勘違い…
その男はいつも、振り向いた。
He「I Love You...」
She「...me,too.」
そんな異国人男女の奥で…
その男「!…(俺のこと)??」 (scene1 fin.)
scene2
その男1人。映画館。スクリーンの中の男女が囁き合う。
「I Love You...I love you!!」
その男「!!」 その男は猛烈に意識した。
scene3
その男の想像の中。女と口論している。別れ話だ。
その男「じゃ、じゃあ…」
女「何よ?(じゃ、じゃあ)って。この場面でじゃじゃ馬グルーミンアップ?どういう神経…」
その男「いわねーよ。おかしいだろ。ってか何で知ってんの!?言えよ、言ってくれてたら…」
女「言ってくれてたら何よ…」
その男「その話で盛り上がって、もしかしたら今時別れ話なんてせずに済んだかもしれんし。」
女「いや、私たちはこうなる運命だったのよ。タロット占いでも、姓名判断でもそう出てるし。
極めつけは今朝の星座占いと血液型占いよ。どちらも1位だったし。」
その男「何で1位で別れんだよ?1位なら別れなくてもいいじゃん。」
女「考えが浅いわね。ラッキーポイントよ。今日別れると人生最大の幸運が巡って来るって…。」
その男「…」
女「それだけじゃないわ。0学占い、四柱推命、Dr.マリオの風水、京都市中全神社のおみくじ…
あと、六星占術でもちゃんと出てるし。新宿の有名な占い師にも占ってもらったわ…」
その男「果てしないな…俺ら。」
女「(果てしない)か…確か、うめもとっていう野球選手の口癖だっけ。彼のフレーズをパクったのね。
…私がパクる事に敏感なの知ってるでしょ。今だから言うけど貴方の放つ独自のフレーズ。
私はね、あなたのその独創性には一目置いてたの。なのに…。まぁいいわ、もう終わった話よ。」
その男「只、占いで別れるなんて、なんか嫌だよな。」
女「あら、理由は他にあるわよ。」
その男「そうなのか?」
女「当たり前よ。占いごときで別れる訳ないじゃない。占いはとどめに過ぎないわ。」
その男「じゃあ、ほんとの理由を教えてくれないか?」
女「あなたがやけに「I Love You」にこだわったことよ。」
その男「それだけ?たった…?」
女「いい!私はねアラビア語で(愛してる)って言いたかったの。それをわざわざ英語で。」
その男「何言ってんだよ!(I Love You)は世界共通の愛の言葉だ。」
女「そういう考え方がだから、いつまで経ってもイスラム諸国とアメリカは対立し続けるのよ。
自分の価値観を強制しないでよ。なんでもかんでも民主主義、資本主義を押し付けて…。」
その男「押し付けてないわ!押し付けてるのはアメリカだろうが。」
女「同じよ。キリスト教とイスラム教の共同作業は、個人レベルでも無理なようね…
何が(I Love You)よ。ベッドの上でいざ鎌倉って度に毎回毎回こんな話を…
結局私達本当にセックスレスだったわね。」
scene4
タワーレコードにて。その男、Mr,Childrenの新盤を目の前に…
その男「惜しいなぁ~、字が違うわ…」
scene5
ある町の役所にある書類が提出された。改名の旨が記してあるその紙は、職員の間で話題になった。
その男、小島・I Love You・博史への改名につき…勘違い。
その男はいつも、振り向いた。
He「I Love You...」
She「...me,too.」
そんな異国人男女の奥で…
その男「!…(俺のこと)??」 (scene1 fin.)
scene2
その男1人。映画館。スクリーンの中の男女が囁き合う。
「I Love You...I love you!!」
その男「!!」 その男は猛烈に意識した。
scene3
その男の想像の中。女と口論している。別れ話だ。
その男「じゃ、じゃあ…」
女「何よ?(じゃ、じゃあ)って。この場面でじゃじゃ馬グルーミンアップ?どういう神経…」
その男「いわねーよ。おかしいだろ。ってか何で知ってんの!?言えよ、言ってくれてたら…」
女「言ってくれてたら何よ…」
その男「その話で盛り上がって、もしかしたら今時別れ話なんてせずに済んだかもしれんし。」
女「いや、私たちはこうなる運命だったのよ。タロット占いでも、姓名判断でもそう出てるし。
極めつけは今朝の星座占いと血液型占いよ。どちらも1位だったし。」
その男「何で1位で別れんだよ?1位なら別れなくてもいいじゃん。」
女「考えが浅いわね。ラッキーポイントよ。今日別れると人生最大の幸運が巡って来るって…。」
その男「…」
女「それだけじゃないわ。0学占い、四柱推命、Dr.マリオの風水、京都市中全神社のおみくじ…
あと、六星占術でもちゃんと出てるし。新宿の有名な占い師にも占ってもらったわ…」
その男「果てしないな…俺ら。」
女「(果てしない)か…確か、うめもとっていう野球選手の口癖だっけ。彼のフレーズをパクったのね。
…私がパクる事に敏感なの知ってるでしょ。今だから言うけど貴方の放つ独自のフレーズ。
私はね、あなたのその独創性には一目置いてたの。なのに…。まぁいいわ、もう終わった話よ。」
その男「只、占いで別れるなんて、なんか嫌だよな。」
女「あら、理由は他にあるわよ。」
その男「そうなのか?」
女「当たり前よ。占いごときで別れる訳ないじゃない。占いはとどめに過ぎないわ。」
その男「じゃあ、ほんとの理由を教えてくれないか?」
女「あなたがやけに「I Love You」にこだわったことよ。」
その男「それだけ?たった…?」
女「いい!私はねアラビア語で(愛してる)って言いたかったの。それをわざわざ英語で。」
その男「何言ってんだよ!(I Love You)は世界共通の愛の言葉だ。」
女「そういう考え方がだから、いつまで経ってもイスラム諸国とアメリカは対立し続けるのよ。
自分の価値観を強制しないでよ。なんでもかんでも民主主義、資本主義を押し付けて…。」
その男「押し付けてないわ!押し付けてるのはアメリカだろうが。」
女「同じよ。キリスト教とイスラム教の共同作業は、個人レベルでも無理なようね…
何が(I Love You)よ。ベッドの上でいざ鎌倉って度に毎回毎回こんな話を…
結局私達本当にセックスレスだったわね。」
scene4
タワーレコードにて。その男、Mr,Childrenの新盤を目の前に…
その男「惜しいなぁ~、字が違うわ…」
scene5
ある町の役所にある書類が提出された。改名の旨が記してあるその紙は、職員の間で話題になった。
その男、小島・I Love You・博史への改名につき…勘違い。