くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

《初夏のA嬢》

2023-05-15 16:37:00 | 作品
GWを挟んで3週間振りの人物デッサン会、参加者はいつもの半分の5人で、初夏の装いのA嬢を、伸び伸びと描きました。

 新宿からの帰りはあえて鈍行にして、昨日偶然手にした『芭蕉自筆・奥の細道』(岩波文庫・2017年刊)を開いて、50と言われる名句を味わいながら帰宅しました。書は嗜まないので芭蕉の崩し字は読めませんが、見開きの対頁の翻字を読み下していたら、芭蕉には珍しい艶めいたこの句に出会い、さっきまで描いていたA嬢の清楚な面影が浮かびました。

〈まゆはきを俤(おもかげ)にして紅粉(べに)の花〉








〈大人の鉛筆〉試し描き

2023-05-02 18:35:00 | 作品

 東京下町の北星鉛筆の〈大人の鉛筆〉を手に入れたので、早速手元の湯呑みを描いてみました。


 先々代社長が、「身を削って人に奉仕する鉛筆」を、削らない『ノーカット鉛筆』として開発したものを、創業60周年を記念してリニューアルしたところ、10年続くヒット商品になったそうです。


 2mmの鉛筆芯を鉛筆よりわずかに太い木の軸に入れたシャープペンシルですが手に馴染んで描きやすく、付属の芯はBだそうですが普段使っている2Bの滑らかさで発色も良く、気に入りました。


 製造工程で出る40%のおが屑を着火剤などにしてリサイクルしたり、チビて使えなくなった鉛筆を毎年供養したり、元気な日本の中小企業のひとつとして是非応援したいと思います。