くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

『バリ島の木彫猫』

2017-09-24 09:31:19 | 作品
昨日のスケッチ例会は、雨のため、高尾山から室内に変更。Hさんが20年前に旅の土産に持ち帰ったという、珍しい木彫りの人形を描きました。

午後からは高校のクラス会で新宿へ。52人居たクラスメイトのうち21人が集まり、まだ何者でもなかったあの頃に戻りました。来年は卒業50年、クラス横断の同期会など、様々な再会がありそうです。

『繫ぐ梨』

2017-09-22 21:02:50 | 作品
『繫ぐ梨』

先月初め、フルーツガーデン関本の園主・関本信行さんが55歳の若さで膵臓癌のため亡くなりました。
福島県大熊町で100年続く梨農家の4代目として、梨づくり一筋に精魂を傾けていた最中、東京電力福島原発事故で故郷を追われ、農業者大学校の後輩の誘いで千葉県香取市に第二の梨園を開設して5年、待ちに待った収穫を目前にしての急逝でした。
残された奥様の典子さんと息子さんは、一時は今シーズンの出荷は諦めたそうですが、荒れ果てた畑でたわわに実る梨を見て、励ましてくれた親しい人たちに届けることに決めたそうです。
7年前まで多摩市連光寺にあった農業者大学校で英語講師をしていた家内の生徒の一人であった縁で、私も「大熊梨」のファンでした。手にした瞬間、絵にして残そうと思い立ち、夜を徹して描き上げましたので、これから、ゆっくり、しみじみ、戴きます。

(添付したのは、届いた梨に添えられていた、フルーツガーデン関本・笑顔担当 関本典子さんからのメッセージと、河北新報8/11付けに掲載された記事のコピーです。画像不鮮明はご容赦いただいて、ご一読いただければ幸いです。)

台風一過

2017-09-19 21:16:37 | 雑記
連休最終日は台風一過の快晴でした。

午前中は浜松城を散歩して、お目当ての鰻屋へ。その昔、ヤマハに勤めていた友人に案内してもらった隠れた名店「新角」を目指すと、何と月曜定休日。敬老の日で祭日なのにしっかり定休するとは、のどかなのか商売っ気が無さ過ぎるのか⁈ 仕方なくネットで探して、歩いて5分、地焼き鰻(蒸さないで焼く)一筋の「うな文」に行き着きました。これがしっかりした歯応えで、値段も手頃で、実に美味かった。昨日に続いて、「災い転じて何とやら」のご褒美でした。

満腹の後は、駅まで歩いて浜松市楽器博物館へ。2度目の訪問でしたが、音楽好きにはたまりません。太古から現代まで、洋の東西南北から集めた、管弦打に鍵盤楽器がズラリ、主な楽器はヘッドフォンで音色を視聴できます。また、日に何度か学芸員のお姉さんが楽器解説と生演奏を聴かせてくれる「ギャラリー・トーク」があり、今回はチェンバロ(伊語、仏語はクラヴサン、英語はハープシコード)でした。

帰りの車中からは、眩いばかりの富士の嶺がくっきり。10/22には、声なき民の呟きを一票に託します。

墨絵

2017-09-14 16:32:37 | 日記
水墨画を習い始めて半年。水墨画の手強さに苦労しています。
真っ白な紙面に、墨一色で、一気呵成に、濃淡・潤滑・疎密を描き切る潔さが水墨画の奥義と、知識では知りましたが、これまで慣れ親しんできた西洋画の技法では、まるで歯が立ちません。
慰みに、人物画デッサンに初めて墨を使って、女優Sのポートレートを描いてみました。これまでの鉛筆またはペンとインクでの素描から、少しだけ幅が広がるかもとの感触を得ました。

藝祭

2017-09-09 21:41:36 | 雑記
行ってきました『藝祭』(東京芸大の学園祭)

横笛研究会でお世話になった邦楽科4年のYKさんに誘われて、雅楽の舞と笛の舞台を鑑賞したほか、YKさんら邦楽と洋楽の学生による意欲的なコラボ「音・音」のパフォーマンスも体感して、出たばかりのCDも買い求めました。

音大から美大に向かおうとしたら、藝祭伝統の御輿パレードに出会い、子供の頃に見て忘れられない東映映画『白蛇伝』を思い浮かべました。

午後からは我が師が譲って下さった招待券で「藝『大』コレクション」展へ。大雅、春草、玉堂、直次郎、田中らの名作や、小磯良平らの卒業制作などを、ゆったりしみじみ味わいました。

その後は現役芸大生の作品展を見て回り、ここだけは写真自由なので、気に入った洋画科、日本画科の作品を1点ずつ載せておきますが、全てではないものの、洋画科は目を惹くことを意識して「奇をてらった」作品が目立ったのに対して、日本画科は絵を描く自分と向き合う姿勢が素直で好感が持てました。(廊下の教官札に、日本画科だけ、とうに物故した名教授がそのままなのは何故?)

今日一日の勝手な私見では、今の芸大は、美大は日本画科と美術解剖学研究室に期待、音大は邦楽科と洋楽科の更なる相互交流・切磋琢磨に期待、といったところでしょうか⁈ とまれ、何人かの現役芸大生に直接感想を伝え、彼ら彼女ら(日本画科も邦楽科も男女比は共に2:3だそうです)の思いを聞くことができたことは貴重な体験でした。22世紀に続く未知の才能が、戦争や不慮の死で失われることがないよう祈るばかりです。

(藝祭は9/10(日)まで)