松ちゃんの『やりっ放し やられっ放し』

あなたが気になりだしてから 世界が息づいてる(松任谷由実『緑の町に舞い降りて』より)

5scenes

2005-10-20 19:22:15 | dramas
勘違い…

その男はいつも、振り向いた。
He「I Love You...」

She「...me,too.」
そんな異国人男女の奥で…
その男「!…(俺のこと)??」 (scene1 fin.)

scene2
その男1人。映画館。スクリーンの中の男女が囁き合う。
「I Love You...I love you!!」
その男「!!」 その男は猛烈に意識した。

scene3
その男の想像の中。女と口論している。別れ話だ。
その男「じゃ、じゃあ…」
   女「何よ?(じゃ、じゃあ)って。この場面でじゃじゃ馬グルーミンアップ?どういう神経…」
その男「いわねーよ。おかしいだろ。ってか何で知ってんの!?言えよ、言ってくれてたら…」
   
   女「言ってくれてたら何よ…」
その男「その話で盛り上がって、もしかしたら今時別れ話なんてせずに済んだかもしれんし。」
   女「いや、私たちはこうなる運命だったのよ。タロット占いでも、姓名判断でもそう出てるし。
     極めつけは今朝の星座占いと血液型占いよ。どちらも1位だったし。」
その男「何で1位で別れんだよ?1位なら別れなくてもいいじゃん。」
   女「考えが浅いわね。ラッキーポイントよ。今日別れると人生最大の幸運が巡って来るって…。」

その男「…」
   女「それだけじゃないわ。0学占い、四柱推命、Dr.マリオの風水、京都市中全神社のおみくじ…
     あと、六星占術でもちゃんと出てるし。新宿の有名な占い師にも占ってもらったわ…」
その男「果てしないな…俺ら。」
   女「(果てしない)か…確か、うめもとっていう野球選手の口癖だっけ。彼のフレーズをパクったのね。
     …私がパクる事に敏感なの知ってるでしょ。今だから言うけど貴方の放つ独自のフレーズ。
     私はね、あなたのその独創性には一目置いてたの。なのに…。まぁいいわ、もう終わった話よ。」

その男「只、占いで別れるなんて、なんか嫌だよな。」
   女「あら、理由は他にあるわよ。」
その男「そうなのか?」
   女「当たり前よ。占いごときで別れる訳ないじゃない。占いはとどめに過ぎないわ。」
その男「じゃあ、ほんとの理由を教えてくれないか?」
   女「あなたがやけに「I Love You」にこだわったことよ。」

その男「それだけ?たった…?」
   女「いい!私はねアラビア語で(愛してる)って言いたかったの。それをわざわざ英語で。」
その男「何言ってんだよ!(I Love You)は世界共通の愛の言葉だ。」
   女「そういう考え方がだから、いつまで経ってもイスラム諸国とアメリカは対立し続けるのよ。
     自分の価値観を強制しないでよ。なんでもかんでも民主主義、資本主義を押し付けて…。」

その男「押し付けてないわ!押し付けてるのはアメリカだろうが。」
   女「同じよ。キリスト教とイスラム教の共同作業は、個人レベルでも無理なようね…
     何が(I Love You)よ。ベッドの上でいざ鎌倉って度に毎回毎回こんな話を…
     結局私達本当にセックスレスだったわね。」

scene4
タワーレコードにて。その男、Mr,Childrenの新盤を目の前に…
その男「惜しいなぁ~、字が違うわ…」

scene5
ある町の役所にある書類が提出された。改名の旨が記してあるその紙は、職員の間で話題になった。

その男、小島・I Love You・博史への改名につき…勘違い。

成長

2005-10-14 00:38:16 | dramas
ピアノを前に、母娘がレッスンをしている。

母「はい!まず、『ド』!!『ド』は何のド?言ってごらんなさい。」
娘「ォーゥ・…・ァッショ…」

母「は!?聞こえない。」
娘「オールド・ファッション…」
母「違うでしょ!ドーナツ、ドーナツよ!何度言わせるの?」

娘「だって…」
母「だって何よ。」
娘「オールド・ファッションもドーナツじゃん!」
母「じゃんって何よ、じゃんって!何、ハマっ子ぶってんのよ!」

娘「そらさないでよ!」
母「ひ~とみ~…」
娘「話よ!!何でこの場面でFIELD OF VIEWなのよ!それにお母様、ちゃんと見つめてくれてたじゃない!」
母「DEENよ!だから素人は困るのよ。」
娘「とにかく!話を、そらさないでよ。早く次の『ド』までいきたいの。私、成長したいの!」

母「…分かったわ。じゃあ続き、いきましょ。」
娘「はい、お母様。」
母「いい?最初の『ド』は何がなんでもドーナツのドよ。種類とか味とか、どうでもいいの。」
娘「…判らないわ!最初が『ド』だから?そんなに『ド』が始めに来なきゃいけないの?」
母「違うわ!決して。それが理由なら…
  なぜ『ソ』が蒼井そらの『ソ』になるのよ!…ごめん。あなたにはまだ難しい話ね。」


娘「いいんです。謝らないで、お母様。…判りました。」
母「幸子、成長したいなら、その(なんで)っていう探求心を大切にしなさい。…『ド』の次、何だと思う?」
娘「…『ウ』。ドウモファソラ…」
母「ちょ、ちょっと!何よそれ。最初の3つがオカシイわ。吹き込まれたのね?誰なの?言ってみなさい。」
娘「…」

母「幸子!」
娘「隣のお兄ちゃん…」
母「まさか…!!」
娘「そうよ、ひろしお兄ちゃんよ。」

母「あれほど釘を刺したのに…いい?これから一切、近づいちゃだめよ!」
娘「何で!?何でよ?何でお母様は、そんなまでして嫌うのよ!?」
母「逆に…逆になぜそこまでして彼の肩をもつの?最近みんな彼を異常にリスペクトしちゃって…」

娘「…彼は神よ。彼の言葉を聞いたことある?【そこに理由はない】【可能性はゼロじゃない】」
母「それがうそ臭いのよ!彼のフレーズに何度騙されたか…お母さん、同じサークル同じ代だったの…」

娘「それでお母様、性転換して女に…確かに今も同じフレーズって成長ないわね。…目が覚めたわ。」

都内病院にて。~ANOTHER STORY~(1)

2005-10-12 15:21:04 | dramas
自分の大事な人が目を覚ます。其の嬉しさは、其れ迄の疲れを消す。

冷静で居られなかった。
いや、主治医を探しに行った事に関してのみ冷静と言える。

女「せんせーい!せんせーい!!」
病院の廊下を走る。「病院の中を走るなんて…」と周りは冷たい視線。
が、気にしない、というか気づかない。どっちも。

看護婦「アナタ、廊下を走らない!!ここを何処だと思ってるの。」
   女「彼が…彼が目を覚ましたんです!!どうして走らずに居られようか、いや、居られない。」
看護婦「あなた、人が怒ってる時によくもまぁ、ご丁寧に最後まで反語を言ってくれて。
     …喧嘩の最中にどうして反語の説明なんてできようか、いや、できない。」

   女「あなただって言ってるじゃないの。兎に角今は反語どころではないわ。あなたに構ってる暇も…」
看護婦「いや、こんな時だからこそ反語は必要なの。こんな時だからこそよっ!」
   女「反語反語反語反語ってしつこいのよ。何故、そこまで反語にこだわるの?あなた、まさか…」
反語婦「そう。反語婦よ。バレちゃったらしょうがないわね。驚いた?」
   女「そ、そりゃ驚くわよ。人が、こんな時にどうして驚かずに居られようか、いや、いられ…」

女・反語婦「ない!」
   女「!」
反語婦「ふふ。今のは【居られようか】で止めておくべきよ。」
   女「どうして…どうして…」
反語婦「文法的に言って、今のは話の流れを考えると…」
   女「いや、そんな話じゃなくて。どうして、看護婦さんじゃなくて反語婦なんですか!」

反語婦「…そうね、あなたには話ししておこうかしらね。あれは学生時代よ…後は容易に想像が…」
   女「つかないわよ。つくわけないじゃない、学生時代ってキーワードだけで。何が、何があったの?」
反語婦「…あの頃私たちは看護学校でナースを目指して、必死で勉強してたわ。」
   女「必死で…」
反語婦「そう、必死で。必ず死ぬ、勉強しないと必ず死んでしまうと。本気で信じてたわ。」
   女「いや、【必死】というのはそういう…まぁいいわ、それで?」
反語婦「モチベーションの問題ね。あなたもあるでしょ?何かに頑張ってて、その情熱が冷めてしまう。」
   
   女「誰にでもね。」
反語婦「私にもあったわ…ずっと看護学を脇目もそらさず勉強してたからなぁ…ある日突然プッツンよ。」
   女「勉強が手につかない。」
反語婦「そう、勉強をしなくなり、どうなってもイイとまで思ったわ。でも、気づいたの。死なない、と。」
   女「当たり前じゃないの!まだ信じて…」
反語婦「聞いて!勉強しなきゃ死ぬと信じてた私が、自ら勉強を放棄した。此れは明らかな自殺行為よ!
     でも…死ななかった。未遂よ。」
   女「未遂って…それであなた、どうしたの?」

反語婦「其の時私には裏切られた感覚があった。」
   女「裏切られた…?」
反語婦「そう、自分に。世の中に。」
   女「どういうこと?」
反語婦「必死に勉強する事が「勉強しなきゃ死ぬ」と定義してた世の中と、それを信じてた私によ。」
   女「そんな風に定義されてないわよ。」
反語婦「それなら、たとえどう定義されようと、私がそう定義してた時点で、定義されてないのと同じよ!」
   
   女「…」
反語婦「定義してない世の中のせいよ!…話を進めるわ。私は裏切られたと思った。
     私は世の中どうでもいいと男に、酒に溺れた。堕落よ。」
   女「デカダン…。」
反語婦「私は、ついにアレに手を出した。それは既に私の仲間・看護学生のあいだに出回っていたわ。」
   女「まさか…ドラッグ!?」

反語婦「ふん!
     クスリなんか目にもくれないわよ。…反語よ。は・ん・ご☆」
   女「何が反語よ!別に恐ろしくなんて…」
反語婦「いかにも素人が言いそうなことね。いい?反語にも依存性があるのよ。」
   女「反語に依存性?」

反語婦「そう。特にフレーズにこだわる男なんていちころじゃないかしら。例えば今テレビとか出てる…
     あの博史弁護士。『No Reason』だの『HIROGERE』だのもの凄いフレーズにこだわってるけど、
     彼が一度でも反語に触れたら一発よ。それに彼、話は逸れるけど、ランキング大好きらしいし。」
   女「まぁ最低ね。まぁそんなことより、その反語漬けのあなたがなぜ病院で働いているの?」

反語婦「ア、アン…いや、タウン、タウ…そうよ!タウンワークよ。あれ、あってるっけ?」
   女「いや、求人情報誌の名前なんてどうでもいいの!どういう経緯かを…」
反語婦「募集してたの、反語漬けの看護学生を。世の中まだまだ捨てたもんじゃないわね。」
   
   女「じゃあ、ここの看護婦はみんな反語婦なの?」
反語婦「そうよ。ここではしつこい反語も許可されてるし、看護学も学べるし。楽園よ、シャングリラよ。」

   女「どっちでもいいわよ。どっちでも。でも、あなた、今とても良い顔してる。逝ってる顔ね。」

都内病院にて。

2005-10-11 20:46:41 | dramas
東京都内のある病院。

1人の男がベッドで寝ている。傍らの女はガールフレンドだろうか。
ずっと彼を献身的に看病してきたのだろう。彼女の顔には、疲れの色が伺える。

微かにではあったが、男の口が、動いた。微かに。
女「!!」
男「…ど。どぅ…も…」

男、はっきりとした言葉は発せないが、何か言いたそうだ。
女「い、意識が戻った…誰か呼んで来るね!」
彼女は飛び立って廊下を駆けていった。「せんせーい!!…んせーい!…ぇーぃ…」

彼女はうれしかった。
当たり前だ。
半年間意識が全く戻らなかった彼が、喋ったのだから。
女「先生!!…ぁれの、彼の意識が戻りました!!」

先生「誰だね君は?確かに私は普段、先生と呼ばれているが医者ではない。
   弁護士だ。来る所を間違えたようだね。」
 女「あっ、すいません。失礼しました。」
先生「ちょっと君!!待ちたまえ。」
 女「何か?」

先生「話を聞こうじゃないか、鍋でもしながら。いいかい?」
 女「いや、その、今それどころじゃ…」
先生「お金は取らないよ。」
 女「いや、お金の問題じゃなくて…大事な人の意識が戻ったんです。だから早く主治医に知らせないと」
先生「そうか大事な人か…それは良かった。丁度私の愚息も、意識不明の重態でね…」
 女「あの、もう行っていいですか?」

先生「ちょっと待ちなさいっていっているだろう。というか、人が話してる途中でしょうが!!」
 女「私もう行きます!!!」
先生「人が鍋を準備してる途中でしょうが!!お、おい…訴えてやるーーー!」
女は振り切り、階段を駆け下りた。玄関らしき出口を通り、外にでる。
女「何なの、あの人。田中邦衛のものまねなんかして…」
見上げてみると、『HIROGERE弁護士事務所』の看板が。そこは大阪だった。
きっと女は(何としたことか。浮かれモードでまさか大阪まで来てしまうとは)と思ったに違いない。

その頃、病院では…
男「…でさー、次に見たのが女の夢で、出てくる女が不思議な事に今の彼女じゃなくて別の女なんだよ。
  これ浮気じゃないよ。な?おふくろ。いろんな女が出てきたけど、結局俺はあいつを選ぶんだろうな…
  あっ、もしかしたら、好き過ぎて…そっか逆説か!そんなことより、あいつ、どこ行ったんだろう…」
主治医「…目茶々々、喋っていますね。さっきまで意識不明だったとは考えられない。」
   母「息子は、もう心配ないんでしょうか…」

主治医「見てください、この姿。心配のしの字も要りません。唯、「んぱい」は必要ですがね…」
   母「えぇーーーーーーー!!!」
主治医「はっはっはっはっは!冗談ですよ、奥さん。」
   母「ん、もう。先生ったら。」
主治医「兎に角、この調子だと1週間以内には退院できます。御主人には連絡されましたか?」
   
   母「いいえ。実はあの人とは今別居中なのです。彼は今、大阪で弁護士事務所を構えてます。」
主治医「大阪?小島…!!!もしかして…」
   母「そうです、あの悪名高い悪徳弁護士こそ私の夫なのです。」
主治医「そうですか…あっ、あの1つお聞きしてよろしいですか?」
   
   母「ええ、構いませんけど。」
主治医「テレビでもよく聞くんですが、あの『可能性は0じゃない』とか『××さんは…苦手です』っていうの
     あれって、プライベートでもあのフレーズをよく使われるんですか?」

   母「はい。それが原因で別居を…法廷でも使ってるらしいんですが、いくら有効だからといって…」
主治医「ま、まぁとにかく奥さん、息子さんも回復された事だし。荒げない荒げない、落ち着いて!」

   母「…何でも家庭に持ち込んだりして!家庭を家庭裁判所か何かと間違えてるんじゃないかしら。」

『2人』について苦悩する。

2005-10-03 18:03:11 | dramas
どうも。

きのう更新した分について。
結構反響が大きくて、吃驚しました。

いつも、最初の行に書く「どうも」を如何にかぶらない様にするか
悪戦苦闘しておるのですが
きのう書いたのも、実はその延長線上のアリアなのです。はっきり言って。

「どうも」のバリエーションをどうするかというので
毎日頭を痛めておる訳でございまして
時折
人間の会話を利用して物語の如く仕上げる事が多々あるわけですが…

大体そんな時は、第3段落ぐらい迄に済ませて次の段落では、本題に入って行きたいんですが
きのうのは、わたしハマっちゃいまして♪
皆さんもお気づきと思いますが、内容的には物凄い薄いんですね。

結局、女が男の処にやって来た理由も語られておらず
又2、人のその後について自分ながら気になるところで御座います。

『2人』のその後を描くべきか、また別の物語を造るべきか。只、今の今も私は頭を痛めておるのです。

2人

2005-10-02 13:10:47 | dramas
ある男女が、周りの人目を気にすることなく、2人共座って口喧嘩している。

男「(仕事場には来るな)って、いつも言ってるじゃないか!!!!」
女「だって…」

男「(だって)じゃない。」
女「だけど…」
男「いや、(だけど)じゃない!」

女「し、しかし…」
男「(しかし)じゃない。おかしいだろ!(しかし)は。」
女「ども…」
男「??(でも)じゃないのか!?」

女「ども…来るしかなかった。来たいの!来なければならなかったの。あなたがいるここに。」
男「わ、分かった。引っかかる事がある。(でも)だよな?(ども)じゃなくて。」
女「(ども)ども(でも)どもどっちだっていいじゃない!!接続詞の使い方なんて、今は問題じゃ…」
男「いや、使い方じゃなくて。接続詞自体がおかしいんだよ。」
女「今さら(でも)に直せと?私は…私はあなたのために…『で』を封印したの。」

男「お、俺様のためだと?俺様のた…」
女「…ゃめて、やめて。『俺様』なんてやめて。ちゃんと『俺』って言って。お願い。」
男「俺のためだと?」
女「そう!」
男「俺のためにだと?」
女「そう!!いいわよ、その意気よ。」

男「お前誰やねん。兎に角…俺のために『で』を封印しただと?」
女「そうよ。あなたのためよ。あなた、前の女の名前勿論憶えているでしょ?」
男「ああ。勿論だ。勿の論だ。『デ・スバニシュ』変わった名前だったが、付き合ってたのは事実だ。」
女「海外に留学してた時に、知り合って…」
男「そうだ。あぁそうか、前に話したっけな。私は当時、図書館に入り浸りだった。本の虫だった。
  いったい何冊の本を読んだろう…1冊…」
女「しかし、図書カードにはいつも、ある名前が先に書かれていた…耳をすましちゃったわけね。」

男「そうだ、その通りだ。私は会いたくなった、いつも私より先に読んでいる人に!」
女「此処から先は聞いていなかったわ。まぁいい、いま聞いときましょう。それが其の女だった…」
男「ちがうんだ。」
女「ち、違うの?」
男「ちがうんだ。その人は、前の女の弟の彼女の父親の従兄弟の嫁の友達のお姉さんだった。」
女「赤の他人じゃないの!!図書カードの人が、其の前の女かと思うじゃない!」

男「所詮世の中なんて、思い通りにいかないものなんだよ。」
女「何言ってるのよ?いきなり。何で図書カードの人の話からしたのかって聞いてんのよ!」
男「先を急ぐな!おまえはいつも先を急ぐ。焦ってもしょうがない。ゆっくり肩組んで行こうじゃないか。」
女「肩組めないじゃないのよ。見て分からないの?私達座ってるのよ。肩組みにくいったらありゃしない。
  そんなことより質問に答えなさい!まさか…あなた」

男「ふっ。やっと気づいたか、そのまさかだよ。そこに理由はないんだよ。」
女「私のまさかと違うわ。違うし、最低だわ。私の昔の男もそうだった。彼の名前はhiroshi。
  いつも「そこに理由はない」だの「No Reason」だの。でも「可能性はゼロじゃない」と彼は走り続けた…」
男「…そろそろ決着つけようか。教えてくれないか?『で』を封印した訳を。」

女「あの女『デ・スバニシュ』。話の中に、その名前は勿論『で』が出てくる度にあなたは頬を赤らめて…」
男「そうだったのか…悪かった。」
女「ただの『ジェラシー』よ。でも私気づいたわ。悪いのは私だったのかも知れない。
  
  『あなたのため』と言ってたけど、いつの間にか『あなたのせい』にしてた。わたし。わたし…」
男「もういいんだよ。さぁ立って。お前が立たないと俺たち釣り合わないから。」

女「そうね、あなたのはさっきから勃ちっぱなしだからね。勃ちっぱよ!何興奮してんのよ。」