くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

《種ばかり葡萄》

2024-09-05 23:13:00 | 作品
猛暑のせいか、農作の無知のせいか、今年の我が葡萄棚(デラウェア)の実りは、ほんの申し訳け程度の小粒三房でした。口に含むと、果肉の感触はほとんど無く、種だけがしっかり舌先に残りました。来年こそ、たわわに実る葡萄棚を目指して、この種を大切に育てようと思います。





《女神と幸福鳥》

2024-09-02 17:07:00 | 作品
今日の一枚は、これまで描いたデッサンを基に、日頃描き馴染んだ海をバックに、海の女神・テティスと幸せを呼ぶ青い海鳥・イソヒヨドリの逢瀬を描いた〈心象風景画〉です。



《嵐の前触れ》

2024-08-30 17:19:00 | 作品
 嵐の迫る3日前の高麗山頂(湘南平)より

 雨台風で巣篭もり4日目ともなると、さすがに足腰ばかりか口も意もバラバラに乱れそうになるのを、かろうじてお絵描きで整えて、雨過天青を待つばかりです。





《夏の終わりのハーモニー》

2024-08-24 22:59:00 | 作品
〈天骨盛り夏の終わりのハーモニー〉【久世樹】

 8月2回目のスケッチ例会も、前回に続いて涼しい室内で静物写生でした。最晩年の子規が病牀六尺で描いた『菓物帖』に倣って、季節の野菜果物を無造作に並べて、集中力が切れるギリギリまで2時間半ひたすらに描いて、帰宅して夕飯後にもう一度見直して、やはりもう一筆加えて、今年の『夏の終わりのハーモニー』としました。





《野の百合》

2024-08-17 15:19:00 | 作品
盆明けの今日の一枚。

 山道に咲く白百合を手折って帰り、花瓶に挿して写生していたら、ふとこの句が浮かび、描き終えて庭の隅に挿して弔いました。

〈手に取るなやはり野に置け蓮華草〉【滝瓢水】