海と言っても「うみ」ではありません。
「かい」のお話。実家のワンコです。
今から10年ほど前。
私がまだ独身だった頃・・・。
ある平日の昼下がり。
私は、仕事中の母に電話をしました。
「あのさぁ、スピッツ欲しくない?」
仕事中に何事かと思った母。
しかも、用件は犬が欲しくないかというふざけた話・・・。
「はぁ!?要らないよ!!」
と、当たり前にそっけない返事・・・。
「いやさぁ、私も嫁に行くし、私の変わりにお母さんにスピッツ買ってあげようかと思ってさ」
それでも押す私に母は、「いい、いい、要らない」
とまたもやそっけない返事をして電話を切ってしまった・・・。
私は、ほとんどを母子家庭で生活してきた事もあってか、それとも母とは20歳しか離れていないからか、友達の様な会話になってしまう。
小さい頃から、母は私を育てるのに働きづくめだったし、また、何より若い母だったので、子供の頃はちょっとした自慢でもあった。
再婚したものの、暴力などが原因で伯母の家に避難したり、またもや離婚したりした時も勿論一緒だった。
そんな私達親子も、私の結婚でいよいよ別れの時が迫っていた・・・。
母への感謝の気持ちと、結婚も「もうあんたもいい年なんだから、もらってくれるって言う人には「はい」って言って行くんだよ」とか言ってたわりに、現実的になってくるとグズグズ言い出したりしたので寂しい気持ちもあるのだろうなぁ、何て思い、母が子供の頃飼っていたスピッツの話を思い出し、私の代わりにもなってくれればなぁ・・・。
何てね、私なりに考えての事だったのだけど、あっけなく断られてしまった・・・。
スピッツも、当時はまだ見かける事が少なくてペットショップに問い合わせてみても、あまり良い返事はもらえなかった。
たまたま当時愛読していた「愛犬の友」の広告を見つけ、電話で問い合わせたら、ちょうどスピッツの子犬がいるという事で、思い切って母に言ってみたのですけどねぇ・・・。
しかし・・・。
電話を切って1時間も経っただろうか?
母から電話が・・・。
「あんたがそんな事言うから、欲しくなっちゃった」
こうなれば決定。
早速東京の業者にお願いして生後30日でも我が家では問題なく育てられるので、それくらいの子犬をお願いしたのであります。
一般的にペットショップなどでは、生後90日の子がほとんどですが、そこは元々何十年もワンコと暮らしてる我が家。
祖父の「犬は30日以内にもらって来ないとダメだ」という教えもあり、何とか融通を利かせてもらいました。
そしてやってきたのが「海」。
うみと書いて「かい」と読みます。
男の子だし、夏にやってきたので、うみの様に広い心を持った男らしい子になります様にとの願いでこの名前が付けられました。
その姿は本当に小さくて、真っ白で、天使の様。
怒られるとちょっと上目使いでこちらを見上げる顔なんて本当に可愛い。
お客さんが来て、部屋から出されると、障子越しに「バカ」って言ってる姿が映って可笑しかったし、何より写真に撮られるのが大好きで、カメラを向ければいつもカメラ目線でポーズを決めてました。
実家が弟が家を購入した為に引越しをしてからは、外にいる事も多かったのですが、犬小屋も気に入らないとひっくり返してしまったり・・・。
食事も気に入らないとばら撒いてみたり・・・。
ふせをすると、何故か後ろ足が伸びてたり・・・。
私の代わりだからか、伯父からも
「何だか、とどちゃんに顔が似てるな」何て言われたり・・・。
これまでも色んな子と暮らしてきましたが、彼も負けずに個性的。
ぜひとも赤ちゃんを!!
と思っていたのですが、こちらではスピッツを飼ってる人も少なくて願い叶わず、あっと言う間に10年の歳月が流れていきました。
その海が、昨晩亡くなりました・・・。
私が結婚して今年で11年目。
「とどちゃんの代わりはもう大丈夫」という事なのか・・・。
母が明日で60歳の誕生日を迎えます。
母の何か悪い病気とか、そういうものを持って行ってくれたのか・・・。
突然の死でした・・・。
あまりにも突然だったので、誰も死に目にはあっていません・・・。
また、突然すぎたからか、まだ実感もわかなくて、涙も出ません・・・。
亡骸にも逢いませんでした・・・。
嫁に行った私は、行かない事が彼を安心させるのかな・・・何て思ってしまって・・・。
正直・・・。
代わりなんて言わなきゃ良かった・・・何て事も思います・・・。
10歳・・・。
昔なら寿命と言えば、寿命ですが・・・。
動物は何も言えない分、色んな事を考えさせられます・・・。
でも・・・。
ありがとう。
お疲れ様・・・。
またいつか逢おうね・・・。
って言った方が海も喜ぶかな・・・。
海、本当にありがとうね。
向こうには、先輩ワンコ達が沢山いるからみんなと仲良くね・・・。
お祖父ちゃん、スピッツの海が行きましたよ~!!
お祖父ちゃんもスピッツ大好きだったもんね。
よろしく面倒みてやってね~。
そして・・・。
きっとまたいつか・・・。
「かい」のお話。実家のワンコです。
今から10年ほど前。
私がまだ独身だった頃・・・。
ある平日の昼下がり。
私は、仕事中の母に電話をしました。
「あのさぁ、スピッツ欲しくない?」
仕事中に何事かと思った母。
しかも、用件は犬が欲しくないかというふざけた話・・・。
「はぁ!?要らないよ!!」
と、当たり前にそっけない返事・・・。
「いやさぁ、私も嫁に行くし、私の変わりにお母さんにスピッツ買ってあげようかと思ってさ」
それでも押す私に母は、「いい、いい、要らない」
とまたもやそっけない返事をして電話を切ってしまった・・・。
私は、ほとんどを母子家庭で生活してきた事もあってか、それとも母とは20歳しか離れていないからか、友達の様な会話になってしまう。
小さい頃から、母は私を育てるのに働きづくめだったし、また、何より若い母だったので、子供の頃はちょっとした自慢でもあった。
再婚したものの、暴力などが原因で伯母の家に避難したり、またもや離婚したりした時も勿論一緒だった。
そんな私達親子も、私の結婚でいよいよ別れの時が迫っていた・・・。
母への感謝の気持ちと、結婚も「もうあんたもいい年なんだから、もらってくれるって言う人には「はい」って言って行くんだよ」とか言ってたわりに、現実的になってくるとグズグズ言い出したりしたので寂しい気持ちもあるのだろうなぁ、何て思い、母が子供の頃飼っていたスピッツの話を思い出し、私の代わりにもなってくれればなぁ・・・。
何てね、私なりに考えての事だったのだけど、あっけなく断られてしまった・・・。
スピッツも、当時はまだ見かける事が少なくてペットショップに問い合わせてみても、あまり良い返事はもらえなかった。
たまたま当時愛読していた「愛犬の友」の広告を見つけ、電話で問い合わせたら、ちょうどスピッツの子犬がいるという事で、思い切って母に言ってみたのですけどねぇ・・・。
しかし・・・。
電話を切って1時間も経っただろうか?
母から電話が・・・。
「あんたがそんな事言うから、欲しくなっちゃった」
こうなれば決定。
早速東京の業者にお願いして生後30日でも我が家では問題なく育てられるので、それくらいの子犬をお願いしたのであります。
一般的にペットショップなどでは、生後90日の子がほとんどですが、そこは元々何十年もワンコと暮らしてる我が家。
祖父の「犬は30日以内にもらって来ないとダメだ」という教えもあり、何とか融通を利かせてもらいました。
そしてやってきたのが「海」。
うみと書いて「かい」と読みます。
男の子だし、夏にやってきたので、うみの様に広い心を持った男らしい子になります様にとの願いでこの名前が付けられました。
その姿は本当に小さくて、真っ白で、天使の様。
怒られるとちょっと上目使いでこちらを見上げる顔なんて本当に可愛い。
お客さんが来て、部屋から出されると、障子越しに「バカ」って言ってる姿が映って可笑しかったし、何より写真に撮られるのが大好きで、カメラを向ければいつもカメラ目線でポーズを決めてました。
実家が弟が家を購入した為に引越しをしてからは、外にいる事も多かったのですが、犬小屋も気に入らないとひっくり返してしまったり・・・。
食事も気に入らないとばら撒いてみたり・・・。
ふせをすると、何故か後ろ足が伸びてたり・・・。
私の代わりだからか、伯父からも
「何だか、とどちゃんに顔が似てるな」何て言われたり・・・。
これまでも色んな子と暮らしてきましたが、彼も負けずに個性的。
ぜひとも赤ちゃんを!!
と思っていたのですが、こちらではスピッツを飼ってる人も少なくて願い叶わず、あっと言う間に10年の歳月が流れていきました。
その海が、昨晩亡くなりました・・・。
私が結婚して今年で11年目。
「とどちゃんの代わりはもう大丈夫」という事なのか・・・。
母が明日で60歳の誕生日を迎えます。
母の何か悪い病気とか、そういうものを持って行ってくれたのか・・・。
突然の死でした・・・。
あまりにも突然だったので、誰も死に目にはあっていません・・・。
また、突然すぎたからか、まだ実感もわかなくて、涙も出ません・・・。
亡骸にも逢いませんでした・・・。
嫁に行った私は、行かない事が彼を安心させるのかな・・・何て思ってしまって・・・。
正直・・・。
代わりなんて言わなきゃ良かった・・・何て事も思います・・・。
10歳・・・。
昔なら寿命と言えば、寿命ですが・・・。
動物は何も言えない分、色んな事を考えさせられます・・・。
でも・・・。
ありがとう。
お疲れ様・・・。
またいつか逢おうね・・・。
って言った方が海も喜ぶかな・・・。
海、本当にありがとうね。
向こうには、先輩ワンコ達が沢山いるからみんなと仲良くね・・・。
お祖父ちゃん、スピッツの海が行きましたよ~!!
お祖父ちゃんもスピッツ大好きだったもんね。
よろしく面倒みてやってね~。
そして・・・。
きっとまたいつか・・・。
私凄く触りたかったんだけど・・・
遠くのあたりで彼の白い体を眺めているだけでした・・・。
そっかぁ・・・。
きっと、先輩わんこやおじい様にも会えてるよ。
今のペットの寿命では11年って短いのかも知れないけれど、昔では充分って感じでしたねぇ。
悲しむのは望んでないと思うのでね、ありがとうってお礼を言いたいです。
またスピッツと出会う機会があったら今度は我が家で迎えたいなぁ何ても思ってます。
天国で、じいちゃんの嬉しそうな顔が目に浮かびます・・・(笑)。
ワンコに囲まれて幸せそうですわ。