってるのは、ただひけらかしてるだけよ。」
宗「それは言いすぎだよ。」
卑「大体ね、言葉とか文章って、誰のためのものよ。言ってみなさいよ。それを読む人のためよ。」
宗「おい!…考える間を与えろよ。」
卑「いんや。あの人を弁護するようなね、あんたには結局分かんないのよ、きっと。」
宗「…」
卑「あのね、明文化っていう作業、これは誰かに読んで貰うためでしょ?」
宗「そうだけど…」
卑「その読んでもらう人が誰でもね物知りじゃないわけよ。分かる?」

宗「まぁまぁ、ね。そうだけど。」
卑「だから、誰が見ても読める文、かつ、理解できる文ってのが良い文なの。」
宗「分かったよ。」
卑「あの人はね、自分の知ってる難しい言葉を使って、それで出来た文に満足している小さい男よ。」
宗「分かったって!じゃ、他になんかあんの?駄目なところ。」
卑「…ひけらかしで思い出したけど、あの人、自分を読書家ってことも一々人に言ってるでしょ?」
宗「自分が何をしてるかを人にいうのは悪くないんじゃない?」
卑「本当に読んでる人はね、人に言わないの。本当に勉強している人が『勉強してます!』って言う?」
宗「…、まぁ言わないけど…」
卑「本当にオナニーしてる人が、『私オナニーしてます!』って言う?」
宗「いや、言わないけど、してない人も言わないし…」

卑「あの人はね、ただ『オナニーしてます!』って言いたいだけなのよ。」
宗「読書でしょ?」
卑「???あっ!!…ちょ、ちょっと~、言わせないでよね。騙したでしょぉ?あたしの事ぉ。」
宗「はぁ!?兎に角、あの人読まない人よりはいいじゃんか。」
卑「そりゃ、本読まないよりはいいけど、それを一々ひけらかすのはどうかと思うのよね。」
宗「でも、読まない人よりは、読んでる人の方がいいでしょ?」
卑「だぁかぁらぁ!ね、読む読まないは問題じゃないの!
       人に一々言うかどうかが問題なの。問題のすり替え、小泉か!お前は」
宗「純一郎か!」
卑「そうよ!純一郎よ。」

宗「お、おう…」
卑「いや『おう』じゃない。なによ、収まっちゃったじゃない!」
宗「…」
卑「そういえば、彼はそんなことないけど、あなた小泉にそっくりね。目が…野心があるっていうか」
宗「野心か…」
卑「そう、あの人が欠けているのは野心なの。」
宗「何事も控えめな人ってことだよ。」
卑「控えめじゃ、何も成し遂げれないわよ。たーだ、さっきもあんたが言ってた行動力とは違うけどね。」
宗「似たようなもんだよ。」

卑「全く違うわよ。行動はね野心に基づいていかなきゃ駄目なの。子どものときはいいけど…」
宗「けど、なんだよ。」
卑「あの人も、そろそろ自分の野心に正直になってもいいんじゃないのかな?と思って…」
宗「野心…大きな目標か…」
卑「ま、そういうことね。彼の場合、行動するのはいいかも知んないけど、目的が分かんないのよね。」
宗「目的か…彼なりにもってるって。」
卑「あ、あとね…」
宗「まだあんの!?」
卑「あるわよ。あの人ね、携帯のメールとか、返すの遅いでしょ?」

宗「ああ、あれね。なんか、持ってない時もあるし、電池切れも多いな。でも仕方ないんじゃない?」
卑「仕方なくないわよ。イライラするんだから。」
宗「携帯電話に依存している自分が嫌って言ってたけど。」
卑「それだけのために、他人がどれだれ迷惑してるか知ってんのかな?」
宗「それは結構反省してるみたいだったよ。」
卑「全然見えないけどね。行動が伴ってないもん。そもそも、さっきの理由もおかしいわよ。」
宗「なんで?」

卑「逆に、もの凄く依存してると私は思うけどなぁ。それを自分でも分かってるけど
       そこで、携帯しないって方法しか採れないなんて駄目ね。いい迷惑だし。」
宗「まぁ、いいじゃん。」
卑「あの人、人の事考える人の事考えるって言ってて、全く考えてないんだから…」
宗「でも、それは誰だってあることだし…」
卑「誰だってあることに陥っていることは、結局はあの人も他の人と一緒で、普通の人なのよ。」
宗「そんなことないって!俺だってあるし、自信過剰で周りが見えなくこととか…」

卑「あんたがどれほどのもんなのよ。」
宗「別に大したもんじゃないけど、自信を持って、胸張っていかなきゃ駄目な時もあんの。」
卑「自信だけじゃ駄目なのよ。それに、その自慢の自信もさっきから中途半端だし…」
宗「分かってるって。お前みたいに否定する女も、結構必要、というか…」

卑「というか、何よ。」
宗「どんな自信家でも、お前みたいな女を頭ごなしに否定するのは結局無理なんだな。」
卑「あら、そう?なぁーんだ、がっかり。」

宗「何でだよ。」
卑「私なんか無視するくらいの、確固たる自信っていうの?期待してたけど。それじゃ何も出来ないわ」

宗「…」
   
      このように、私、自己否定を原動力に、生きてます!元気です! 筆者より。

行き遅れた急ぎ娘たち・2007新春

2007-01-08 06:42:50 | dramas
女、都内某所の有名な女性占い師を訪れる。

女「あの~、占って貰いたいんですが…」
師「!あ、あのね、あなた。い、いきなり来てそれは無理っていうものよ。半年先まで予約一杯なの。」

女「そ、そうですよね…。でも!」
師「いや、(でも)じゃないの。自分で言うのもなんだけど、私も結構ね売れっ子占い師なの。」
女「きついです、自分で言うのは……す、すいません!つ、つい…」

師「ふっ…あなた正直ね。思ったことは口に出さないと気がすまないタイプでしょ?」
女「あっ、分かります?そんなことも分かっちゃうんですかぁ?何かすごぉ~い!」
師「おだてない、おだてない♪兎に角!予約してチョーダイ。話はそれからよ。」
女「は、はい…でも、どうしても今すぐ診て欲しいですけど…」

師「だ・め・よ☆…書いた?」
女「はい、これいいですか?」
師「字汚いわね。まぁ、いいわ。じゃあ半年後にまたね、田中さん♪」
女「吉岡です。」
師「よ、吉岡!?汚すぎるわよ、字が。もう一回。占いもね、そういうところからちゃんとしなきゃ。」

女、再記入。
師「書いた?」
女「はい…でも!」
師「いや、(でも)じゃないの。もう他に客待ってるから。あなたも大人なら分かってチョーダイ。」
女「分かりました…but!」
師「いや、(but)じゃないの。これはルールなの。」

女「ルール…でもルールはたしか和訳すると(規則)!確か規則っては…破るための…」
師「…ものじゃないの。そんな映画の受け売り絶対にやめなさい。もう子どもじゃないんだから…」
女「す、すいません、馬鹿が過ぎました…では。」
師「…ちょっと待って!」
女「!!はい?」
師「あなた、もうここに来ないでしょ?」
女「何を言ってるんですか?来ますよ。」

師「いんや、あなたは来ないの。私には分かるの。」
女「ど、どうして分かるんですか?」
師「私には見えるの。厳密に言えば【来れない】といった方が正確かしらね。」
女「来れない…まさか…」
師「そう、そのまさかよ。」
女「…いや、今私、何も考えてなかったんですけど。適当に(まさか)って言ってみただけで。」

師「あ、あなたねぇ!!!!!…ごめん、私も。なぞってみただけ。」
女「えっ、ええええええええええーーーーーーーーーーー!」
師「う・そ。うそよ。」
女「もぉ~。」
師「あなた、失恋したでしょ。」

女「!!!!!!!!!」
師「分かるわよ。それで死ぬつもりでなんでしょ?」
女「…」

師「駄目よ、そんなことしちゃ。自殺なんてそんな馬鹿真似、絶対駄目!」
女「…」

師「世の中で一番くだらない事って知ってる?」

女「世の中で一番くだらない事?」
師「そ、世の中で一番くだらない事。」

女「分かりません…。」
師「殺人よ。」
女「自殺ちゃうんかい。」

師「自殺もそう。でも、それ以上に人を殺すことは、本当にくだらないの。」
女「私が、人を殺すと…?」
師「あなた、私を殺しに来たんでしょ?死ぬ前に私も殺して、その後自殺って、そういう訳ね。」
女「!!!!!」

師「それはそうね、なぜなら、あなたの元彼を奪ったのは私ですもんね。」
女「私が…私が…どれだけ愛してたか…知ってんの?」
師「知らないわ。知らないけど…」
女「知らないけど何よ!」
師「私もあなた以上に彼を愛してるのよ。私、大ナリあなたよ。」

女「何言ってんのよ!あたし、大なりぃ、あなたよ…私はね、結婚を考えてたの。」
師「け、結婚?」
女「そう、結婚よ。」
師「結婚を甘く考えてんじゃないの?結婚というのはそんなに甘くないのよ。」

女「分かってるわよ。」
師「いや、あなたは分かってないわ。そんなに急いでどうするの!」
女「急ぐわよ!このままだと負け犬だもん。あなたはいいわよ、彼が居るんだから。」

師「バカぁっ!」
占い師、女を平手打ち。

師「負け犬がどうしたのよ。負け犬でいいじゃない…私ももう52。今さら結婚しても所詮…」

師「負け犬なのよ。紹介なら協力するわ。知り合いでいい人知ってるから。少し年上だけど。59歳」
女「うう…お、お願いしますぅ、ぅぅぅぅ…」

師「任しときなさい…さぁ立って、もう泣かないの☆さぁ隠してるバズーカ出しなさい、見えてるわよ。」

事後処理は大切って、またあのひとに教えられました。ダメな久子より。

2006-10-28 20:13:51 | dramas
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー…」

書斎のドアを開いて、信子の目に、まず飛び込んできたのは
【紅】という色彩。部屋中が真っ赤で、それと…瀕死の父・信雄だった。虫の息である。

信子「か、か、かあさん…かあさーーん!と、とうさんが!!!!!」
久子「うるさいわね~、とおさんがどうしたって…おとうさん!あなた!あなた!!」
信子「ど、どうし、どうして…」

久子「とにかく、幸一叔父さん呼びましょ!!電話して!」
信子「…」
久子「何突っ立ってるの!!早く!!!」
信子「は、はい!」

信子、電話に駆けつける。タタタタタタタタタタタタっ…タタタタタタタタタタタタタ…
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタっ。タタタタタタッタタタタタタっ…
信子「ん、はぁはぁ、はぁはぁ、んっ、はぁはっは…こ、こんな時に限って、廊下って長く感じる」
タタッタタタタッタッタタタタッタッタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタッタッタ…
信子、ダイヤルを回す。「あっ、幸一叔父さん?」

一時間後。
久子「あなた…」
幸一駆けつける。
幸一「信雄!!!」
久子「あっ、おにいさん!」
幸一「ど、どうして…」

久子「私が駆けつけたら、この人…」
幸一「とにかく、大阪の義男さん、呼ぼう。」
久子「誰ですか?」
幸一「遠い親戚だ。母方の。」
久子「じゃ私電話してきます。何番ですか?!」
幸一「…」
久子「何番ですか!信雄さん!!!突っ立ってる場合じゃないでしょ!」

幸一「すまん…06-****-****だ。」
久子「と、とにかく来てもらいます!」
タタタタタタタタっ…タタタタッタタタタッタッタタタタタタタッタッタッタッタタタタッタっ。
ッッタッタッタタッタタタタタタタタタッタタタタタタタッタタッタタッタタタタタっ。
久子「長いわ…廊下。」
タッタッタタッタタタタタタッタッタタッタタタタっ。
書斎にて、幸一。
幸一「のぶお…なんで…くっ…」

3時間後、義男駆けつける。
信子「おじさん、義男さんが。」
幸一「あっ。」
義男「の、のぶおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…!どうして…」
久子「最初に見つけたのは娘の信子で、私も駆けつけたら、もう酷い状態で…」
義男「の…ぶお……田中さんを呼びましょう…竜久さんの方の。」
幸一「は?」

義男「西宮に住んでおられます。早く!!」
幸一「あの、誰ですか?」
義男「知り合いです、信雄の。東京で会ったとかで…そうか、聞かされてたのは私だけだったか…」
久子「こ、幸一さん、とにかく、ここは。」
幸一「あ、あぁ。(???)」
久子「あの、連絡先は…」

義男「0787-****-****です。」
久子「とにかく連絡してきます。」
義男「来てもらってください。」
久子「は、はい!」
幸一(誰やねん、そいつは)

久子「しかし、廊下長いわ。」

2時間後。
義男「竜久さん!」
竜久「の、の、のぶお…な、なんてことを…どうして…」
幸一(だれ?この人)

久子「あの、私が駆けつけたら、もう…虫の息で…」
竜久「…………父を呼びます!」
幸一(なんで?)
幸一「久子さん、ちょっと。」 幸一、久子を部屋の隅へ引っぱる。

幸一「あの人だれなんですか?なんで、あの人、自分の父を呼ぼうとしてるんですか?」
久子「今は、そんなことを言ってる場合じゃないでしょ、分からないんですか!この状況が!」
久子「何番ですか?早くしないと、この人死んでしまう…」

義男「久子さん!縁起でもないことを…。この人は助かります!死なせはしません!」
と、その時!!!!!!!瀕死の信雄の口から、微かに声が漏れた…

「あ、あの、い、いい加減、警察か救急車、呼んでく、ください…じゃないと、し、しんじゃう…」