くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

「恥」と「誉」

2020-09-29 21:30:20 | 雑記
胸にブラ 口にはマスク 令和二年 【久世樹】

 百年前のスペイン風邪で普及したというマスクは、大正・昭和・平成はずっと冬の季語でした。令和になったとたん、真夏でも着けずに人前に出るのは恥ずかしいものになりました。
 
 そういえば、明治生まれの祖母は、百歳近くで亡くなるまで、夏は湯文字(腰巻)一枚で縁側で涼んでいたのを思い出します。

 「恥ずかしい」、「誇らしい」など、他者の目を意識した感情は、群で生きるヒトがホモサピエンスの時代から育ててきた進化の原動力ですが、果たして令和の先には、一体どんな「恥」や「誇」が待っているのやら?

 少なくとも、箕部啓治進政党幹事長に「恥」を知らせた白井亜希子大臣を「誇」に思う政治観だけは、失わずにと願います。

『ヴィーナスの誕生』15世紀 ボッティチェリ

『ビーチの姉妹』 21世紀 作者不詳


『まだ見ぬ君』

2020-09-25 14:00:29 | 作品
秋の長雨。明日のスケッチ同好会の自主例会も中止に。やむを得ず家で、生まれたばかりの娘の娘の面影を想い描いて過ごしました。

 コロナ下の都心の病院は面会禁止で、まだ会えていませんが、娘から送られてきたLINEの画像では、はちきれんばかりで元気いっぱい。週明けには退院して、ほんの一瞬会える予定ですが、その後は感染のない田舎へ早く帰って、伸び伸びと育ってほしいと願っています。

 いよいよ10月からは、スケッチ同好会もアートゼミも、半年振りで「半分再開」。半沢直樹に負けず、『千倍返しだ❢』と行きたいですね。



『敗荷』

2020-09-14 17:47:52 | 作品
中秋の上野不忍池で、花期を過ぎた蓮を愛でてきました。

 夏の間、池を覆って青々と茂っていた蓮の葉が、秋風とともに破れはじめ、だんだんみすぼらしい姿になってゆく。そのさまを敗荷(やれはす)と呼び、蓮の実が熟れて飛ぶのもこの頃だそうです。

敗荷や旅の暇のおのが影【石田波郷】
チャコール鉛筆で素描


淡く彩を


湖畔の江戸・浮世絵ポスターに、盛期を想う