ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

続・・カメラの話し

2011-09-30 04:40:40 | マテリアル
今回も前々回に引き続き、カメラのお話を致します。

今回は、写真測量に使用するカメラに付いてです。通常、写真測量に使用するカメラを、
メトリックカメラと言って、写真測量専用で、写真上にリゾーと言う指標が景色と一緒に移り込んでしまうので、
景観撮影には使用出来ません。

ハッセルブラッドとか、ローライフレックスと言うメーカーの製品です。

又、その価格は非常に高く、250万~300万程、致しました。

現在でもそのカメラを実際に所有して、計測撮影を行なっているラジヘリ空撮業者は、殆ど無いと思います。

が・・・弊社には、2台そのカメラが有ります。

チョット自慢しちゃいました(#^.^#)・・が、その話は次回させて頂きます。

今回は、その後、アナログ計測(フィルム)から、デジタル計測と言う新たなジャンル(その当時)に、
宮塚義人先生はじめ、研究者達が取り組み始めた頃の話しです。

その宮塚義人先生と一緒に研究する過程で、弊社でデジタル一眼レフのカメラを日本で初めて使用して、
写真測量を行いました・・・???チョット大袈裟ですね。(#^.^#)

多分・・・ですが・・・(*´д`*)

その様子は、加藤晋平・藤本強両先生著の考古学と自然科学-⑤考古学と調査・情報処理の中の、
宮塚義人先生の第2章 遺跡・遺構・遺物の図化情報の項でも紹介されています。

藤本強先生とは、以前イタリアの調査で、度々ご一緒させて頂き、多少なりとも面識も御座いますが・・・

先生・・お元気でいらっしゃるかな~・・・。

宮塚義人先生とは、現在も懇意にさせて頂いており、度々、一緒に仕事もさせて頂いております。

その頃、弊社のヘリに搭載したデジタルカメラは、コダックで販売していた『DS460』と言う・・
MOドライブが付いたカメラで、およそ現在の小型軽量が売りの、デジタル一眼レフカメラとは
似ても似つかない代物でしたし、そのスペックも低く、600万画素しか有りませんでした。

又、一枚撮影する毎に、その画像を記録するのに最低8秒必要でしたが・・(´;ω;`)、
その価格は・・・記憶が正しければ・・・何と、レンズ無しのボディーのみで¥2,480,000円
・・・(;゜Д゜)!も、していました。しかも、それは中判カメラよりも重かった。

それを使用してラジヘリで計測を行った場合、数モデルの計測ならまだしも、
これで2000~3000㎡も計測をやったものなら・・・ノビびますね。(´;ω;`)

そこからの、デジタル一眼レフカメラの発展はめざましく、機種の選定にも悩む程の、今日この頃です。

その後は、キャノンD30(30Dでは無い)を使用した。レンズも何を使用して良いのか悩み、
宮塚先生と香港あたりで、安いレンズ(純正の)を買って試したりした。

その頃、国内ではレンズは高かったのである。

そんな試行錯誤を繰り返しながら、現在使用しているレンズとカメラに辿り着いた。

その情報も口伝えで広がり、多分、現在では何処のラジヘリの空撮業者もデジタル計測を行う場合、
そのレンズを使用していると思われる。

今風に言うと・・・トレンドになった・・・のである。

写真は、そのレンズと1DSを搭載している様子。

このカメラは既に、中盤のメトリックカメラと比較しても、遜色ないどころか、高い分解能を持っている。

現在は、実機の世界でも、デジタルの航空カメラが数年前から導入されて広がりつつある。

但し、勘違いしないで頂きたい、同じ型のレンズとカメラを使用しても、それだけで計測(写真測量)が、
出来る訳では無い。計測を行う為には、それなりの処理をレンズに施す必要がある。

何故こんな話をするかと言えば・・・先日、ある撮影会社が、聞きかじりでデジタルカメラを使用し、
写真測量??を行い、図面の作成が出来なかったと言う話を耳にしたからである。

その作業の詳細は、ここでは割愛するが・・・この事は、図化出来なくて当然であると思われる。

しかし、ともすると、ラジコンヘリを使用した空中写真測量自体の評価を下げる可能性も否定出来ない程の、
由々しき事態である。

解っている人は、そのような事は無いと思われるが、ただその話を聞いた人が、
また違う人に話す・・・噂話は・・・怖いですからね~゜(゜´Д`゜)゜

ラジヘリ業者の皆さん~、仕事は、しっかりとした知識と技術を持って行いましょう。

聞きかじりで、いい加減な仕事をしないで下さい。

その事は、真面目に仕事をしている業者にも、迷惑を及ぼします。

私も他の業者さんに迷惑を掛けない様に、もっと勉強して、研鑽を積みたいと・・・
日々精進しています。(*´∀`*)

瀬戸内海の夕景

2011-09-29 10:47:49 | 移動
予定では、カメラの続編をお伝えするつもりでしたが、予定を変更して、高知出張の様子をお伝えします。

撮影が終了しての帰り道、瀬戸大橋を渡っている時に、丁度瀬戸内海に夕日が沈みゆく処が撮影できたので、

その写真をUPします。

もう、何百回となく撮影で四国に訪れていますが、日本100景にも選ばれている、瀬戸内海の景色は、流石に綺麗ですね。

その上、夕景ともなれば、ひとしおデスネ。

現場近くのホテルの駐車場に、団体のお遍路さんがいました。

昨日は天気も抜群で、お遍路さんもこれからの季節は、お寺を巡るのにもいいですね。

一般道を移動中に札所の看板を良く見かけます。そこで少し不謹慎ですが、もし、お遍路さんをすれば、結構短期間でお寺巡りが出来るかな?・・・なんて、思いたって、実際に何箇所か巡った事が有ります。

全て仕事のツイデですから、殆ど歩きません。なんたって、お寺の駐車場迄、車ですから・・・(*´д`*)

しかし、そんな事をしてみても、御利益も何も無いと思い直して、10箇所ほど巡って止めてしまいました。

実際に、お寺で無心にお経をあげている、その姿には、頭が下がります。

私の知人にも、お遍路さんを、もう何年もされている方がいらっしゃいます。

その話を伺う度に、頭の下がる想いです。


G君は、Mさんと山形の鶴岡市へ撮影に・・・。今日は、オーバーブッキングで、別々に撮影に出かけました。
移動途中の日本海の様子です。新潟と山形の県境の辺の景色でしょうか?

それにしても、遠方の撮影ばかりで大変ですネ。昨日の2台の総移動距離は、合計2200kmでした。

この時期、何処でも良いので、頑張って、もっと稼ご・・・・(*´∀`*)


近赤外線カメラを使う

2011-09-27 04:18:07 | マテリアル
昔は赤外線写真を撮影する場合は、レンズに赤外フィルターを付けたり、赤外フィルムと言う特殊な
フィルムを使用して撮影していましたが、最近ではそのフィルム自体の入手が難しい様です。

また、昔は、コニカ赤外750や、コダックハイスピードインフラレッドフィルム等が
販売されておりましたが、熱に弱く、その保管には神経を使いました。

そんな訳で最近では、デジタルカメラを使用して赤外線写真を撮影する事が多い様です。

通常デジタルカメラのセンサーは、最初から赤外域も写す事が出来る感度を持っています。
通常の撮影では可視光を撮影します。

従ってメーカーでは、赤外線が写らない様に、レンズとCCDの間にフィルター付けいるようです。

昔、ビデオカメラで赤外モードで撮影出来るモノが販売されていましたが、
盗撮に使用されて社会問題になり、販売中止になった事も有りましから、
ご記憶の方もおみえになるのではないでしょうか?

そんな訳で最近は、赤外用に改造をしたデジカメを使って撮影したり、画像解析に使用する場合は、
それ専用のカメラなんて言うのも、かなりマイナーでは有りますが、販売されています。

しかし、それをラジヘリに搭載して使用する為には、雲台にかなり工夫を施す必要が有ります。

何せ、シャッタースピードが稼げない上に、赤外写真では測光が難しいのです。

赤外写真では測光が難しい為に、段階露光を行なって撮影します。
その上、感知する光の波長が違うので、通常(可視光)のピンの位置と違うのです。

勿論、測光はマニュアルで行います。

昔は、現在の様に撮影後、直ぐにその結果を見る事は出来ませんでしたから、
何本も露出を変えて撮影しました。

その点デジカメは、直ぐに撮影結果を見る事が出来ますので、便利になりましたね。

しかし、手軽になった分、益々盗撮に使用される事が多くなっている様です。

女性は、夏場に薄着をしたり、浜辺で水着を着たりする時に、もし近くに、
不自然な格好でカメラを構えている輩がいる時は、ほぼ間違いなく盗撮ですから注意が必要です。

女性の皆さ~ん、知らない内に撮影されていませんか~

そんな赤外線写真ですが、実際にラジヘリで何を写すか・・・と言うと、遺跡の事前調査や、
農業分野(現在では研究目的)で、有効的に使用されています。

通常人間が見ている光の波長を可視光と言います。

赤外線の領域の波長は、通常人間が見る事は出来ません。

従って、その波長を捉える事の出来る、専用のカメラを使えば、赤外線領域の画像も撮影する事が出来ます。

遺跡などでは、撮影する時間帯の選択も難しいのですが、上手く撮影できた時には、
地中の状況が判読出来る事も有ります。

これは、地中の水分量や堆積物に因って、光の反射量が違う為です。

それを、ソイルマークとか、プラントマークと呼んでいて、上手く撮影出来た時には、
発掘範囲の特定や、その現場周辺の地下の状況を伺い知る事も可能です。

又、農業分野では、プレシジョンファーミングと言う研究分野?があり、
植生の進捗度を空中から撮影した赤外写真を画像解析して、それに応じて、
必要最小限の施肥を効率的に行って、生産コストを下げる??・・・と、
言う様な取り組みも行われています。

又、河川や湿地帯等の植生分野でも、活用されています。

上記は、何れも研究分野で使用していますので、ラジヘリで撮影した赤外線写真が、もっと多方面に応用出来る様になると良いと思っているこの頃です。

全天候型のラジコンヘリ???

2011-09-26 17:48:27 | マテリアル
全天候型・・・・と言う訳ではないのですが・・・・今日は翻訳にも飽きたので、気晴らしにPP板から
IMUのカバーを半ばパロディーで製作して、取り付けてみました。

半分思い付きで、急遽製作したモノで、制作した型がイマイチで実際に使用する為には、
再度作り直す必要が有ります。

しかし、GPSのカバーも一緒に製作すれば、少しくらいの雨なら飛行出来る様になる?・・・
まさかね~(〃▽〃)

Wingさん、需要ありそうですか~(*´∀`*)

それから、最近DJIのAceOneを販売している総代理店や、それを使用しているユーザーから、
IMUの搭載位置に付いての相談や、その搭載位置の適所の検証を求められた事もあり、
半ばパロディーの防滴カバーを製作する次いでに、試しに、防振マウントも一緒に製作してみました。

弊社では、防振マウントが無くても、機能上、特に問題となる事は有りませんでしたが、
長期間使用する事を考えると、ガソリンエンジンを搭載した機体では、最初から防振マウントを
取り付けた方が良さそうです。薄い両面テープでは防振出来ませんから・・・(゜Д゜)

DJIの製品は、カナリ精密に作られていて、高度な制御を行なっていますので、
流石に、模型のノリでは使用出来ませんネ。

防振マウント取り付け後に、エンジンを掛けた状態で、防振マウントを介して取り付けたIMUの振動と、
機体自体の振動を手で触って比較して見ました。

結果は、大成功でした。殆どIMUに振動が伝わっていません。

それまでは、時々離陸時に白いLEDがフラッシュしていましたが、急激に高度変化が起きる為に、
LEDが白くフラッシュするのだろう?と・・・勝手に決め込んでいましたが、
どうやら・・・そうでは無いようです。

今回試作した防振マウントを装着した機体では、LEDが白くフラッシュする事は皆無になりました。

防振マウントの他は、何も変えてないので、それが功を奏したものと判断しています。

LEDが白くフラッシュするその理由は、エンジンの回転が一定する迄の過程で、機体の振動係数が変化し、
それが原因でIMUが共振します。

その結果、IMUが拾った振動が、機体の揺れに起因するものか?それとも振動に因るものかの判断を、
メインコントローラーが判断出来ない為に、一時的にエラーを発生させていると推測します。

今回の結果から、一度、どの位の周波数で(振動で)揺れているのか、機体自体に振動センサーを付けて
計測して見る事も大事かな・・・と思っています。

何事もカンに頼っていては、正確な原因は解明出来ませんからネ。

次回は、弊社で実際に業務で使用しているカメラに付いてお話したいと思います。

フェリーに乗って島へ

2011-09-26 04:13:43 | 撮影
過日フェリーに乗って、瀬戸内海のある島へ撮影に行った。

その目的は、あるテレビ番組のロケである。

その日の天気は・・・日差しは良好だったものの、強風波浪警報が発令されるほど風が強く、
とても飛行できる状態では無かったのだが・・・その状態は、さしずめ、冬の日本海・・・と言えば、
大体その状況を想像していただけるだろうか?

フェリーに乗って島へ向かっていた時も、度々大波がフェリーの舳先に強く当たり、その抵抗で、
それが一瞬止まったかの様な状況が、何度も有った程でした。

テレビ局のスタッフの方々にも、こんなに風が強いのですが、本当に、今日は飛べるんですよね~・・・?
と、何回も言われてしまいました。

今日は飛べるんですか?ではなくて、ですよね~・・・?です。この違い、皆さん解りますか~?(´;ω;`)


兎に角、行ってから判断しましょうと、その場は答え、島へ上陸して状況を確認しましたが、
風上側の海岸を撮影したいとの事で、風も唯強いだけでは無く、荒れており、
通常ではとても撮影など出来る状況ではありません。

しかし、そこで撮影出来ないと、番組そのものが成立しないと言うような雰囲気が、
ヒシヒシと伝わってきました。

又、漁期の関係で、一年中でその日にしか、撮影できる日が無いことを知らされ、
ガゼン緊張感が増してきました。

業務で撮影をしていると、飛びたくなくても、飛ばなければならないと言う状況が、度々あります。

勿論、その状況でも、エイヤーで飛ばす訳では有りません。

充分とは言えないまでも、墜落させない様に配慮する事は勿論ですが、仮に墜落した時の事も考慮に入れて、
最悪でも他に被害が及ばない様に、飛行経路等を決定します。

勿論、全て言われるままに、飛行させる訳では有りません。

撮影の為なら、何時でも何処でもフライトさせる・・?と言う様な事や、オペレーターの技術レベルが
低い場合には、その危険性にすら気が付かないままに飛行させて、事故を起こしてしまう場合がありますが、
弊社では十分なスキルをもったオペレータが、理詰めで総合的に判断して、飛行の可否を決定しています。

当然、危険な場合は、如何なる場合で有ろうと撮影を中止します。
(勿論、クライアントの皆さんに納得して頂ける様に、お願いを致します)



風の状況も、その地形や時間に因って、刻々と変化します。危険を伴う事が予想される場合は、
その場所には近づかない様にします。しかし、その地形の判断には非常に難しいモノがあります。

その理由は、地形の状況如何で、風が局地的に吸っている場所と、吐いている場所があるからに
他なりません。

風の強さにも因りますが、吸っている場所では、そこそこへりにパワーがあったとしても上昇出来ませんし、
吐いている場所では、ピッチを抜いてもヘリは下降できないばかりか、上昇が止まらない場合が有ります。

その場合は、一瞬で判断し、そのポイントから比較的安全な場所へ、少しでも早く抜け出すしか、
助かる方法は有りません。

しかし、ロケーションに因っては、そのポイントから早く抜け出したくても、抜け出せない場所や、
想定を超えた風が吹いている事もあります。

その状況の判断は、その状況を何度も経験しないと出来ませんし、
それどころか、何度も経験しているにも係わらず、その事が出来ない場合も多いのです。

幸い私の場合は、標高1000m以上のアルプスの山間部でも、数多く撮影してきた経験があり、
その時にも、もその経験が大いに役立ちました。


兎に角、軽い機体いです。総重量が14Kg程度しかないのです。

強風下のラジヘリのフライト状況は、さしずめ、台風の中、大海へ手漕ぎボートで漕ぎ出し、
浮かんでいる様な状況と、同じだと思います。

以前、堀江さんと言う方が、太平洋をヨットで横断したとの報道が有りましたネ。
私も実際に、金比羅さんへ行った時に、そのヨットを見た事があります。

ビール缶で作られたヨットを見た時、よくこんなヨットで太平洋を良く渡れたものだと、その時は思いましたが、成功の理由は、相当なスキルと的確な状況判断・忍耐に他ならないと思います。

唯の思いつきでは、とても成し得ない偉業だと思いました。

ラジヘリでの撮影を生業とする事は、色々な事に神経を使う事が多く、その道は大変でも有りますが、
私も、大いにそれを見習って、今後も無事故を継続したいと思っています。

しかし、趣味でラジヘリを飛ばしてた頃は、こんな事・・思いもしなかったのに・・・
そして昔は、楽しかった・・・

PS : この模様は、最初四国ローカルで放送されましたが、その後、全国版でも放送されましたので、
ご覧になられた方も、いらっしゃるかも知れませんね(*´∀`*)