くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

淡彩2題

2022-06-29 23:50:00 | 作品
朝から30℃を超える真夏の青空に誘われて、箱根大観山に富士をスケッチに出かけました。

 着いた11時には遠く八ヶ岳が見渡せるほどの快晴でしたが、30分後には甲斐の山波から立ち昇った霧が、わずか10分後には富嶽も芦ノ湖もあっという間に包み込んでしまいました。自然災害とは、こうして身構える間も無く迫り来るものなのかと、身につまされました。

 で、スケッチはほんの30分余りの薄塗りで終えましたが、最近使い始めた日本画材の顔彩の色合いが気に入っていて、これまでの西洋絵の具の厚塗りから転向しつつあります。今朝早く目が覚めて描いた西湘の地場野菜の写生と合わせてご覧ください。





《歳月流るる水の如し》

2022-06-25 17:49:00 | 作品
今日のスケッチ例会は府中郷土の森でした。広い園内では”あじさい祭り”の真っ盛り。スケッチブックやカメラを抱えたご同輩が腕を競っていました。

 私が描いたのは、子どもたちが歓声を上げる”水遊びの池”の水源の滝。奇しくも、7年前にまったく同じ構図で描いたことを思い出し、帰宅して探して見比べてみました。

〈歳月流るる水の如し〉








《立葵》

2022-06-24 21:04:00 | 作品
〈立葵幼きいのち守りたまへ〉【久世樹】

 梅雨明けを思わせる猛暑。生まれて三日目のカマキリの子らが一人(一匹)残らず葡萄棚から消えました。四半世紀前、子供達が夏祭りで掬った金魚を飼うために作った池を埋め尽くしたオタマジャクシが、四月の満月の夜に一斉に姿を消したことを思い出しました。生きものたちの巣立ちの潔さ逞しさには、ただただ息をのむばかりです。

 虫嫌いのみなさん、お騒がせしました。もうカマキリの写真は載せませんので🙇