ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

Gemelli

2015-09-17 07:47:57 | マルチコプター
別々の会社に納品する為に、2機のマルチコプターを並行して同時に制作した。

それらは・・同じプラットフォームを使用してはいるが、細部は各社の仕様に
合わせて製作した、言わば双子の様な機体である。



今回制作したのは、見ての通りクワッドコプターである。

クワッドコプターって・・・モーターが止まったら危ないんじゃないの?
・・・と、思われる方もいる事と思う。

このモーターの数に関する議論は、未だに続いていて、様々なシーンで
論じられている訳だが、モーターを含む最近のマテリアルは、日進月歩で
進化していて、以前と比較してその性能や安定性が向上している。

勿論・・・依然として粗悪品も市場にあふれているので、
全てのマテリアルが、その様になっている訳ではないが、
機体のペイロードに余裕があるにも係わらず、無駄にモーターの数を
増やしてもオーバークオリティーの感は否めないし、
運用コストが嵩んでしまうデメリットがある。

そこで通常・・・同じペイロードで運用しようとしてモーター数を
増やす場合には、個々のモーターのサイズ(性能)を下げて、その数を
増す手法がとられる訳だが、耐久性の観点から考えると、その様にして
制作された機体が必ずしも耐久性が高いとは言いきれず、その性能も
甚だ疑問である。

何故なら・・・通常、モーターはサイズが小さくなる程、シャフト径や
支持Brgのサイズが小さく、その外見からも耐久性に一抹の不安を感じて
しまうのは私だけでは無い筈だ。

 因って、それらを模型に使用する場合には、立派に使用できるし問題
ないのだろうが、こと業務で使用する場合には、当然そのクオリティーが
問題になってくる。

 方や弊社が常用しているモーターは、シャフト支持Brgのサイズも
大きく、見るからに丈夫で耐久性が高そうに見える。
 
事実弊社では、その通りの結果を得ている。

上記の様に、耐久性等に信頼のおけない小さなモーターが6個或いは
8個装備された機体でも、信頼性の高いモーターを4個装備した機体でも、
理論上は余裕ペイロードを備えた機体を同様に構築する事は可能である。

しかし・・・仮に同じ性能を有していたとしても、其々のマルチコプター
を比較した場合に、操縦性や安全性が高いのは、果たしてどちらに軍配が
上がるのだろうか?


弊社では、無暗にモーターの数を増やしてみても、そのクオリティーによって、
機体性能のレベルが全く違うと考えているので、その数だけで安全性を論じる事は
ナンセンスであると考える。

又、業務で使用する場合には、コストパフォーマンスと言う観点も
見過ごす事の出来ない要素でもある。

今回制作した兄弟達が、最高のコストパフォーマンスを発揮し、
別々のフィールドで末永く活躍してくれる事を、心から願っている。


真夏の炎天下で・・・・技能講習開催

2015-09-01 08:45:16 | マルチコプター
お盆前の真夏の炎天下に・・・マルチコプターの
技能講習を開催した。

最近でこそ、長野は涼しくなったが、その頃は
毎日が猛暑続きで、雨も殆ど降らない日が続いた。

幸い・・・教習場所には日差しを防げそうな木立が
有ったので、それを巧く利用する事で直射日光を回避
する事ができた事は、非常にラッキーだった。






しかし気温が高い事には変わりないので、実技講習は
午前中メインで行い、午後は、エアコンの効いた室内で
座学を行った訳だが、連日行われた技能講習の疲労と
居心地の良さからか?zzzの人も。

参加された皆様、暑い中大変お疲れ様でした。

今後、優良オペレーターとして精進頂けます様、
祈念しております。

夜中のパリの上空に・・・

2015-02-26 19:01:31 | マルチコプター
現在・・・世界中でマルチコプターの運用方法が何かと問題になっている。

先程のニュースでも、我々にとっては、非常に頭の痛い報道がされていた。

何でも・・・夜中のパリの上空を5機ほどのマルチコプターが
飛行していたそうな。
誰が何を目的に飛行させていたのか?現在フランス当局が躍起になって
捜査をしているとの事だった。


心無い者達のこの様な行為が頻繁に行われると、真面目に
取り組んでいる者達への規制が強まる事は必至。

だが・・・現在では、だれが何の目的で購入しても簡単に入手できる
状態が続いており、正直、いつ目的外等に流用されてもおかしくない
状況下にある事も事実。

因って、業界が健全に発展する為には、とにかく売れれればいい・・・
と言う様な姿勢は、そろそろ改める必要があると考えるが如何だろうか?

特定の業者や店舗を攻撃する意図はさらさらないが、
通信販売等でマルチコプターを販売する事は自粛し、
必ず対面販売で行う事を旨とし、安全講習を義務付ける等の
自主規制を、業界をあげて行う時期に来ているのではないだろうか?


実は・・・弊社でもこの春、海外へ撮影に出張する事になっていた。

ところが・・・ネットニュースで渡航予定の国が、この春から
マルチコプターの運用に関して、法的規制をかけると報じていた。

具体的には、マルチコプターを含むUAV運用者は全て登録制とする
内容が報じられていて、違反者には罰則があり、当局では、
懲役刑も辞さない構えの様だと言う。

しかし、いきなりこの様な法規制がかけられる事はまずないと
思われるので、恐らくその国内では、相当無謀なマルチコプター等の
運用が続いたのではないだろうか?と推測する。

○○○等の動画サイトでも、無謀な関連動画が溢れ返っている
現状もあるのでその様に考える訳だが、真偽の程は定かではないので
参考程度にしてほしい。

しかしこの一件で・・・当然弊社の出張もご破算になった事は
言うまでもない。



おらが村にも・・・

2015-02-17 18:07:12 | マルチコプター
最近巷では・・・Inspire 1なる機体の話題で持ちきりだそうな・・・。

勿論、マルチコプターの世界での話しだが・・・。

そんな訳で、弊社でも興味本位で入手してみた。
この機体・・・何でも世界中で話題沸騰の為、供給不足らしい。

モノ自体は、かなり前に届いていたのだが、なかなか手が回らずに
放置していたのだが、何だかファントムと変わらない大きさにガッカリ。

もっと大きな機体を想像していたのだが・・・それでも、機能面に僅かな期待を抱いていた。

少し時間が空いたので、小雪交じりの中では有ったが、本日初フライトとあいなった。


そのフライトフィーリングは・・・。


不具合の要因とは・・・

2014-04-17 04:38:23 | マルチコプター
前回は、WooKongMとNAZAとを比較した訳だが、メーカーでは
前者は業務用・後者はホビー用との位置づけで販売している
との事だったが・・・その割には、ファームウエアの不備や
個々のユニットの不具合は、販売期間が長いこともあって
WooKongMの方が多い様にも思える。


特にファームウエアなどは、早い時には1週間~2週間間隔で
変更された事もあったが、あまりにも短期間で変更された
ファームウエアなどは、何処かに不具合を抱えている場合が
あって変更されているケースが考えられるので、
少し疑ってかかる必要があると考える。

また、たとえファームウエアに不具合があった場合でも、
メーカーサイドからは、不具合情報が発信される事も無い
ので始末が悪い。

過去に於いて、実際に何回か疑わしいファームウエアが
存在し、それらは直ぐに新しいファームウエアに変更されたのち、
抹消された経緯もあるので注意が必要だろう。

このことは、安全上重大な問題だと考えるが、メーカーの認識や
対応は、今後も多分変わりそうもないので、依然として困った
状況が続いて行くものと考える。


因って・・・もしもファームウエアを変更した時に、制御系の
不具合が発生したとしたら、以前のファームウエアに
書き換えてみる必要が生じる事もある。

新しいファームウエアに更新されたからと言って、直ぐに
飛びつかない様にした方が賢明だとも思うし、代理店の中には
ファームウエアの検証を行っている所もあるので、変更する前に
確認してみるのも良いだろう。


そんな訳で、メーカーサイドからその様な重要な情報でさえ
発信されない以上、不具合発生時にはユーザーサイドで問題を
解決しなければならない訳だが、それらは熟練者でも、
問題解決までにかなりの時間を要すこともあるので、
経験が少ない場合には解決の道筋を見つける事は大変な
事ではなかろうか。

だったら・・・NAZAの方が良いのか?と言う話になるが、
制御が荒いのか?基本的に外乱に弱く位置精度もあまり
良くないので、弊社では殆ど使用していない。
これはV2でも、基本的に同様だと考えている。


今回述べた様に、現在のフライトコントローラーに関するトラブル
だけでも、その芽は電子デバイスに起因する不具合のみならず
多岐にわたって存在している訳だが、全てのマルチコプターには、
他にも様々な制御機器が搭載・使用されている。

増してや、サードパーティーの寄せ集めで制作した機体に於いては、
機体を組み上げた人のノウハウによって、如何にでもなってしまう
現状があって、そこには組み付けや調整の不備が介在するので
始末が悪いのである。

勿論、それらの機体構成でも調子よく飛行できる機体もあるので、
そこはユーザー次第と言う事だろう。

またDJI製の様に、メーカーからセット販売されている機体も存在するが、
それらも組み合わせ不良やインストールミスの発生が少ないと言うだけで、
基本構造は変わらないが、ESCの取り扱いはなどは、ミスなく簡単に
行えると考えます。

また、LiPoバッテリーの取り扱いに於いては、バッテリーをばらして
云々・・・と言う話も有る様だが、配線の不備を目視で点検する以外
大した意味もない様に思えてならないが、最低でもセル間のバランス・
電圧・飛行時間(容量の変化)等の管理を徹底し、常にその状態の
可否を見極めて使用する必要があると考えます。



また、以前充電器ディスプレーの誤表示について考えて欲しいと
投稿した訳だが、その電源は家庭用100vから安定化電源で
電源を供給した時に発生しているので、直接LiPoバッテリーとは
関係ないので念の為申し添えたい。

多分・・・全ての事象は、理論の上に成り立っているのだと思うので、
これらのトラブルが発生した際には、その原因について自分なりに
深く掘り下げた上で、推論をたて、それを実証して見る事が大切だと
私は思うのである。


面識もない人から聞いた話を、唯鵜呑みにして、理屈も判らないまま
事を起こした挙句に失敗したとしたら、とても悲しい事ですね。


次回は・・・そのサードパーティーのESCの不具合について
投稿したいと思います。